「ペンだこ」と「感受性」


ほぼにちわ。です。

みなさんの手には、「ペンだこ」はありますか?
たしかはあったはず、という方は、
ちょっと見てみてくださいね。
パソコンで書くということを長く続けているうちに、
消えてしまっていませんか。

そんな話からはじまった、
9月24日の「今日のダーリン」は、
「こころのたこ」の話につながっていきます。

まずはその「今日のダーリン」をお読みください。

・ぼくにも、昔、「ペンだこ」というものがあった。
 中指の第一関節人差し指側に、
 固くなってぐりっとしたカタマリがあった。
 鉛筆を使って、たくさん文字を書いていたせいだ。
 刺激を受け続けている部分の皮膚が、
 厚くなって角質化したのが「たこ(胼胝)」だ。
 タイピングで文を書くのが当たり前になって、
 いつのまにか、「ペンだこ」はなくなっていた。

 空手をやっている人の拳には、鍛えた「たこ」がある。
 野球のバットを振り続けている人にも、
 手のひらのなかに、いくつもの「たこ」があるはずだ。
 あんまり育ちすぎて固くなった「たこ」は、
 刃物で削り取ったりして小さくしてると聞いた。
 職人的な仕事をしている人にとって、
 「たこ」は勲章のようなもので、照れ臭そうにだけれど、
 ちょっと自慢そうに見せてくれるものだ。

・このごろ、ふと、思うようになったのだ、
 こころにも「たこ」のようなものがあるのではないかと。
 よいにつけ、わるいにつけ、軽い刺激に反応しなくなる。
 「感じやすいこころ」なんてものは、不要だと考える。
 「感じるこころ」がなくなるわけではないのだけれど、
 「感じやすい」「感じすぎる」は、
 こころの「たこ」のおかげでなくなっている。
 そんな気がするのだ。

 それでいて、まったく逆のようなこともあったりする。
 年齢が高くなると、涙もろくなるようなのだ。
 それは、老化現象のひとつなのかもしれないけれど、
 思いがこころの深いところで
 ぽんっと爆発しているかもしれない。

 つまり、表面的な刺激を感じなくなって、
 奥のほうで感じることに大きくこころが動く、と。
 そんなふうになるのかもしれないな。
 こころに「たこ」ができるっていうのは、ありがたいよ。
 「感じすぎる」というか、感受性が強いってことが、
 いいことみたいに言う人もいるけど、
 それが、あんがい他人に迷惑かけてることもあるしねー。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
吠えすぎる犬というのも、愛されているうちに静かになる。

 (2013年9月24日「今日のダーリン」より)


「ペンだこ」から「こころのたこ」のこと、
歳をとってから涙もろくなること、
感じすぎるこころのこと。
この「今日のダーリン」にも更新後、
感想のメールをたくさんいただきました。

さてこの「postman@1101.comから。」では
いつもはメールをいくつか並べて
紹介するようにしているのですが、
今回は一通だけ、にしますね。
どうぞ、お読みください。

メールアイコン 看護師をしています。
毎日、生死に向き合う仕事です。
親しくなった方が亡くなるのを
お見送りするたび、
「こころのたこ」が
大きくなっていると思います。

二年前、東北の震災のとき、
こちら西日本でも多少の影響がありました。
たくさんの医療スタッフが
東北に応援に行きました。
残ったスタッフは、
普段の業務を少ない人数で
こなさなければなりませんでした。

直接東北の方のお手伝いが
できないのだから、
このくらい当たり前と思ってました。
「たこ」はまた少し大きくなったと思います。

そんな私に、震災以来、
東北のことを思うと辛くなって
何も手につかない、
と寝込んでいる友だちは
「鈍感ね。」と、
呆れたように言いました。
看護師って鈍いの? とも、言われました。

鈍い私は、そうなのかな? と
ずっと思ってました。
今日、糸井さんの、今日のダーリンを読んで、
うるっときました。
(泣いたりはしません。)

このままでいいんですね。
患者さんと途方にくれて
泣きたいこともある。
でも、次の日には普通の顔に戻ってる。

これからも「たこ」は
大きくなるだろうけど、
私は自分にできることを
地道にしていきます。

今の自分で大丈夫、と
言っていただいたような気がしています。
ありがとうございます。

(T. M.)


みなさんからいただくメールには、
糸井はじめ「ほぼ日」乗組員が、
返信をすることが、あります。

T. M.さんのメールに、
糸井はこんな返信をしていました。

メールアイコン T. M.さま

糸井重里です。

そんなふうに読んでもらえたらなぁと思って、
書いたものでした。
現実と、直接さわりながら生きている人は、
たこができるものだと思うのです。
考えているだけでは、たこはできません。

読んでくれて、ありがとうございました。


「こころのたこ」。
みなさんはどんな印象を受けられましたか。
いつでも、感想やご意見を
postman@1101.comまで、メールしてくださいね。 

2013-09-29-SUN

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