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第14回
番外編・編集部突撃取材
「スター☆又吉究(24)」に会ってきた
熱い投稿で、なんども当コーナーを騒がせてきた男。
又吉究(マタヨシ・キワム)24歳。
自称スター・・・全力投球で送ってくれる原稿は、
あまりに熱すぎるためにボツになったネタ数知れず。
日々寒さがきびしくなってきても、
彼の熱さは衰えるどころか、ますます温度をあげていく。
ああ、情熱のムラっ気投稿マン。
しかし、聞くところによると、
吉祥寺や四谷のライブハウスを沸かせ、テレビドラマの
エンディングテーマを歌うこともあるという。
また、ある編集部員がgooで又吉究を検索したら、
NHK大河ドラマの出演者にその名をみつけて驚いたこともある。
熱いメールをくれるのは仮の姿で、実はとじこもりがちな、
おとなしい投稿マンかもしれないと思いかけていたので、
彼のスター活動が現実のものと知って、かなりビックリ。
スター、あんたホントはいったいどんな人なんや。
ほぼ日との接点は、メールの文章だけ。
そんなんじゃ、ホントの姿がさっぱりわからない。
じゃ、どうすりゃいい。
会えばいいのだ。

「あ、この人がスターだ!」
地下鉄丸の内線、
東高円寺が
スター活動の拠点。 |
メールで取材をお願いすると、
「いつでもいいっすよ」と、あっさりオッケー。
11月11日、オイラは夕方のラッシュで込み合う
地下鉄丸の内線にゆられて、スターの指定してきた
東高円寺のホームにおりた。
地上に出ると、そとは真っ暗。
屋台のタコ焼き屋から、甘い蒸気の匂いが流れてくる。
「あ〜もしもし、イトイ新聞の者です。今、駅につきました」
「じゃ、すぐ行きますから、オレを見つけてください。
あ、スターだ、ってわかりますから!」
「わかるってアンタ、会ったことないよ」
「ええ、でもわかります、スターですから」
3分後、目の前に、真っ赤な男が立っていた。
「あ、スターだ!」
なるほど、これならわかる。街のどこをさがしたって、
こんなかっこ(駅で撮った写真を見てね)のヤツはいない。
「じゃ、オレんち行きましょう」
「え、いいの?」
いきなり自宅突撃だよ。

特注のスタージャンパー。
ステージ衣装であり、
冬の現場でも大活躍。 |
大通りに面した古いマンションが、
スターのねぐらだった。
薄暗い階段をのぼり、鉄の扉をあける・・・。
玄関、台所、そして部屋のすみずみから漂う生活臭。
スター活動もらくじゃなさそうです。
いきなり見せられたライブ予告のチラシにビックリ。
スター☆又吉究ライブとあり、
ゲストにマイケル・ジャクソン、
ジェイムス・ブラウン、三波春夫とある。
「スゲーじゃないッスか!」
「ええ、これはね、ここ読んでください」
「???」
『※内容は予告もなく変更する場合もございますので、
予めご了承ください。』
「あ・・・じゃ、変更したんスか?」
「雑誌に載ってる広告とかでよくあるじゃないですか。
通販とか。商品が宣伝してあって、下のほうに小さく
内容は予告もなく〜って書いてあるヤツ。
なんやそれ、あれやったら、なんでもアリですよ(怒)。
だから、その文を俺も書きたかったんです、ガハハハハハ」
あらゆるウソッパチへの憤り、そして、それを消化して
ギャグにすることに生き甲斐を感じる熱い男。
又吉究さんは、昭和49年8月10日、沖縄に生まれている。
小学校5年のとき、沖縄に来たブルーハーツのライブが
彼の人生をかえた。
「かっこよかった! これならオレらもできる!」
で、バンドを組む。担当はヴォーカルだ。
中学1年のときには、地元のライブハウスに出るようになり、
バンド活動でけっこう有名になっていった。
しだいにひとりでやりたくなっていった彼は、
ある日、道のゴミ捨て場でギターを拾う。雨の日だった。
バンドでギターやってたやつに教わりながら、
いつしか、ひとり路上でギターを弾き、歌うようになった。
多いときには、100人くらいギャラリーを集めたという。

