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| postman@1101.comから。 |
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第17回 いつも編集部にメールをくれる皆さん、 どうもありがとうございます。 メールってつくづく不思議な道具ですね。 道具が人に語らせる、なにか言いたくさせるんスかね。 海の向こう、フィラデルフィアからの発信は、 そんなふうに考えさせてくれました。 =========================================== 「フィラデルフィアからのメール」 こんにちは 日本から離れて暮らし始めたので、このHPで 日本語の面白い話を読むのが本当に楽しみな毎日です。 私は今、フィラデルフィアの病院で 内科のトレーニングを受けています。 アメリカでは医師免許を手に入れるには たくさんの試験を受け続けなければなりません。 日本だと大学を卒業するときに受ける 国家試験に1回通れば、あとはもう一生、 免許のための試験を受ける必要はありませんが、 この国だと、大学を卒業してから入学する メディカルスクールの間に、基礎医学の試験 (ステップ1・だいたい2年生のとき)と 臨床医学の試験(ステップ2・4年生のとき)に 合格しないと、卒業後のトレーニングプログラムに 入ることが出来ません。 しかも、そのトレーニングの間に、 実際の診療活動についての応用試験(ステップ3)に 合格しないとトレーニングを続けることができません。 ようやくトレーニングが終わったら (期間は専門によって違います。たとえば 内科だと3年間、外科は5年間と決まっている。) その卒業試験を受けて合格しないと、 一人前の医者とは名乗れない仕組みです。 さらに、心臓を専門にする、とか肺を専門にするとか といったいわゆる専門医になるには 更に2〜3年のトレーニングを受けて、 もちろん試験にも合格しなければなりません。 本当に気が遠くなる道のりです。 で、これでおしまいかというと、そうではないのです。 だいたい10年ごとに試験を受けて、 合格しないと免許を剥奪される。 いや、ほんとうに長い長い道なのですが、 今週その一里塚、ステップ3の試験を受けました。 1日6時間、約360問の問題を 解きまくる2日間なのですが、今日お伝えしたいのは 試験を作った人たちの狙いです。 この試験のテーマは、 <医療機関を訪ねる人たちに、一定以上の水準の 医療を提供できる職人をつくる>、です。 問われる内容はもちろん、いわゆる医学に関する知識が 主なものですが、いかにも普段ありがちな設定の病気や 怪我に関するものが中心で、そこで私たちが考えるべき 事柄、すべき事柄を選ばせます。 しかもその選択肢も、 <もっとも経済的でかつ効果的なものはどれか> というふうに昨今の医療経済の破綻の危機に即した 聞き方っだりします。 問題の約5分の1は、医学の知識を問うというよりは、 医療に関して起こりうる倫理的社会的問題を扱ったり、 心理学的問題を扱っています。 たとえば、 <89才女性、以前からすこし痴呆があって 今回肺炎をこじらせて人工呼吸器につながれた。 意識不明で、回復の見こみもなさそう。 息子は治療を続けてほしいと言ってきたが、 娘は人工呼吸器をはずしてほしいと言ってきている。 さて、どうするか。> とか、 <25歳女性、警察官の妻。 頭痛を訴えて来たが、原因は夫の激しい暴力らしい。 さて、ただちに行うべきことはどれか。> とか、 <22歳女性、離婚歴のある40歳の男と先週結婚するまで 誰とも性交渉を行なったことはなかった。 夫との性交を試みるとすごく興奮して続けたいのに、 痛みがあって出来ない。 ペニスでは痛みがひどくてだめだが、 その代わりに指を使うととても気持ちが良かった。 さて、つぎにまず行うべきことはどれか> 最後の例なんか、問題を読んでて(ここで書いてても) 恥ずかしくなってしまいましたが、こっちの人は ほんとにこういうことも相談しに来るんですよね。 医者の中には、実際に診療活動をしないで 基礎的な研究をしている人もいて、そんな人たちにとっては すごく馴染みの薄い分野の質問ばかりになっていますが、 お医者と名乗る以上は、 いくら最先端の難しい研究をしていても、 4歳のこどもの風邪とか、89歳のおばあさんの呆け症状や、 新婚女性の性生活問題をうまく扱えなきゃ困る、 というあちらの姿勢がはっきりと伝わってきます。 私は今年のはじめまで日本の病院で働いていて、 日本のいいところもひどいところも、 それぞれ目の当たりにしました。 日本のお医者のレベルは本当に幅が広くて、 すばらしい技術と知識を兼ね備えた人々がいる一方で、 なんだそりゃ、といいたくなるような人も 同じお医者として働いていたりしています。 昨日まで外科医として働いていた人が、 内科とか産婦人科とか、 まあとにかく何科でも標榜することは自由ですし。 そんな経験を振り返ると、試験を受ける側にとっては、 本当に苦痛でしかありませんが、患者さんたちにとっては 全国のどこの医療機関でも 最低限の技量が保証されている訳で、 いいことなんだろうなと思います。 お医者はサービス業だなあと常日頃思っていましたが、 今回の試験でますますそう思えたので ちょっと長くなりましたが、お伝えしました。 本田美和子 Philadelphia PA 19107 USA =========================================== セイヒロー・コメント う〜む、試験問題が面白い。 