「世界一のクリスマスツリー」の植樹式。

goro.inazaki

命をかけて、てっぺんまでのぼる。

2017/11/16 11:30
前の投稿で
さらっと書いたのですが、
オーナメントを飾り付けるとき、
清順さんご本人が、
約31メートルもある
ツリーのてっぺんにまでのぼって、
取り付け作業を行います。

その理由について
ご本人にお話をうかがってみたところ、
こんな答えが返ってきました。

「このプロジェクトのコピーは、
『輝け、いのちの木』です。

先ほどもすこしいいましたが、
この巨木自体が、
山火事などの災害に耐えることで、
これだけ大きくなった、
という歴史があります。

ぼくたち人間は、日々、
植物を含めた、
たくさんの生きものの命をいただいて
くらしています。
そういうことも含め、
この木を運ぶことで、
たくさんのメッセージを
伝えられるような気がしています。

だから、この木に対する
ぼくの最低限の礼儀として、
今回のプロジェクトがはじまる前に、
一度、命綱なしで
てっぺんまでのぼることにしたんです」

な、なんと!?
すでにのぼっていたんですか?

「はい。
てっぺんまでのぼりながら、
『落ちたら死ぬ』という感覚を
全身の細胞で知りました。
上のほうまでのぼると、
それこそ風がちょっと吹くだけで、
木が大きく揺れるんですね。
風向きひとつが、
自分の命を左右する、
そんな状況なんです。

そういうことを経験してみると、
『自分も命があるから、
こういうことができる』
ということが、
あらためてわかりました。

今回のプロジェクトは、
ちょっと「祭」に近いと
思っているんです。
もともと祭というのものは、
命がけで行われていました。
だから、この木に対する
敬いの気持ちやら、
みんなの思いやら、
そういうことのためなら、
あと、4、5回くらいは、
命をかけてのぼってもいいと、
本気でそう思っているんです」


※Photo Credit : そら植物園
(11月5日 特殊トレーラーへの積込み風景)