POST
postman@1101.comから。

オリジナルとグローバル(宮崎駿さん金熊賞)


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・私の妻は、何度注意しても
 ネコかぶっている、のことを
 自信満々に「皮かぶってる」と言う。
 (モモヲ)

・友達と理想の男性像について語っていた時。
 細身で筋肉質の人がいいと盛り上がっていました。
 『軽やかな動きがいいよね。
  蝶のように舞い、蚊のように刺すっていう感じ』
 ・・・地味だなぁ。
 (しぐ)
 
・わたしのともだちの苦い過去。
 田舎ゆえ、高校生で、喫茶店初体験。
 初デート。
 好きな子を目の前にして、かっこよく
 「UCCひとつ!」
 (Sachi)

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 言い間違いに関する投稿を沢山いただいています。
 興味のある人は、ぜひ配信申し込みをしてくださいね。

 こちらのようなワクワクするメールを
 受け取るのはとても楽しみなのですが、
 同時に、スタッフだけで読んでおくには勿体ない
 と感じるような真摯なメールが幾つもたまっています。
 (嬉しいことに、メール配信でお届けしきれない程です)

 今日は、まじめで長いメールを書く気持ちに対して、
 背筋の伸びる思いを感じながら、
 「postman@1101.comから」をお送りしますね。


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毎日お疲れさまです。初めてお便り致します。
本当に読んでいただけるのかと思うと照れくさいです。
糸井さんが教育テレビでYOUの司会なさっていた頃から
ずうっと糸井さんの言葉に耳を傾けてきました。
べったり頼りきっていたというわけでも
追いかけていたわけでもなく、
ふと糸井さんの言葉が耳に入って心に残る、
という時間を過ごしてきて、今はかなり頻繁に
糸井さんの言葉が聞けるようになって、
なんて便利なことなんだろうと思っています。
ほぼにちを見るのは、
とても心に残っている映画を
レンタルビデオで見てしまうような罪悪感が
ちょっとつきまといます。
どうも贅沢を享受できる性格ではないようです。

……と、前置きが長くなってしまってすみません。
今まで出したこともないようなmailを出そうと思ったのは
宮崎駿監督がこの度金熊賞を受賞なさったことを
糸井さんがほぼ日で取り上げてらっしゃったからです。


「『絵』に込められた情報の分量が、
 とんでもなく多いのだ。
 実写で映像の情報量を増やす場合とちがって、
 アニメーションは描かないものは、映らない。
 なのに『千と千尋の神隠し』に、宮崎駿チームは、
 観客が見切れないほどたくさんの情報量を入れている。
 映画館の大画面であの映画を観賞した人たちは、
 描かれたものの、すべてを味わい尽くすことなく
 映画館から出てくることになるのだ。
 描かれた『思いの分量』と、
 それを虚仮のように画像に表現しつくすこと。
 気の遠くなるような作業だろう。
 それをやりぬく、
 やりぬけると思うことが『決意』だった。
 ぼくはそう思った。
 かつて、ここで『朝の9時から朝の4時まで働く』
 とんでもない知りあいのことを書いたけれど、
 それは、宮崎駿という人のことだ(2月19日のほぼ日)」


これを読んで、私も心から嬉しく思いました。
私達の年代は宮崎監督のアニメで育ってきました。
今でもハイジがロッテンマイヤーさんに
白パンを捨てられる場面を思い出すと涙が出てきますし、
たくさんの勇気と優しさをいただき感謝しています。
受賞も当然のこと、と思っていました。
しばらくアメリカに暮らしたことがありますが、
私の周りにトトロが大好きな人はたくさんいました。
あんな日本的な感じがわかるの?と聞いたら
「何が日本的か細かいことはよくわからないけど、
 でもあの雰囲気はなんとなくわかる」
と言っていました。スペイン人の友達は
最初ハイジが日本のアニメだとは信じてくれなくて、
じゃあハイジのオープニングの歌は?といういうことで
向こうはスペイン語、こちらは日本語で歌い始めたら
まったくハモってしまって大笑いしました。
歌詞の内容は?と聞いたら
「おじいさんは何でも知っている、というようなこと」
と言っていたので、日本語の歌詞もそんなようなことだよ、
と教えてあげたらお互いなんとも嬉しくなりました。
私の狭い体験をくどくど書いてもしょうがないですね。
アメリカに住む前から、
「originalityを追求することは
 普遍的なものに近づくことだ」
という考えはすっかり常識なのだと思っていました。
これまでのartでもどんな作品でも
それは明らかに証明されていますよね。
ですから宮崎アニメは世界で通用しない、
と思われていたとか、
宮崎さん自身も「世界は狙っていない」と
おっしゃっていたとかいうお話を聞くと
とても不思議な気がしてなりません。
日本の子供に向けて発信することは、
世界中の子供に向けて発信することです。
確かに細かいことは伝わらない部分もあるでしょうが、
不思議なもので、言葉にならないような
大事な部分ほど良く伝わります。
Globalizationを追求するほど
originalityが求められるという相反する事象は
現実にたくさんあって、その両方の大きさを
実感できるような体験はものすごく心に染みます。
「日本のアニメが世界の人に
 理解してもらえるかどうかわからない」
というのは宮崎監督を含めアニメのお仕事に携わる方々の
照れと謙遜なのでしょうけれど、それは例えば西洋の人に
「日本人にバッハが理解できるかどうかわからない」
と言われているようでちょっと悲しい気持ちになります。

