田島貴男の
2004年 オレの
5大ニュース(予定)。

ニュース その2
海の生きものにフォーリン・ラヴ。
第8回
ライチ、行け!

いよいよ本日のメインイベント、
イルカの調教です。
田島番長、ブーツを脱ぎ捨て、
純白の長靴に履き替えます。


── イルカ担当の、森昌弘さんです。
先生、よろしくお願いします。

どんな技をやってみましょうか。
簡単なものからはじめて、
うまくいけばサマーソルト、
つまり、後方宙返りなんかも
やってみますかね。
田島 は、はい。
── イルカのライチくんとハッピーちゃんが
ゆっくりこちらに近づいてきました。

番長、気合い気合い。
番長、なめられんなよ。
番長、ビッとしていけよ。

一同は、なぜか体育会のノリで
白ゴム長の男を見守ります。
どうぞ、ライチにさわってみてください。
田島 よーし、よーし、ライチ。
すごくあったかいですね。

ええ、イルカの体温は
35度くらいあるんですよ。
では、さっそくイルカのサインを
覚えてみましょうか。
田島 はい、はい。
右手を耳にあてるようにしてから、
いちにのさん!で、斜め前にしっかり手を出すと
イルカが上にあがってくるので、
やさしく握手をしてください。


こんなポーズで。番長、緊張の面持ちです。
田島 はい、はい、はい。
じゃあ、いちにのさん!
田島 さん!
──

あ! 「握手」が決まりました、
決まりました。


番長、ものすごくうれしそうです。

次は、番長の指揮に合わせて2匹が
ピー、ピキュー、ピー、キュー、と
鳴きます。
ひゃあ、かわいいですね!
ここはマリンワールドですよ、
クリスマスのNHKホールではありませんよ、
というくらい、ダイナミックな指揮です。
自信がある分野では、番長はつねに
やりすぎる傾向にあるようです。


じゃあ、今度はいよいよ
高度な技に挑戦しましょう。
右手を握って腰を落とし、
イルカをしっかり見るようにして、
手をつき出すと
サマーソルト(後方宙返り)が決まります。
田島 よし!
ライチ、行くぞ。
── 行け!

ライチくん、上にジャンプ!
したかと思ったら、
番長と握手。


ちがう、ちがうよ、ライチ!
すみません、
もういちど後ろを向いていただけますか?
──
ライチに見えないように後ろを向いて、
先生と練習する番長。
よし、今度こそ!

いちにの、さん!
ああ、ライチくん、
また番長とうれしそうに握手。
あまりに握手がかわいいので、
番長、思わず笑ってしまいます。
しかし、これではいかん!
いかんぞ、ゴム長番長!
では、ぼくがいちどやってみますので
見ていてくださいね。
こんなかんじで!



森さんが右手を突き出すと、
みごとに後方宙返りが決まりました。
田島 (ガクガクガクガク)
いや、やっぱ先生はすごい!!

── さあ、番長、舞台は整いました。
まわりを海で囲まれたマリンワールド海の中道、
白い舞台に白い長靴。
巨匠田島貴男プリゼンツ、
ライチくんとハッピーちゃんのサマーソルトを
動画でおたのしみください。
(↑こちらをクリックしていただくと、動画をごらんいただけます。)
パチパチパチパチ。
バッチリですね。
ライチ、田島さんによく慣れてますよ。
── パチパチパチ。
遠く離れたプールサイドからも拍手が。
マリンワールドのトレーナーさんたちは
みなさんいい方ばかりです。
泣けてきました、いま泣けてきました。
じゃあ、最後に
「バイバイ」をしてみましょうか。
左手を腰にあて、ポーズを保ったまま、
ゆっくりと、からだをねじります。
田島 こんなかんじね。
よしわかった。ゴー!


ハッピーちゃん


ライチくん
(遠くのほうでまったく関係のない宙返り)
── やっぱりむずかしいものなんですね。
でも、2回目は成功。
番長も、バイバイをしかえします。

田島 おーい、あいあい、よしよしよし。
ありがとね、どーもね、
ありがとね。
わーい、
ワイワイダオー。
── 番長、もう人間の言葉になっていません。
田島 イルカって、すごいいいかんじの
目をしてるんだよ。
── 森さん、イルカの調教には
どのぐらいの期間がかかるんですか?
個体差が激しいんですが
早い子で1年、遅いのは2年か3年かかります。
田島 なんだか、雰囲気が
体操の選手みたいですよね。
そうですね、サマーソルトなど、
技の名前も体操そのものです。
田島 ショーでイルカが
口先で輪を回す芸がありましたが
あれは、すごいですね。
最初は、輪を見せるだけでも
気味悪がってしまうんです。
そこから、ちょっと口先があたる程度でも
ものすごくほめてエサを与え、
「これは怖くない」ということを教えます。
慣れてきたら口のところで
人間が輪を回すんです。
それで逃げなかったらまたほめる。
そうしているうちに、
向こうが、輪を落とさないように
「ひらめく」んです。
田島 イルカのほうも、
わかろうとしているかんじがしますね。
「なんだよ、どうすりゃいんだよ」って
考えてるもんね。


そうです、人間が
考えさせるかんじに
もっていくんです。

あ、そこにいるとあぶないですよ、
イルカに水をかけられるかもしれませんよ。
人間がいやがるのがおもしろくて、
からかったりするんです。
田島 イルカって、魚の姿をしているけど、やっぱり
ものすごく動物だね。
オレらとおんなじ。

(次回につづく!)

 


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2004-12-14-TUE

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