田島貴男の
2004年 オレの
5大ニュース(予定)。

ニュース その4
一夜限りのラヴスカジャンon stage。

その4の最終回
じゃ、またね。

年の瀬、東京、明るいビル。
忘年会おひらきムードのなか、
「ほぼ日」の事務机にて
いまだ興奮冷めやらず
マシンガントークを炸裂させている
4つめのニュースをつくり終えた男がひとり。



番長、終わりましたね。
オレの5大ニュース、vol.4が。

「ああ、終わったね。
 しゃべり、長かったな。
 っていうか、あのライヴは
 しゃべりがメインなんだな‥‥。

 最初は
 泳げないのに
 海に放り出されたかんじだったよ。

 緊張するわけない、ただやればいい、と、
 甘く見てたんだよ。
 そしたら、出番直前にすっげえ緊張してきちゃってさ。
 歌ってるときがいちばん落ち着いたよ。
 歌が「休み」みたいになってた 」
 


 

音楽という土壌が同じとはいえ、
ポカスカジャンに入って演奏する、というのは
また方向のちがうことだったと思います。

「うん。お笑いって、
 オレたちがやってるライヴから見ると、
 ほんとにオモテとウラ、白と黒、陰と陽。
 まったくちがうところが重要なんだよね、
 ということが、今日、わかったよ!!
 
 音楽のライヴは、
 発声の瞬間や、その場の持つ瞬間を軸に
 お客さんを惹きつけるのが
 メインの仕事のひとつなんだけど
 お笑いのポイントは、流れであり、
 『次のこと』であり、しゃべりであり、論理である。
 惹きつける場所がぜんぜんちがう。

 オレたちのライヴは、
 空気を読みながらではあるけれども、
 この一瞬にいかに賭けるかで、
 『次』というのがないんだよ。
 そのちがいに気づいたのが、4曲目くらいだね!」

もう終わりのころじゃないですか!



「ッハハハハ。
 終わりのほうで『なるほど』となって!
 それにさ、のんちんとかが
 あんなにしゃべるとは思わなかったんだもの。
 最初のトークで面食らっちゃったよ。

 でも、ミュージシャンはみんな
 これを一度はやったほうがいいと思う。
 ほんとは、曲間ってすごく大事なんだよ。
 今日のラヴスカジャンは、
 曲間が、曲みたいだったよね。

 ほんとに、
 勉強になったよ。

  でも、
 のんちん、
 しゃべりがメインだって
 先に言ってくれよ」

しゃべりの打ち合わせは、
まったくしませんでしたからね。

「あとね、お笑いのステージって、
 ステージを
 踏めば踏むほど
 賢くなるかんじがする。
 音楽は、やればやるほど
 バカになっていく。
 ほら、バカになっちゃったじゃん? オレ。

 お笑いは、やればやるほど賢く
 クールになっていくような気がするなあ」

ほかのメンバーにも
今日の印象を訊いてみましょう 。

たまちゃ



たまちゃん
「田島さん、すんごい口パクで
 『曲行かないの、曲行かないの?』って
 言ってんだもん。
 それが、おかしかった。
 でも、オレは
 田島さんの、指がつるようなコードのある曲を
 演奏をしなきゃいけなかったから、
 そっちのほうに気がいっちゃって、
 ライヴに集中できなかった。
 ほんとに、すごく練習したよ。
 地方に行って、
 みんながビンゴゲームとかやってるときにも
 ずうっと練習してた」

田島
「オレはダジャレを
 いつも寝る前に考えてたよ」
 
たまちゃん
「ライヴ中は、ノッてるみたいにしてたけど、
 頭ん中はパニックでしたからね。
 ギター2人っきゃいないから、
 ミスらんねえじゃん!
 ‥‥でも、田島さん、ギターまちがったでしょ?」

田島
「‥‥うん」


たまちゃん
「そのとき
 見合ったよね。
 確認の目を向けましたよね、
 オレに!!」

田島
「(しみじみ)いい経験になったなあ」

たまちゃん
「お互いいろんな地雷がありながら」



田島
「オレ、今日のステージは
 絵描きうたのあとくらいまで
 わけがわかんなかったよ 」

たまちゃん
「きっと田島さんは、
 絵描き歌で一回笑いをとれたから、
 そこで落ち着いたんだと思います」
 
田島
「そうそう、それまでは、
 ぜんぜんダメだった。
 挙動っちまったよ!!」

たまちゃん
「それから、アドリブでブルースをやりましたけど、
 あそこでバッと歌うなんて、
 ふつうはできないですからね。
 やっぱりすごいよ、田島さんはさ」



しょうご



しょうご
「(ふむふむ、とうなずきながら)
 僕はもう、満足し切ったかんじですね。
 なんか、グルーヴ、感じたでしょ?」
 
はい。

しょうご
「感じたでしょ?」

は、はい。

しょうご
「グルーヴ、ね?
 ほんとの意味でのうどんビートが
 こねあげられたかんじがするのね。
 しかし、緊張はした。いつもとちがう緊張でした。
 いちばん緊張してたのは、まあ、
 貴男にいさんなんですけど、
 それがはじけた瞬間が、
 ステージに立ってる側の人間にはわかりました。
 そういうときは、いっしょになれたかんじがして
 すごく気持ちいいんです。
 
 そして、田島さんの
 歌の存在感、声の存在感には、
 やっぱりかないません。
 さすがです!
 胸をお借りしたかんじです。
 あと、今日うれしかったのは、
 この忘年会でお友達ができたことです」
 
 

