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第15回

みなさん、この週末はどうすごしましたか。
先週末なんすけど、私、セイヒローは、
友人の披露宴に呼ばれました。
新郎が小中学校の同級生だったんですね。
で、中学卒業以来はじめて会った友からは、
デブ化、オヤジ化、ヒゲヅラ化をこってり指摘されました。
でも、オイラもデブのままじゃないぜ、ってとこを
ちかぢか、ガツンと魅せますぜ。こうご期待!

それから、これも先週のことなんすけど、
11月23日の夜は吉祥寺のライブハウス曼陀羅で、
スター又吉究さんのライブを観てきました。
地下1階のライブハウスに入ると、そこはまさに
20、30年前で時代が止まったような空間でした。
せまくて薄暗いフロアにはタバコの煙りがたちこめ、
若者の吐き出すぬるい二酸化炭素で、アタマくらくら。
ギター1本で歌う又吉さんの声は、シブかったネ。
次のライブは12月16日に同じ場所でやるそうです。
ナマで又吉さんに会いたい人は、行ってみてね。

さて、そろそろ、いつものように読者からのメールを
紹介しましょう。まず、最初は熊本の大学に通う、
品川さんからのお便りです。

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8月の終わり頃から、家の換気扇のあたりが
やたらうるさくてしょうがない。
どうやら鳩の鳴き声のようだが、
その鳴き声が半端ではなかった。
「ギャー、ギャー」というようなとても激しい鳴き声だ。
いったい何事だろう?と思ってそっと換気扇を開けてみた。
すると、バタバタバタと2羽の鳩が飛び去った。

鳩のカップルが家の換気扇の外につきでた部分を
巣にしていたのだ。
僕は「なんてとこにすみつくんだよマッタクー」と、
この2羽の鳩を追い出そうとしたが、
何度やってもすぐに戻って来た。
どこにでも当り前のようにいる鳩だが、
安心して暮らせる所が本当に少なくなってきているようだ。
そこで僕は思い直して、落ち着くまでしばらく
このままそっとしておくことにした。

9月に入って、鳩はすこし静かになった。
観察してみると、
1羽ずつ交代で換気扇に出入りしているようだった。
そこで僕は、2羽ともいなくなった一瞬のすきに
換気扇を開けてみた。すると、白くて、ウズラより
ひとまわり大きいくらいの卵があるではないか。
そう、あの激しい鳴き声は交尾をしていたのだ。
これはますます追い出せなくなってしまった。

9月下旬、換気扇から「ピー・ピー・ピー」という
弱々しい声が聞こえるようになった。
どうやら、ヒナが卵からかえったようだ。
あまり家にいる時間が長くないので、
いつという正確な日にちはわからないが、
とりあえず無事に生まれてホッと胸をなでおろした。

最近ではヒナの鳴き声も力強くなり、
親鳩が忙しそうに動き回っているようだ。
おかげで僕はあの卵を見て以来、
換気扇を開けられなくなり、
ほとんどガスコンロを使っていない。
この先いったいどうなるのだろうと、
何だか少し不安になってきた。

(文:熊本大学工学部・品川 新一 )

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セイヒロー・コメント
うんうん、ええ話や。
「ギャー、ギャー」という激しい鳴き声は、
鳩が交尾してたんだね。グッとくるね。
実は、私の家の庭木にも春と秋には、鳩が巣をつくりに
やってきます。年によって来ないこともあるけど、
人間の近くは外敵から身を守れるのかもしれないね。
さて、もう11月は終わりです。
品川さん、鳩の一家がそれからどうなったのか、
ぜひ知らせてください。
ほかにも「ウチにはこんなん住みついてますぜ」って
話があったら、メールください。

つづいてのメールは、
「今日のほっかほっかメニュー」をクリックして行く
「サイシン」ページを読んだ方からのメールです。
「サイシン」ページの下にある「むかしのさいしん」の
「11-16-MON 送りバントのことが気になっていて」
をまずは読んでくださいね。

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「送りバントのことが気になっていて」
(文:ダーリン)

今年の横浜ベイスターズ。「権藤さん」こと権藤監督は、
送りバントを極端に減らしたゲームをつくっていった。
横浜が優勝したせいで、この「冒険的」ともいわれそうな
戦法は、おおきな問題提起になった、
はずなのに、日本シリーズの優勝が決まってしまったら、
論争も起こらずに「ま、また考えましょうや」
といった感じになってしまったようだ。

