PHILADELPHIA
お医者さんと患者さん。
「遥か彼方で働くひとよ」が変わりました。

手紙241 日本のHIV
佐々木恭子さんの講演会についての感想



こんにちは。

フジテレビのアナウンサー佐々木恭子さんが
昨年からHIV感染症について
積極的な活動をなさっていらっしゃることを
これまでご紹介してきましたが、
その一環として、佐々木さんの講演会が
先週の土曜日に島根県で開かれました。

島根県、山陰中央テレビ、
FNSチャリティキャンペーンの三者が主催した、
松江市での佐々木さんの講演会について
主催者の一員としての立場からの感想を、
島根県庁で
公衆衛生に関するお仕事をなさっている医師の
柳樂真佐実さんからいただきました。
佐々木さんの講演会の様子が
とてもよくわかるメールでしたので、
お許しをいただき、ここでご紹介しようと思います。

佐々木さんの講演会は、
250名あまり(目測)の方に集まっていただき、
無事に終えることができました。

佐々木さんの報告VTRは
何度見ても感情を揺さぶられるところがあり、
その取材を通して感じられたことを
本当にありのままの言葉で
語ってくださったことが印象的でした。

メディアにおられる方が
「人間ってつくづく不平等だ」とおっしゃるのは
勇気のいることだと思うのですが、
それを認めざるをえない現実があることを感じました。

聴衆の皆さんにもしっかり伝わったことは、
皆さんの表情や、開場の静けさが
(終わってからも皆さん静かに退席されていました。)
物語っていたように感じます。

佐々木さんのお話で
公衆衛生の人間としてとても感激したのは、
HIV/AIDSを取り巻く現状の本質は
日本でもパプアニューギニアでも
あまり変わりはなく、
病気が人と人の間に
壁を作ってしまうことが問題なんだ、
とおっしゃっていたことです。

無料検査や医療の公費負担、
医療機関へのアクセスは
もちろん必要なインフラでしょうが、
心の壁は法律や制度では
どうにもならないものですよね。

でも、その部分こそ
公衆衛生が地道にやってきた部分でもあるはずで、
少しでも壁が低くなるように
仕事頑張ろうと思いました。

島根県健康福祉部薬事衛生課
医療専門幹 柳樂真佐実

なんだかじーんとする、
とてもうれしいメールでしたので
すぐに佐々木さんにもお伝えしたところ、
佐々木さんももちろん、
すごく喜んでいらっしゃいました。

ぜひこれを「ほぼ日」で紹介させてください、と
二人でお願いしたところ、
次のようなお返事をいただきました。

佐々木さんの講演会、
申し込んで来られなかった人は
ホントに残念だったなあと思います。

その一方、
島根で、海外のHIV/AIDSについての講演会で、
これほどの人に集まってもらえた
(行政の人間だけではとても集めきれない
いわゆる「一般成人男女」の方々)のは、
すごいことだねえと課でも語り合っています。

イベントをやって、
「いやあ、いい講演会だったよ」と
話ができるのは珍しいことで
(大概はやることに疲れ果て、
終わったことにしか気が回らないのです)、
いい仕事ができたなあと思っています。

終わってしまってから思うのは、
もっと沢山の方に聞いてもらえるよう
努力できることはなかったか?ってことです。

ですので、
もしも僕のメールが
微力でもお手伝いできるなら、
大変嬉しく思います。

行政関係者が興味を持ってくれると良いな、
とも思いますし。

名前と所属は責任を持ってお勧めするには、
あった方が良いでしょうね。
どうぞ全部掲載してください。

島根県健康福祉部薬事衛生課
医療専門幹 柳樂真佐実

海外事情の紹介にとどまらず、
HIV/AIDSを取り巻く現状の本質は
日本でもパプアニューギニアでも
あまり変わりがない、ということまで
踏み込んでお話しくださっていることを
柳樂さんのメールで改めて知り、
講演を聴くことが
ますます楽しみになってきました。

そして、HIV感染症に
ご興味をお持ちの方にも
そうでない方にも、
ぜひ、お越しになって
佐々木さんのお話に耳を傾けていただければ、
と切に思います。

佐々木さんの講演会の今後の予定は、
ここにあるとおりで、
11月に秋田と東京、
12月に新潟、
年明けには、福岡、鹿児島、長野で
開かれる予定です。

東京の申し込みはここのページをご参照になり
11月9日までに往復はがきでお申し込みください。
11月24日、25日の二日間、
午前11時から2時間にわたって開催されます。

わたしもとても楽しみにしています。

では、今日はこの辺で。
みなさま、どうぞお元気で。

本田美和子

2007-10-26-FRI

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