帰ってきた!
田島貴男の
2005年 オレのニュース。


ニュース その1
キノコ狩り、恐怖の迷宮。

第6回
オレはいま、なにやってんだ?



キノコ狩りのはじまりです。
いきなりすごい薮の中です。
番長、‥‥番長?
シーン。ノーレスです。

田島 ギャハハハ、いきなり
余裕メーターゼロになっちゃったよ。
だって、前を歩いてる中山さんたちが、
もう見えないんだもん!
── ひぃえええ、またですか。
田島 もういないよ!
おーい! どっちですか。
右ですか!
中山 まっすぐー!(遠い声)
田島 どっちがまっすぐ?!
もう道がないんだけど!!
── ウワーいやです、こんなところで迷うのは!

もしもみなさんの
心のミュージックライブラリーに
The Doors の「The End」がありましたら、
頭で奏でながら、
ここからはおたのしみください。

あ、いたいた!
中山さん、キノコ採ってますよ。


田島 何か採れましたか?
中山 うん、キシメジ、ナラタケね。
田島 うまそう!
中山 あんまりうまいもんじゃないわな。
── あっ、しまわないでくださいよ。
写真が撮れなかったじゃないですか。
中山 こんなんは、撮らんでいいよ。
(早足で去る)
田島

また置いていかれるぞ!

── のろのろしていられませんね!
困惑したキノコ狩りスタートのようすを
動画でごらんになりたい方は、
こちらをクリックしてください。
(↑こちらをクリックしていただくと、動画をごらんいただけます。)



これが中山さんの背中です。
番長は、この背中に、ついていくのに必死です。
田島 あ! あった、キノコ。
西田 それは、ショウゲンジというキノコです。
── どれどれ?
どんなキノコでしょう?(ゼエゼエ)
田島 いま、ここに生えてた。

── けど、すでに採っちゃったんですね、
中山さんが。

西田 このキノコは、幼菌のときに
虚無僧のような姿をしていることや、
ショウゲンジというお寺のお坊さんが
みんなに内緒で食べていたということが
名前の由来といわれるキノコですよ。




開く前はこんなかたちをしています。
なるほど、虚無僧みたいですね。かわいい!
── 西田さん、ご説明を
ありがとうございます。
西田 ほら、ここにもあるね。
うーん、これはちょっと時期が遅いなあ。


── さきほどから、
キノコが地面に生えているところの写真を
撮りたいのですが
みなさんの歯止めのきかない
スピーディな収穫欲が
なかなかそうさせてはくれません。
ところで、キノコ名人トリオのおひとり、
荒谷さんの姿が
もうまったく見えないんですけれども。
西田 どっかで採ってるんでしょう。
中山 大丈夫ですよ。
ほら、あのへんに、なんとなく見えるでしょう。


あれが、荒谷さん?
田島 おお、こっちにもあったぞ。
これもおなじくショウゲンジってやつですね。


番長が自分でひとつめのキノコを発見!

採ったよ。
さ、行くよ。



── ああ、番長が
どんどん先に行ってしまいます。

いつもの番長であれば、ここで
「やった」とか「採りました!」とか、
大喜びで叫んでいたことでしょう。
しかし、いま、番長は
キノコを採ったあとのうれしい余韻も見せず、
血相を変えたまま歩いて行きます。
しかたがないのです。
ここで一歩でも遅れたらどんどん置いていかれる、
待ってくれない相手だということは
もうわかっている、
すぐに姿が見えなくなる、迷う、
日が暮れる、クマが出る、
そんなことになれば死ぬ。
「オレのニュース」はじまって以来の
無言歩行がつづきます。
田島 ゼエゼエエ。
── しんどい、しんどいです。
西田 あ、そこにあるのは、チャナメツメタケ。
食べられますよ。

田島 うまそうだよ。
いい香り! キノコの香りだよ。
ヌルヌルしているよ。
中山 はーいじゃー、こっち行きます!
田島 なんなんだ、このペースは。
── つ、ついていくのに精一杯ですね。
西田 ほうら、こんなのも採れたよぉぉ。