横浜というチームは、9回の1イニングを絶対的な
ストッパーがおさえるという、「守り逃げ」のゲームを
得意としているチームである。佐々木大魔神は、
「必ず敵の最後の攻撃を0点におさえる」ということに
なっている。つまり、1点というものの重みを中心に
戦略が組み立てられているチームなのだ。

さらに、1点をもぎとるための戦術として、
1塁ランナーを得点圏に送り込む「犠牲バント」は、
きわめて有効なものであるといわれている。
いわれていると、断定できないのは、
ぼくにデータがないからだ。

横浜とすれば、相手より先に1点でも取っておいて、
最後に佐々木をだして「守り逃げ」するのが、
順当な戦略だったはずである。
それが、「自然」な考え方だったと思う。

しかし、その「自然さ」に、権藤さんは抗ったわけだ。
とてもヘンなことをしていると、他チームの監督や
評論家は、もっとうるさく言うかと思ったが、
そういう指摘はあまり聞こえて来なかった。
ベイスターズが優勝戦線から脱落していたら、
もっと小姑のように合唱していたのかもしれないが、
あいにく、優勝までしてしまったので、
権藤さんの「不自然」な戦法についての批判は
ネタにならないで終わったわけだ。

ぼくは、この問題について、強い興味をもっている。
とても難しい、しかも新しい「コンセプト」が、
権藤さんのなかにあるにちがいないと思っている。

おそらくそれは、野球というゲームの試合時間を
「川の流れ」として喩えたとき、上流・中流・下流と、
流れにしたがってプレイの意味が変化していく、
というようなことではないかと推測している。
わからない。
うまく言えない。
ぼくには、うまく言えないのだ。
しかし、もっとそのへんのことをうまく言えるコトバが、
あるにちがいないのである。

「せっかくのチャンスに、
アウトをひとつタダでやるようなこと」
と、権藤さんは、バントを語る。
しかし、それだけで、あれだけの確信犯的な
徹底した戦法はとれないはずだ。

1、アウトひとつを生け贄にささげて
2、得点圏に走者をすすめて
3、3分の1の確率(打者の打率)で1点を奪い取るという
  戦法をとるときに、3分の2の確率で0点に終わる。

その3分の2の確率で感じられる「痛み」は、
若いチームの自信をつみ取ってしまうだろう。
だとしたら、三番打者の3割の確率と
四番打者の3割の可能性と、
2度の「確率3分の1のくじ」をひいたほうが、
(脚力のあるチームなら)1点とれる確率はアップする。
しかも、犠牲者(犠打)をだしてないから、
得点できなかったときの「痛み」も少ない。

というような考えが、あるのかもしれない。
しかし、それだけでは足りない気がするんだよなぁ。
これに、試合の流れの理論を組み合わせないと、
「守り逃げ」のチームの戦法として確信をもてないと、
ぼくは思うんですね。

横浜のツウなファンの方で、そのへんのことについての
「権藤メソッド」を知ってる方がおられましたら、
教えてください。
この話が、今年の「野球評論家」の宿題だと、
ぼくは思うんだけどなぁ・・・。

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セイヒロー・コメント
ということで、来ましたよ、横浜ファンからのメールが。
スポーツをこう考えて観ると面白くなる、
のお手本のような
メールです。では、どーじょ。

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「11月17日、長野は雨です」

拝啓
はじめてメールをおくらせていただきます。
長野市在住の高山英俊と申します。
仕事の合間に、ほぼ毎日読んでます。
とてもおもしろいです。
今年一番ハマったもののひとつです。
さて、
11-16-MON「送りバントのことが気になっていて」
に関してですが、私の友人にみっちゃん(橋本光弘・30才)
というコアな横浜ファンがいたので、
感想を書いてもらいました。

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「送りバントのこと」

『送りバントのこと』を横浜ベイスターズのファンの
一人として、とても興味深く読ませていただきました。
金がない・人気がない・実力がないころからの
横浜ファンとして(コアな横浜ファンは
ファン歴を強調し、にわかファンでないことを
強調したがる。カッコ悪いけど…)
今年ほど燃えたシーズンはありませんでした。
あとは横浜高校の松坂クンを獲得して、
今年の横浜を締めくくってほしい…と思っています。

