POST
postman@1101.comから。

【しんみりメール】


ほぼ日宛てには、明るいメールの合間に
しんみりしたメールもポツポツ届きます。

一見ヘビィと取られがちではありますが、
「しんみりメール」の一生懸命さやまじめさを、
一度どこかでご紹介したい、と常々思っていたのです。

ちょうど、昨日も、

「こんばんわ。
 明日も7時前の電車に乗らないといけないのに、
 こんな時間(夜中の2時)に
 メール打ってたら、デリバリ版が届いてました。
 皆さんが言っているように、
 リアルタイムで届くメールは、うれしいもんですね。
 ・・・以前、誰かが、落ち込んでいると、
 「ほぼ日」が輝きすぎていて、
 アクセスできないと書いていた気がします。
 じつは、私も、その一人なんです。
 見たら元気になるサイト!も全然素敵だと思うのですが、
 出来たら、落ち込んでいるときに、
 Only is not Lonly!
 って思える連載があると、とっても嬉しいです。
 私は会社も嫌いじゃないですし、やる仕事、あります。
 明日も、あさっても、行きます。
 でも、そんなことを、思うんです」

 
というようなメールを、いただいたところでした。

そこで、
ちょっとディープになるかもしれませんが、
今回の「postman@1101.comから」では、
敢えて、しんみりしたメールをご紹介いたします。

なにぶん、どれもかなりプライベートなものなので、
具体的な記述やお名前は伏せて、静かにお届けしますね。
それでは、3通、お読みください。




・はじめてメールします。
 鳥越さん、スクープという、
 13年間続けてこられた番組がもう秋に終わることで、
 ご本人にしかわからない複雑な思いがあるのでしょうね。
 私は22歳です。
 今まで10年間ダンサーを目指し
 レッスンに励む日々でした。
 大学を卒業し、就職もせず夢を追っていく力がなくなり、
 数ヶ月前、ほぼ毎日続けていたレッスンをやめました。
 自分では、ものすごく大きな変化だし、
 どうしてもくよくよとこれでいいのかと考えてしまったし、
 今でもすっきりとしない気持ちがあるのが事実です。
 それまで、ほとんどダンスしかやってこなかったので、
 今は何もなくなったなあとぼんやり思っていて、
 でも周りの人間にとっては、
 何も変わっていないのだろうと思います。
 私は踊っていようと踊っていなかろうと
 私なんだと思ったし、
 周りが、当たり前に自分を
 そうやって捉えてくれることが、
 心を落ち着けてくれました。
 今まで何か目標があったり
 夢を追って生きているという実感があったので、
 苦にならない苦労がありました。
 生きがいのない人生というのが、
 むなしかったり悪いことのように言う人もいるけれど、
 ただフラフラと毎日を過ごしていて、
 それだけでも、なのか、
 その方がなのかはわからないけれど、
 何らかの苦しさもあるし、
 エネルギーが必要なのだと感じています。
 ずっと続けていたことを自分の意志でやめてしまって
 後ろめたさのようなものを感じていた私に、
 「それでも自分のやれることをやっていく」
 という鳥越さんの決意は、大きな励みになりました。
 だからといって、すぐに何か具体的にできることが何か、
 まだわからないけれど、
 平凡でつつがない毎日を大切にしていけば、
 自分にできることがみえてくるものなのかなぁー。
 (匿名希望)


・長い片思いは、失恋ですか?
 ・・・と、なんだか眠る前にズーっと考えています。
 どうやって、気持ちを伝えるのか?
 突然、たがが外れて、仲間である相手に、
 決定的なことを言ってしまえばいいのに。
 なんて、一人眠る前にボーっと考えています。
 私はもうすぐ30歳です。
 したくない事はしないで生きてきました。
 本当は、大事な人と小さくて目立たない硬い関係を築いて、
 それに甘えることなく生きていきたいのですが。
 本当にそんな事できるのでしょうか。
 私は、片思いの相手から、色々学んでいます。
 それでよいのかもしれません。
 一つ一つの所作が私を翻弄し孤独にします。
 片思いは立派な恋愛です。
 そして、長い恋愛は
 失恋として、認識しなくてはいけません。
 ということを、寝る前に
 ボンヤリと書いてしまいました。
 (匿名希望)


