「ほぼ日公式ラーメン」を
作ったぞー。

今度のコラボレーションは日清食品と、だよ。

第八回  「デザインが見えてきたぞ!」


ほぼにちわ。高田馬場サガコです。

年の瀬も押し迫って、
「ほぼ日公式ラーメン」はどうなっちゃうの?
と、期待と心配をミックスしつつお待ちの皆様。
コンセプトが決まり、味が決まり、
今回は遂に、パッケージ・デザインの発表ですっ。


またも、宿題出来ずじまい!

darlingからラーメンの企画案考えてきてね、と
宿題を出されてた私。
味が決まって、コンセプトも決まって、
更に頑張ってる人を応援するための要素をプラスするって、
どんなことを足せばいいんだろう?
スタッフのみんなにも相談しながら、
いろいろと考えていました。

「例えば、習字の筆文字ででっかく
 『よしっ!』とかって底に書き付けてある、
 陶器製のどんぶりとセット販売とか?」
「いや、なんかわざとらしすぎて、どうかな…」

「おさるの必勝はちまき付・合格ラーメン!ってどう?」
「古い…」

「ふたをめくると、裏に『ツボ押し一覧』載ってて、
 肩こり解消のお手伝い!みたいなのはどうよ?」
「なんか年寄りくさいなぁ、お前の考えるものって」

あーでもない、こーでもないと言いながら、
「これだ!」というような閃きも見えないままに、数日。
ある日の午後、
「こんにちは〜」とアッキィさんが
ネズアナにやってきて、
「糸井さんが言ってた、ラーメンの企画案。
 おもしろかったからデザイン、すぐ浮かんだよ。
 6つあるんだ」
とおっしゃるではありませんか!

早いっ、早すぎますっ!!
「思いついた」とdarlingは確かに言ってたけれど、
まさか6つも考えついてたなんて!
しかも、アッキィ画伯はそのデザインを
darlingから聞いて、3日で仕上げて来ちゃった!

プロフェッショナルって……。

darlingが声をかけ、
スタッフみんなが集合。
アッキィさんのデザイン案をテーブルに広げます。

こ、これはっ……!
劇画調の声が出ました。
ウソです、出なかったけれど、そう思いました。

「きゃーっ、すごいかわいい〜っ!」
「こんなラーメンあったら、買っちゃうよ〜っ」
「これ、かっこいい〜っ」
もう、大騒ぎ!
だって、パッと見ただけで欲しくなっちゃうような
デザイン画が、6つも並んでるんですもんっ。
「アッキィ、いいっ!」
と、darlingも大満足。

私ももう、自分の宿題ができてないことなんて
どこかへ吹っ飛んじゃうくらい、
一緒になって大騒ぎです。

怒濤のラーメン案、6連発

簡単なプレゼンシートに、
デザイン画も添えて、その時のままご紹介します。

【企画 その1】
●雑誌『ブルータス』の表紙になりたい?!
「ほぼ日・日清食品共同開発
 ポップ・ヌードル」

デザイナーズ・ヌードルと呼んでもいいし、
アート・ヌードルと言われてもいいでしょう。
食品であるという枠組みを、大きく逸脱して、
ポップアートの作家の作品をデザインします。
できることなら、
アンディ・ワーホールやリヒテンシュタインの
シリーズが話題を呼ぶでしょうが、
日本の人気作家たちに、
思い切ったカッコよさを創造してもらうことも
ナイスでしょう。
すぐれたデザインの椅子や時計が雑誌の表紙を飾るなら、
こういう食品が、
アートとして雑誌『ブルータス』などの表紙になっても、
少しもおかしくはないでしょう。


【企画 その2】
●ワインのラベルのように、きれいな切手のように。
「ほぼ日・日清食品共同開発
 アート・ヌードル」

「ピカソ・ヌードル」というのが理想形でしょうか。
ワインのラベルに「美術」があると、
年号や産地に関わりなく
美しいからという理由でコレクターズアイテムになります。
それと同じ考え方で、
きれいだから欲しいという動機がでます。
数種類をパッケージして、
まとめてお届けする豊かさを想像してみてください。
マチスやら、クレーやら、思い切って尾形光琳やらも。


【企画 その3】
●天体が、カップのなかに眠る。
「ほぼ日・日清食品共同開発
 スター・ヌードル」

スペース・ヌードルとか、コスモ・ヌードルとか、
宇宙ヌードルとか言われてもいいなぁと思います。
パッケージは宇宙空間の画です。
フタを開けると、
太陽、地球、月の、三つの球が入っています。
半透明のカップにして、
中のようすがシースルーで見えるのも、
おもしろいかもしれません。



