SHIRU
まっ白いカミ。

 146枚目:『アニミズム・ワールド』

 

 「いいよ、もう。大丈夫だってば、たぶん。」
 「たぶんじゃ駄目なんだ。」
 「じゃあ、サランラップでも巻いたらどうなのよ。」

 ぼわん。

 「誰だ、お前っ。」
 「コンドームの精です。」
 「おお。これはいいところに!」
 「いつも私を使ってくれてありがとう。」
 「だって子供ができちゃ困るじゃんか。」
 「そんな律儀なあなたにお礼がしたくって。」
 「それで、なんだ、タダでくれるんだろ?」
 「ええ。それはもちろん。
  豪華ワニ皮コンドームとヘビ皮コンドーム
  どちらがお望みですか?」
 「いや…。もっと普通の、ほら、薄いのはないのか?」
 「ええと、他にはですね。金のコンドーム、銀のコンドーム。」
 「はいんねえよ、ばか。」
 「では、何があろうと一生添い遂げることになる魔法の…」
 「もうおまえ帰ってくれ。精霊界とかに。」

 

2000-07-03-MON

BACK
戻る