ポカスカジャンの脱線マガジン。

ツアー日記

8月21日(土) 大阪

今回のツアーで俺がいちばん意識している場所が、
今日ライヴを演る大阪。
本場お笑いの地と言われている大阪。
「意識するな」と言われても、たぶん関西以外の芸人なら
だれもが自然と意識するであろう大阪。
今日は俺にとっての天王山だ。
笑えなきゃ笑わない、
どうせ観るならモトをとろうとする関西人。
今日のライヴは勝つか負けるかの戦争だ。
PSJでしゃべりを担当している俺にも
相当のプレッシャーがかかる。

今日の会場は扇町ミュージアムスクエア内にある
「スタッフ」というお店。
ちょっと“おされ”(おしゃれ)な、雰囲気の店。
普段は食事をするところで、週に1、2回ライヴも
やっているそうだ。なんと、グレイなんかも昔は
演ったことがある店だそうだ。

今回の大阪公演は、水野さんという
今やワハハ本舗のことだったら、役者よりも喰さんよりも
詳しいんじゃないか、というワハハ通の方が
中心になって実現したものなのだが、
この水野さんと、そのほか数名のスタッフが
本当に一丸となってくれている姿に、
PSJは感動しました。本当にありがとうございます。

さて、リハーサルが終わって会場内で本番を待つPSJ。
緊張しながらも受付近辺をちょっとのぞいてみると、
なんとお客さんがズラーっと並んでいるではありませんか。
それを見ただけで、涙腺の弱い俺(ムツゴロウと聞いた
だけでグッときてしまう)はもう、うるうる。
後で話を聞いたら、先に記したスタッフのみんなも
同じようにうるうるしてたそうだ。
「この感動を、そしてスタッフの苦労のためにも、
 今日のライヴを大成功させたい!」
きっと俺以外の2人もこんなふうに感じてたはずだ。

開場してお客さんがどっと中へ入る。
緊張する3人。
ここで驚いたのが、大阪のお客さんは席についてから
とにかくしゃべる、しゃべる。
場内の騒がしさあまりにもすごくて、
控え室にいた俺たちは大声で話さなければならないほどだ。
でも、それがかえっていい刺激になったような気がする。

そして開演。
開演の音楽が鳴って、場内になだれこむ3人。
いつもの「はいどうも〜〜!」の一言で
PSJのテーマソングが始まる。
テーマソングが終わって、つかみのしゃべり。
笑い。笑い。
「これはいける! しかも、しゃべりに対して
 かなり食いつきのいいお客さんだ」。
そう思った瞬間、俺のなかで何かのスイッチが入った。
東京のライヴでは、しゃべり過ぎないようにしている俺も、
今回のライヴは思いっきりしゃべることができて
本当に楽しかった〜〜〜。
もちろん、ネタというか曲というかナンバーのほうも、
ひとつひとつ大いに盛り上がり、久しぶりに玉井の
こわれたキャラ(こわれキャラ)も爆発したので、
PSJのよさをかなり伝えられたのではないかと思う。

ライヴ本編が終了。
鳴りやまぬアンコールの手拍子。それにこたえて
『ビートルズのDon't let me down 浅香光代バージョン』
を演奏。
さらにアンコールの手拍子。3人、また登場。
「じゃあノリのいいソウルナンバーか、
 グッとくるフォークか、どっちがいいですか?」
と俺が聞くと、客席から
「だったら両方やればいいがな」の声。
盛り上がる会場。
うれしさ半分、どうしよう半分のPSJ。
でももちろん、その2曲とも
(ソウルナンバーの『花よりも団子よりも』
 『八兵衛のいちばん長い日』)演奏。
2曲とも偶然に玉井メインの曲。
死んだ魚の目になって歌う玉井。
ありったけの力で、この日4回目のPSJのテーマ。
そしてライヴ終了。
そのままCD売り場コーナーへ。
まるで全日本女子プロレスの選手のようだ。
CDを売り終わった時点での、疲れと、充実感。
これこそがライヴだ。
あらためて感動。
そして今、この日記を書いていても、
もうろうと、ウトウト……おやすみなさい。
そして、水野さん、家に泊めてくれたヤスナガさんはじめ
スタッフの皆さん、ありがとう。
スー、スー。ズー、ズー。

P.S. ヤスナガさんのみそ汁としゃけは
   最高においしかったよ。

(PSJ/大久保乃武夫)

1999-08-26-THU

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