【企画 その4】
●食べるたびにマンガが増える。
「ほぼ日・日清食品共同開発
 コミック・ヌードル」

マンガ雑誌が、そのままお湯を注いだときの
「重し」になります。
マンガは、リバイバルでも、新人の作品でも可。
待ってる間に読んでもいいですが、
のびないように気をつけて。



【企画 その5】
●ほぼ日刊イトイ新聞公式カップヌードル。
「ほぼ日・日清食品共同開発
 モバイル・ヌードル」

仕事がおもしろくてやめられない。
ますます、仕事する人は時間コストを
気にするようになります。
そういう時のために、
ちょっとおしゃれな公式カップヌードルを
「ほぼ日」がつくりました。
カップヌードルを食べることが、
「ちょっと自慢」な感じだったらうれしい。
添付のフォークも、もちろん公式オリジナルで。


    

【企画 その6】
●信じるようと、信じまいとも。
「ほぼ日・日清食品共同開発
 気の入った【気ラーメン】」

中国嵩山少林寺気功の
第三十四代継承者最高師範・秦西平先生が、
「ほぼ日」のおサルのかたちをしたナルトに、
外気功で気を入れます。
食べて、気が体内に満ちるという人もいるでしょうし、
そんなものは気のせいだと言う人もいることでしょう。
でも、一度は食べて試してみたい。
普通のインスタントラーメンを食べるのならば、
この「気ラーメン」を食べたほうがいい、という人が増えて
積極的に選ばれるラーメンになれれば素敵だと思います。




どうですかー、みなさーんっ!
スタッフみんなが
つい大騒ぎしちゃったのも、気持ちはわかるでしょう。

特に私が惹かれてしまったのは、
【モバイルヌードル】!
スタバの形のカップに、おさるついてて、
これがラーメンか?と思わせるフォルム。
これなら持ってみたいし、
人に見せながら食べてもいい。
いや、むしろ見せたいぐらいだ。
せわしなく食べるところ見せつけて
「おっ、頑張ってるね」なーんて言われてみたいっ。

そして、同じくらい欲しい!と思ったのが、
【気ラーメン】です。
秦先生の気功って、本当に効くんです。
どういう理由なのかは、よくわからないんだけど、
外気功を受けた後は、どうもテンションが高くなって、
体の調子が良くなっちゃう。
これがカップラーメンに入って、
たくさんの人達に気軽に届けられるとしたら、
それはとってもすごいことなんじゃないかな?
カップラーメン食べて
「うーん、元気になった気がするなぁっ」って
背伸びなんかしてるサラリーマンとかOLさんとかが
あちこちの企業に溢れかえったら、
それこそまさしく「応援する食べ物」じゃないか!
「信じないよ、俺は」なんてツッコミが入っても、
それはそれで、話の種としておもしろいと思う。
「見えないものが付加価値として商品化されるっていう、
 実験的な試みなんだよねー」と、
darlingは、まじめな表情で言っていました。

【スターヌードル】も部屋に飾ってみたいし、
【コミックヌードル】も、新しい漫画家さんを
発掘したりできたらおもしろそうだし、
【アートヌードル】【ポップヌードル】なんて
絶対集めてコレクションしてみたい!
きれいなもの、かっこいいものって、
ただそれだけで、気持ちが潤っちゃうんだもん。

ああ、どれも欲しい〜〜〜〜っ!
というのが、サガコの正直な気持ちでした。

だけど、この中で実際に作れるラーメンは?
となると、
それは日清食品さんに企画を投げかけてみないと
分からないわけです。
作れる、作れない、いろんな事情が出てくるでしょう。

「うちで工場建てて、
 時間とお金と人と技術が無限にあるんだったら、
 全部作れちゃうんだろうけどねー。
 欲しいんだけど、こればっかりはねぇー」
と、ほぼ日グッズ隊長の西田部部長が笑う。
それは、さすがに無理だなぁ。

というわけで…。

思い返せば、事のはじまりは一通のメールから。
一番最初に、
日清食品さんが「ほぼ日ラーメンを開発しませんか?」
と投げてくれたボール。
そのボールをほぼ日くんがキャッチして、
「どんなボールが投げ返せるか、考えてから投げます」
とポケットにしまいこんで、
それからずっと一時停止になっていた
企画のキャッチボール。
いよいよこちら側から投げ返す、
6つのアイデアのボールが用意できました。

果たして、日清食品さんは、
このボールをキャッチしてくれるのでしょうか?
ドキドキドキ…。

次回はいよいよ、プレゼン会議です!

2001-12-27-THU

BACk
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