送りバントのことですが、糸井さんの分析していた
『送りバント論』すごく的を得ていると思います。
アウトひとつ覚悟で1点を確実に穫りにいく戦術は、
特に守護神がいるチームのベンチ采配としては
確率的にもとても有効に働くと私も思います。
でも糸井さんが「どうもしっくりこない」と
思われているのは、権藤さんが味方の攻撃の時も
常にピッチャーの視点でゲームを作っているから
っていう気がするんですけど…。

つまり、ピッチャーがやられて嫌なことをやる。
とでも言いましょうか…。
たとえば、ランナー1塁というシチュエーションでとれる
ベンチの戦術は、アウトカウント・ボールカウント・
ランナーの足・相手ピッチャーなどによって山ほどある。
その中で選択する「送りバント」は、併殺を防ぎ、
確実に得点圏にランナーを進めることができるが、
盗塁・エンドランなどと比べて、
どうしてもピッチャーにプレッシャーをかけにくい。

ピンチの中、相手ピッチャーは2塁と引き換えに
楽にアウトをもらう。交換条件としては分が悪いけれども
痛手を最小限に食い止めて、次のバッターと
勝負できてしまう。それが「送りバント嫌い」の理由の
ひとつのような気がします。
極端なことを言えば、ゲームを客観的に見ていない、
ピッチャー主観主義野球とも言えるのかもしれませんが…。

権藤さんがゲームの序盤・中盤で送りバントを
しなかったのは、きっと自分たちの流れを作り、
自分たちの流れを変えないことにこだわったと
自分は勝手に思っています。
「送りバントをしない」は、ともすると
ハイリスク・ハイリターンのようにも思えるが、
クリンナップ以外は、「最低でもランナーを進める」という
バッティングをしていた。だからうまくハマった時は
「マシンガン打線」になったんだと思います。

ゲームの流れといえば、日本シリーズ第6戦。
1回表、西武の攻撃、1番松井が四球を選び無死一塁、
2番の大友が初球送りバント。でもその回西武に得点は
入りませんでした。西武はそこで流れをつかみそこねる。
二勝三敗で負けられないというのを差し引いても
西武ベンチはシーズン中はやってきたはずの
「足でかきまぜる」ことはせずに、
ランナー松井にもかかわらず、
よそ行きの野球をしてしまったと思う。

権藤さんはその時
「しめた」と思ったんじゃないでしょうか。
立ち上がりの悪い川村に強いプレッシャーをかけられず、
かえって図に乗らせてしまった。
結果論でごちゃごちゃ言うのはあまりよくありませんが、
もしあの時、西武が足でかきまぜる戦法を選択し、
それがまんまと的中してしまったら…。
考えただけでも恐ろしい。

偉そうなことを述べましたが、糸井さんの文章を読んで
こんなふうに感じました。
(文:みっちゃん)

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いかがでしょうか。
私は阪神ファンなので関係ありませんが。
もし、お返事いただければ幸いかと。
みっちゃんはメールとかできないので、
私あてに送っていただければ幸いです。
あっ、もちろんほぼ日で掲載していただいて、
コメントをいただいてもOKです。

長くなりましたが、スタッフのみなさん、
これからもすばらしいほぼ日を届けてください。
がんばってください。さようなら。
(文:高山英俊)

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セイヒロー・コメント
うーむ、なるほど、確かに相手ピッチャーにとっては、
送りバントされるのって、痛くない取引、というか
いい妥協点なのかもしれませんね。
ま、野球を知らない私のコメントはこのへんにしといて、
ダーリンさんのコメントに移りましょう。

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なるほどねぇ。
よく言われる「投手出身の監督」という視点に加えて、
進塁打の打てる打線(その鍛錬をしてきたという自信)、
盗塁するぞという「兵器をちらつかせる脅迫」などを
からめたチームであったと。
解説者の雑なコメントより、リアリティーがありました。

これにさらに、「序盤・中盤・終盤」という
試合の意味の流れが見えてくれば、
この問題はすっきりするんだけど。
いや、この考えのヒントは「モノポリー」という
ボードゲームの戦略からでているんだけどね、
いつか、またもっと誰かに教えてもらいたいことだなぁ。

投手起用についても、
「飛行機の離陸と着陸の事故率がいちばん多い」
ということを考えにいれると、
横浜は、疲労のある着陸のほうをより危険視して、
「離陸」の研究を万全にしていったとも言える。
こっちのほうが、メソッドを組み立てやすいからね。
いろいろ聞いてみたいことの多い
「権藤ベイスターズ」だねぇ。

<darling>

1998-11-30-MON

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