医事相談室を担当してるMelic須田さんに 同じ質問してみるってのはどうだろう? あ、またまた本田さんからメールが届いた。 メールは語らせるねぇ。 =========================================== 「フィラデルフィアからのメール」その2 ほぼ日の編集のみなさま、こんにちは。 先日久しぶりに日本語を書いたら、 なんとなくもう少し書きたくなりました。 3年間の内科のトレーニングの間には、 ホームグラウンドの大学病院とは別に、こじんまりした コミュニティーホスピタルとよばれる病院での ローテーションもあります。 11月はそういう病院で働きました。 それはフィラデルフィアのイタリア人街にあって、 (古くなりますが、映画のロッキーは ここで生まれ育った設定です)陽気で気のいい、 じいちゃん、ばあちゃんが風邪を引いたり、 心臓発作を起こしたりして入院してきます。 その病院の最上階は、改装したばかりの入院棟で、 その一角が私たちが泊まる当直部屋でした。 まだ患者さんが入ってないこの部屋を使って、 ハリウッド商業映画の撮影がありました。 「グーニーズ」とか「原始のマン」とかに出ていた Sean Astinが主演の映画らしいのですが、 5日間のロケの間、結局私は本人を見かけることは ありませんでした。 病院の中は、ニセの患者と本物の患者、 ニセの看護婦と本物の看護婦、ニセの医者と本物の医者、 本物かどうかわからないけど映画を撮ってるらしい、 インターコムをつけて忙しそうに歩き回ってる その筋の人たちが一緒になって、ややこしい。 映画の撮影を見るのは初めてだったので、 用もないのに当直室に行ったりして結構楽しみました。 撮影現場も面白かったけど、忘れられないのはお食事です。 機材を積んで来たトレーラーが 病院の周りをぐるりと取り囲んでいたのですが、 そのなかのひとつはお食事専用。 朝5時半ごろ寝ぼけて出勤するときには すでにすごくいい香りのコーヒーと、パンケーキや 卵焼きが歩道に広げたでかいテーブルに こぼれんばかりに並んでるのです。 トレーラーの中には厨房があって、おじさんがせっせと お料理を作ってる姿がまたかっこいい。 お昼も夕食もそれは沢山のお料理が並んでました。 しかも、撮影現場だった6階のエレベータの前にも こちらの典型的なおやつと食事 (ドーナツとマフィン、フルーツの盛り合わせ、 コーヒー、中身がこぼれないように楊枝がさしてある 厚いサンドイッチ)がいつも山積み、食べ放題。 いつもおなかをすかせて、病院の中をばたばたと 歩き回ってる私たちには本当に目の毒でした。 クルーは5日間病院のシーンを撮った後、 目抜き通りを通行止めにして カーチェースの撮影をして帰っていきました。 映画がいつ公開されるのかはまだよくわかりませんが、 どんな内容の映画となっても私の心に残るのは あのおいしそうなお食事満載のトレーラーと そのなかで料理を作りまくっていたおじさんのことです。 本田美和子 Philadelphia PA 19107 USA =========================================== セイヒロー・コメント ホームページって本当に世界各地で読めるんだね。 メールがくると、それが実感できてうれしいっス。 世界中で「ほぼ日」を読んでくれてる皆さん、 地球各地からのメール、おまちしていますぜ。 あ、群馬からメールがきたよ。 =========================================== 『上毛カルタ』 楽しく拝見させていただいております。 「ほぼ日」で「上毛カルタ」の話題がありましたが、 なんと「英語上毛カルタ」も存在するのです。 すでにご存じであるようでしたら、すみません。 群馬県人は上毛カルタを暗記しているらしく、 それが英語になれば英語も覚えやすく 興味深くなるモノではないか……といったことから 製作されたようです。 (残念ながら、私は群馬県人でありながら 暗記しておりません) しかも、ネイティブスピーカーによる 読み上げテープもついています。 さらに、カードの裏にある解説も英語で 初級(通常読まれる文章)、 中級(説明を加えたモノ)、 上級(カードの内容や背景の解説)と3とおりあります。 「ビートとリズムで楽しく学ぼう!!」 ということらしいです。 (残念ながら私は聴いたことがありません) つい先日リニューアルして発行されました。 1900円、テープ付きなので ちょっと高めの設定なのでしょうか? 次回はCDとかつくようになったらそれはそれで、 すごいですけど。 上毛カルタは知っていても、 英語版の上毛カルタがあるなんて知っている人は どのくらいいるのでしょうか? もしも、興味があるようでしたら群馬の書店まで。 (実は売っているのも見たことないです。 単に気がつかなかっただけかもしれません) 一応ご報告まで。 katoaoak =========================================== セイヒロー・コメント 「老農 船津傳次平」 (ろうのう ふなつでんじべい) ってどう訳すってんだ? ネイティブスピーカーだと、どう発音するのだろう? 「水上 谷川 スキーと登山」 (みなかみ たにがわ すきーととざん) 「ねぎとこんにゃく 下仁田名産」 (ねぎとこんにゃく しもにためいさん) なんてのも、英訳して、ネイティブスピーカーに 発音してほしいっス。 それでは、みなさん、ごきげんよう! |
1998-12-12-SAT
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