おやおや、いつのまに、TKさんとお友達に?
ほのぼの2ショットをありがとうございます。



のんちん



のんちん
「オレたちからしたら
 すごいミュージシャンなのに
 おどおどしちゃって、楽屋で。
 でも田島くんは、終わった後に
 『もうこれでお笑いの間がわかった』って
 言ってたからね。
 『次やったらもっとすごいよ』
 とまで言ってたから」



田島
「オレたちは、力の出しどころが歌でしょ?
 だからあの曲間のトークはびっくりしたよ」

のんちん
「しゃべりでムードをつくって
 ネタにいくんだよ。
 いろんな『もっていき方』があって、
 そこが、やっててたのしいわけ。
 でも、ちょっとくらい
 フリートークの練習を
 しておけばよかったかな」
 
田島
「そうだよ(半怒り)!」

のんちん
「オレも普通のバンドマンから
 お笑いの世界に入ったときに、
 どうしていいかわかんなかったもんね。
 エネルギーを使う場所がちがうから。
 今回は、とりあえず田島くんに、
 ポカスカの世界に来てもらったので、
 次は僕らももう少し
 オリジナル・ラヴの世界に
 行かせてもらえればいいかな、と思ってます」

次、あるんでしょうか?
 
のんちん
「一夜限りと思ってるだろうけど、
  甘いな」

田島
「武道館めざすか!」

のんちん
「武道館、の、会議室をめざします」

田島
「の、駐車場、とかな」



そして、
ふだん番長といっしょに演奏している

木暮さん



木暮
「最高だったよ。
 このまま入れてもらいな、ポカスカジャンに。
 いっしょに演奏するなんてさ、
 こんなこと、ふつうできないよ。
 すげえうらやましかったよ」

田島
「おお、木暮木暮‥‥。
 頭の使い方がぜんぜんちがうんだよ。
 だって『この次はわりばしだな』とか、
 考えながらしゃべんなきゃいけないんだよ。
 オレたちがふだんやってるのとは、
 ぜんぜんちがうよ」

木暮
「そうやって、田島が考えてるのが見えたよ。
 ああ、考えてるなって、思いながら、
 心配しながら見てた。
 そんな状況がまた、おかしくて」

田島
「『助けろよ木暮!』って目線を送ってたのに、
 目ぇそらしただろう‥‥」

木暮
「うん。自分で何とかするだろうと思って」



田島
「オレら、ライヴが終わった後に、
 うちあげで毎回、こういうのをやろうよ。
 現場で必要な感性が養われるよ」

木暮
「とっさの判断力とかね。
 そういう感覚を鍛えましょうか 」


では、番長。
今日の一筆をお願いいたします。

「む。
 今日はいさぎよく」



ありがとうございます。
大晦日にふさわしい、大胆な一筆をいただきました。

この数十分のステージのために、
大人4人が、どれだけの努力を
費やしたことか、しれません。
田島番長、ポカスカジャンのみなさん、
ほんとうにありがとうございました。
このステージをきっかけに、
ラヴスカジャンが
大きく羽ばたく日を夢見て。

ところで番長、
もはや2004年が暮れようとしています。
この、ラヴスカジャンのニュースは
「その4」ですから、
惜しくも、「5大」ニュースまでは届かなかった、
ということになります。
読者のみなさんからも「5」まで到達できないのでは、
というご心配のメールがたくさん届いていましたね。

「みんなの予想どおりだね。
 最初から無理があったとはいえ、
 ひとつこぼしちゃったのは悔しいなあ。
 しかし、
 このまま終わっていいと、
 『4大』という
 半端な数字で
 終わっていいと、
 そうお思いか?」
 
思ってはおりませんが、2004年は
この記事が掲載された時点であと数時間‥‥。

「もしあとひとつ、あとひとつ
 ニュースをつくるなら、
 行ってみたいところがあるんだけどなあ。
 夢にまで見た、あの場所に」

タイトルに2004年と銘打っておりますが、
‥‥‥ この際、年を越しますか!
みなさん、これも乗りかかった船です。
2005年になっても、ひとつだけですが、
この「田島貴男の5大ニュース」が
つづくことを、どうぞお許しください。

では、番長、行きましょう、あの場所に。
しかしその前にめちゃくちゃ準備が必要です。
これは「ほぼ日」前代未聞の遠出となります。
この企画は前代未聞のことが多すぎです。

みなさん、
来年(おそらく1月下旬ごろ)の掲載を
どうぞお見逃しのないよう。

では、2004年はこれでおしまいです。
ここまでお読みくださったみなさんに、
即興の、掛け値なしにアドリブだけの
ラヴスカジャンの曲を
「おまけの動画」として、お届けします。
6分くらいのロングバージョンですので、
冬休みのゆっくりした時間に、おたのしみくださいね。
(↓写真をクリックすると、「おまけの動画」をごらんいただけます)

おまけの動画を見る


ではみなさん、どうぞよいお年をお迎えください。
2005年が、たのしい1年でありますように。




(オレの5大ニュース その4 おしまい)
special thanks to ポカスカジャン

田島さん直筆の「今日の一筆」色紙を
「5大ニュース」その4終了記念として
1名様にさしあげます。


「間 べんきょうした! らぶすか たかお」

ご希望の方は、件名を
「5大ニュース一筆プレゼント」として
postman@1101.comまで
メールにてご応募くださいね。
締め切りは1月1日20:00まで。
当選された方には、「ほぼ日」より
メールでご連絡を差し上げます。
(必ず連絡の取れるメールアドレスからご応募ください)
田島さんへのメッセージや感想などを
お書き添えいただければうれしいです。


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2004-12-31-FRI

POMPEII
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