── 一方、西田さんは
マイペースを保っていますね。
この方についていくことにしましょう。
田島 もう中山さんが見えないぞ。
── 見えないですね。
田島 (無言で歩く)
ゼエゼエエ。
── 番長、別の生き物のように
息があがってしまっています。
お、中山さんが、しゃがみ込んでいますよ!
あそこには何かがあるはずです。

田島 あー! あったあった!
これは?
中山 アブラシメジ。
すき焼きに入れたらうまいよ。


アブラシメジを採ります。
田島 うまそう!!!
ほらほら見て見て。


やっと、うれしさを出す番長。
中山 でもちょっと、
遅め(採る時期が過ぎている)だな。

田島 バッサリ斬られたな。
── バッサリですね。
田島 あっっ!
なんだか巨大なのがあったよ。
これはなんですか?

中山 さっきと同じ、ショウゲンジだよ。
西田 天ぷらにするとおいしですよ。
──

採りましょう、採りましょう。

その後しばらくは無言で、
地獄の底を喘いで歩くような
苦行が続きます。

西田 このあたりは、めぼしいキノコは
あんまりないねぇ。
田島 ハァハァ、見つけられないなぁ。
── ゲホゲホ、まったくないですね。
というより、
中山さんのあとを歩いているから、
ではないでしょうか。
田島 ‥‥そうだよ!
中山さんのあとには、草も生えない。
あの人、人一倍かごもでかいし。

── あれは中山さんの持っているかごで
いちばん小さいものらしいですよ。
ちょっと道をはずしましょうか。
田島 ちょっぴり危険だけどそうしよう。
ところで、荒谷さんは?
── 荒谷さん?
荒谷さんは森と一体化しています。

田島 しょうがねぇな。
よし、わかった。
一瞬、オレはなにをやってんのか
わかんなくなってた。
我々も縦横無尽にこのあたりを探索だ!


森のすごさに、薮のすごさに、
のまれてばかりはいられません。
ようやく番長のスイッチが入りました。
明日につづきます。




なぜなに番長、質問です。
魔法を使えるとしたら?

「ギャハハハ、
 言えないことばっかりが浮かぶぜ!
 言えることで? はいはい。
 えっと、いい曲と
 いいフレーズが毎日浮かんでパンパンと!
 ということでなくて? はいはい。

 そうだなぁ。
 英語をネイティブとおなじかんじで
 聞けたり話せたりしたい。
 なになに? 実際的すぎて夢がない?
 じゃあね、
 突然NASAの野口さんみたいな立場になって
 スペースシャトルでどっか行く!
 それがいいなぁ。
 公にできる範囲ではね!」

魔法の絨毯に乗りたいとか、
財宝がザックザク、とか、
そんなことには、番長は、
まったく興味がないようでした。

なぜなに番長に質問のある方は、
件名を「なぜなに番長」として
postman@1101.comまでメールでお送りください。
すばらしい「なぜなに」をくださった1名さまに、
2005年なぜなに大賞として、
「オレのニュース。」公認 缶バッジ
シリアルナンバー011をお贈りします。

※なぜなに大賞に輝いた方には、「ほぼ日」から
 住所やお名前などを
 おうかがいするメールを差し上げます。
 こちらから連絡の取れるメールアドレスから、
 ご質問をお寄せくださいね。

明日につづきます!

なぜなに番長の受付は、しめきりました。
たくさんのご投稿、ありがとうございました。


最近の、オリジナル・ラヴ

『恋の片道切符/青い鳥』(ポニーキャニオン)

11月16日に発売されたニューシングル。田島貴男さんが日本語の歌詞をつけてカバーしたニール・セダカの『恋の片道切符』、レオン・ラッセルの『青い鳥』の、名曲2曲に加え、新曲の『ピストル・スター』が入った豪華なマキシシングルです。「かっこいいです、番長!」のひとことに尽きます。


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2005-12-07-WED

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