SHIRU
まっ白いカミ。

57枚目: 「パンの実」

 

今、噂のパンの実が明治屋に入荷したと聞いて
さっそく1つ買ってきました。2,300円。
現物は雑誌でみたのと一緒ですが
ちょっと思っていたより小さめ。
握り拳一個分ぐらいのココヤシの様な実です。
自転車のカゴに放り込んでわくわくと帰宅。

シールで貼られてついてきた
小さな調理レシピに従って
オーブンを250度まで余熱。
パンの実は片側を包丁の背で叩いて
筋をつけてはそこにバターと卵を
刷毛で塗ってから焼き上げるそう。
脚立を持ってきてキッチンに座りつつ
じっとオーブンの中を観察。

熱せられた実は10分もすると
パチパチと音を立てて2つに割れて
繊維質の果肉が綿花のようにもこもこ出てきます。
パンの実…というネーミングは秀逸。
そのうちパンの焼けるようないい匂いがしてきて
綿花部分がうっすらきつね色になった所で取り出し。
節操なく火傷しそうになりながらも味見といきます。

実自体は果肉ですからもともとの自然な甘味があって
さくさくとしたビスケットのよう。見た目だけでなく
香りもココナツのような感じで、繊維が細かいので
すぐに口の中で崩れて溶けていきます。美味ー!

そして実を割ると中の殻にひっついた部分はもちもち。
そのままだと手にくっつくのでスプーンを持ってきて
こそげ落とすようにほじくって食べます。
比喩になってなくて情けないけれど
これがまたつるつるもちもち。中華菓子にある
甘いココナツ餅を蒸したものにそっくりなんです。

1個まるごと食べるとお腹一杯になってきて
2,300円は高いけれどそれなりに楽しめました。
無人島旅行記などを読んで
パンの実に憧れを持っている人なら!
これはぜひ一度試してみてください。

念の為に書いておくとこれはCGです。
ジャマイカ料理の食材として食べられる
現実の「パンの実」は"芋っぽい"ものだそうです。

 

 

シル (shylph@ma4.justnet.ne.jp)

from 『深夜特急ヒンデンブルク号』

1999-07-24-SAT

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