もし宮崎監督にお会いする機会があったら、
監督の世界は言葉や目に見えることだけでなく、
精神として伝わっていますよと、
そのことに感謝している人は世界中にいますよと
お伝えいただけないでしょうか。
もっともこんなことはとっくに監督ご自身も
理解していらっしゃることと思いますし、
糸井さんにお願いするくらいだったら
自分でお手紙でも書けばいいのかもしれませんが、
どうしても糸井さんにお願いせずにはおれませんでした。
それはやはり私にとって宮崎監督は
直接何かを申し上げるにはおそれおおく、
糸井さんなら私の思いを理解してくださって、
もっと上手に宮崎監督にお祝いと励ましの言葉を
伝えてくださると思ったからかもしれません。
ともかく書かずにはおれなくなってしまいました。

ほぼにちの最初にも
「日本語の読めるみなさんこんにちは」
と書いてありますが、ほぼにちに流れているような
空気というか概念は、私のような
日本語以外の言葉も使える人を通して、
日本語を読めない人にも伝わっていますよ。
糸井さん、以前、NHKの番組で河原で
子供に石を拾わせて並べさせてましたよね。
糸井さんはあの試みに満足されていないようでしたが、
私は言葉というものの理解が
少しだけ深まったような気がしました。
日本人に向けて発している言葉は
世界中の人に向けて広がっていきます。
広いところで息をしているような、そんな気持ちに、
たとえ毎日大変でも糸井さんに
なっていただいているのだろうかと、
ほぼにちを読んでいて時々気にかかります。
きっと大丈夫なのでしょうけど。
長くなってすみません。
読んでいただけたらとても嬉しいし心から感謝致します。
読んでくださったことだけでなく
これまでのことに対しても。
お体大切になさってこれからもお仲間と共に
色んなことを発信してください。応援しています。
(Hiroko)


 (※そして、その後にdarlingからの
   「夜中に仕事をしているときに、
    こんなメールを読ませていただけることが、
    なによりのぼくの幸せです。
    宮崎さんは、ほんとは
    ちゃんとわかっていると思いますよ。
    けっこう、口と思いはちがうんですよね。
    昔のオヤジみたいなところがあるんです」
   という返信を経て、もう一通いただきました)

お返事ありがとうございました。
本当に読んでくださったんですね。嬉しいです。
昨夜は久しぶりにlove letterを書いた気分で
ちょっと寝つけませんでした。
そうですよね。
宮崎監督はきっとわかってらっしゃいますよね。
そうじゃなきゃ、あんなことやってられないですよね。
「あなたはわからなくていい」的な言葉に対して
敏感になってしまうのは、
そういうことに敏感にならざるを得ない環境に
少し長くいたせいかもしれません。
「オヤジ的」なるものはどこでも通用するんですよね。
それは主に覚悟という点において
普遍的なものがあるからだと思っています。
(Hiroko)


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Hirokoさんが日々感じているであろう風圧が、
「あなたはわからなくていい的な言葉に対して
 敏感になってしまうのは、
 敏感にならざるを得ない環境に
 少し長くいたせいかもしれません」
という思いを生み、オリジナリティと普遍性への
今までの考えを引きだすことになったのでしょう。

あまりないことですが、
今回は一人のみのメール紹介にいたします。
「長く静かなものを、ほぼ一通だけ」
というのもタマにはいいかなぁと思いました。
これからも、まじめなメールや楽しいメールを、
ほぼ日はいつでもお待ちしています。
(メリー木村)




postman@1101.com宛てのメールは、
スタッフ全員が必ず読んでいます。
これからもご意見、ご感想をお寄せください。
アクセスの数字の後ろに「人」の姿が見えると、
スタッフ一同、なによりの励みになるのです。

postman@1101.com 宛に送ってもらったメールは、
このコーナーで紹介させていただくかもしれません。
掲載されちゃ困るメールには、「載せちゃイヤ!」と
書き添えてください。逆に「載せて!」と
書いてくれるのもけっこうです。

◆あと、無理じいするつもりはありませんが、
「ほぼ日」では、顔文字禁止です。
どうしても使いたい人に「やめろ」というつもりは
ありませんが。
(darling)

2002-02-21-THU

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