数年後、この写真に
1億円の値がつく?
ギターのうしろに
長年連れ添った
ミッフィーちゃん時計。 |
17歳。
NHKの大河ドラマ「琉球の風」。
地元沖縄から数人を役者として抜擢することになり、
そのオーディションが沖縄で開催された。
「友だちに、又吉出ろよ、って言われたけど、
そういうの、なんかカッコ悪いじゃないっすか(笑)」
出る気のなかった彼が考えを変えたのは、
最終審査が沖縄でテレビ放映されると知ったからだ。
テレビでギター弾いて歌いたい。そのころの夢。
「これは、チャーンスだぞと(笑)」
書類の一次審査を通り、二次審査の直前、彼は奇襲作戦にでた。
「審査会場の便所で、待ち伏せしたんです。
オッチャンたちが小便しにくるじゃないっすか。
俺、オッチャンが小便してる後ろで、
ギター弾いて歌ったんです。
便所に来る人全員に歌えば、その中に審査委員が
まじってるでしょ、きっと。で、印象づけると(笑)」
案の定、二次審査の会場には、便所で会った
何人も審査委員席にすわっていたんだな。
2分間のスピーチでは、
NHKをバカにしたようなこと言ったりと、
ヤンチャな又吉さんが、なぜか合格。
最終審査では、彼が歌う姿が電波になって沖縄の空を飛んだ。
最終審査に合格したのは500人中、女子2名、男子1名。
はからずもその男子1名になってしまった彼は、
高校を休学して、ドラマ撮影のために上京する。
東京でホテル暮らしをしながら、共演の役者さんたちに鍛えられ
約半年の撮影を乗り越えたは、沖縄に帰った。
高校の卒業単位をとった彼は、卒業1カ月前に退学届けを出す。
「俺、即身仏になろうとして、洞窟にこもったんです」
ようは、祈りながらそのままミイラになっちゃう仏さんだな。
しかし、こころざし半ばで、友人に救出され計画は挫折。
次に彼がなろうとしたのは旅人だった。
「スナフキンっているじゃないですか。これだなと。
で、ギター持って沖縄からフェリーで鹿児島に渡ったとき
所持金300円、ガハハハハ」
歌って稼げる路上生活をしながら、九州、中国地方、四国、
関西を旅した彼は、約2年後、東京にたどりつく。
スナフキン時代のことは、まだ自分のなかで
整理がついていないらしく、
あまり多くを語ってはくれなかったが、
こうして4年前、東高円寺に部屋をみつけて、
スター活動を開始したのだそうです。

行きつけのバー。
オムライスがうまかった。
お腹を冷やさないように、
腹巻き(ラメ入り)を愛用。 |
スター活動は、ライブだけにとどまらず、
漫画を描く、
写真に詩を組み合わせた作品をつくる、
そして、エッセイなど文章も大好きだという。
けっこう、読書家なんです。
時間あるからネ。
しかし、なんといっても、
吉祥寺のライブハウス「曼陀羅」でのライブは、
東京でのスター活動のメインと言っていいでしょう。
ライブハウスでずっとやってれば、誘いもあるだろう?
「なんかね、4年もやってりゃいろいろ来るんですけど、
みんなだいたい帰りますね。『ファンです』とか言って。
みんなファンにはなってくれるんですよ。
『又吉さん、面白いっすねー。
ウチの事務所でと思ったんですけど、又吉さん、
こうやってやってるほうがいいかもわかんないですよ』
とか言って(笑)」
でも、こないだNHKのドラマ「おじさん改造講座」の
エンディングテーマで「ラブミーテンダー」
歌ってましたよね。大活躍じゃないっすか。
「あ、あの歌やらせてもらったのは、
『琉球の風』のときと同じ監督です。
この監督には世話になってます。
なんか責任感じてるみたいですよ。
17、18で人生狂わしたんじゃないかって(笑)。
もう、なんか、狂ってるじゃないですか、わはははは。
俺見て『自分のせいだ』と責任感じてるみたいです」
1998年9月12日、NHK教育の「未来潮流」で
「ほぼ日」を知った又吉さんは、
兄からもらったマックで、このページを読み始めた。
その後の投稿の嵐は、みなさんご存じのとおりです。
「インターネットをやってて、おとといくらいに、
すごいギャグを考えついたんですよ、
『このサイト、サイトー!』って、
そんだけなんすけどね、ガハハハハ。
これ、使っていいですよ」

ああ今夜も、スターは
地球を守っているのだ。 |
自宅を出ると、
スターは夜の街を行きつけのバーに向かった。
お腹は弱いが、
愛用の腹巻き(ラメ入り)があれば大丈夫。
特注のスタージャンパーが沖縄生まれの
身体をまもってくれるから、
スターは都会の冷たい夜風に吹かれても、
へこたれないのだ。
タバコの火をクツの裏で消して吸い殻をポケットに入れた。
誰かと通りを歩くときは、必ず車道側を歩いていた。
スターが地球を守っていることを知る人は少ないという・・・。
いかがでしたか。すこしは、スターさんの
実像がわかっていただけたでしょうか。
しかし、みなさんわかってるとは思いますが、
ここに紹介したのは、彼が語ってくれた
長〜〜〜く、熱〜〜〜い話のほんの一部ですからね。
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キミも、スター☆又吉究に生(ナマ)で会えるズラ!
『スター☆又吉究(24)ライブ』のお知らせ
日時 11月23日(月)19:00〜
場所 JR中央線「吉祥寺駅」南口出てスグ
ライブハウス「曼陀羅」(古いほう)
電話 曼陀羅 0422-47-6782
料金 前売り1500円、当日1700円
※当日でも大丈夫だそうです、たぶん。
「このサイト、さいとー。(最高!!)
イェーイ、スタ−又吉究(24)です。
スターに会いに来てごらん。本当にかがやいてるから。
スタ−の歌を聞いてごらん。本当にしびれるから。
『ほぼ日』読者のみなさんをお待ちしています」
じゃ、みなさん、
23日に吉祥寺マンダラでお会いする日まで、
ごきげんよう!
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