・こんばんは。
 叫びたいくらになのに、でも、
 どうしても人に言えない気持ちがあって、
 申し訳ないのですが、はけ口になってください。
 私は昨日、彼とお別れしました。
 つきあった当初から、もう何年も一緒にいるような感じで、
 いつも自然体でいられる人でした。
 人を愛するってこういうことか、と教えてもらいました。
 別れの原因は、逆差別です。
 と、いうのは…
 私は在日朝鮮人です。
 両親は離婚していますが、どちらも朝鮮人です。
 親戚中に、日本人との結婚はタブーという認識があって、
 私もそう思って育ってきました。
 従兄弟たちはほとんどがお見合いで結婚しています。
 なので、彼の存在は
 秘密にしておくしかなく、黙っていました。
 彼にはそのことを話していましたし、
 彼も、急ぐことないよ、と待っててくれてました。

 しかし、ある日、私にお見合いの話がやってきました。
 もちろん在日の人です。
 いつもなら断るんですが、その話だけ、
 なぜか日が決まっていて、断りようのない状況でした。
 そこで初めて母に彼の存在を話したわけです。
 結婚を考えている人がいる、と。
 母の怒りは、思っていた以上にすさまじく、
 「出て行け!二度とこの家の敷居をまたぐな!」
 「日本人と結婚するなら一生独身でいなさい」
 彼がどんなにいい人かを知ってもらいたいのに、
 それ以上のことは話すことも許さない。
 そんな毎日が続きました。
 ・・・つきつめると、彼を選ぶか、家を選ぶか。
 私は家を選びました。
 この人ならやっていけると思っていたはずなのに、
 できませんでした。
 民族の壁なんて乗り越えられると思っていたはずなのに、
 できませんでした。
 家を出ることだってできたはず。
 だけど私にはできませんでした。
 同じように、彼も越えてきてはくれませんでした。
 「ついておいで」と言ってくれませんでした。
 昨日、ふたりで泣きました。
 そういう選択しかできなかった私に、
 「わかった」としか言えなかった彼。
 ひきとめることも、説得することもなく、
 彼は静かに泣いてました。
 幸せとは、他人が決めることじゃない。
 自分で決めること。彼はよくそう言ってました。
 だから、「私の選択」に対して
 「わかった」しか言えなかったのだと思います。

 辛いです。いつまで続くかわかりません。
 後悔? それもわかりません。
 自分の選択が正しいのか間違ってるのか…。
 ただ、もう、戻れません。
 大好きなのに、民族の、親戚の壁を越えられなかった
 自分の根性のなさが情けなく思います。
 日本で、在日朝鮮、韓国人への
 差別がありますが、その逆もあります。
 つらつらと長文すみません。
 私のようなケースは、多からず、在日社会には存在します。
 民族というのは何なのか。血って何なのか。
 何にしばられてるんだろう。悩みつづけるんだと思います。
 (匿名希望)

  


これら3通は、決して明るいものでもないし、
みんな挫折感にうちひしがれているのですけれど、
でも、こういうように感じている人は、
この人たちだけじゃないんじゃないか、
と思い、ご紹介させていただきました。

とくに3通目のメールのかたのさまざまな事情は、
メールボックスのこちら側で想像するだけでも
ほんとうに、いろいろなことを考えさせられました。

それでは、次回のこのコーナーで、またお会いしましょう。
「ほぼ日」のメリー木村でした。



postman@1101.com宛てのメールは、
スタッフ全員が必ず読んでいます。
これからもご意見、ご感想をお寄せください。
アクセスの数字の後ろに「人」の姿が見えると、
スタッフ一同、なによりの励みになるのです。

postman@1101.com 宛に送ってもらったメールは、
このコーナーで紹介させていただくかもしれません。
掲載されちゃ困るメールには、「載せちゃイヤ!」と
書き添えてください。逆に「載せて!」と
書いてくれるのもけっこうです。

◆あと、無理じいするつもりはありませんが、
「ほぼ日」では、顔文字禁止です。
どうしても使いたい人に「やめろ」というつもりは
ありませんが。
(darling)

2002-06-25-TUE

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