帰ってきた!
田島貴男の
2005年 オレのニュース。

ニュース その2
エントロピー撒き散らしのクレイアニメ。

第3回
番長、路線が‥‥。


クレイアニメの大作をつくりあげようと目論む
田島貴男ニュース番長は、
焦った気持ちで撮影をはじめます。


「やってるねぇ」と、
糸井重里もちょくちょく覗きに来ます。

番長が懸命にプランを説明する姿を
こちらでどうぞ。
(↑こちらをクリックしていただくと、動画をごらんいただけます。)

「じゃ、最初に
 オレがラジカセのスイッチを押すシーンを
 撮影しよう!」


誰? なぜヒゲ?

「んでね、ラジカセがシェイキングして、
 そこから粘土がニョキニョキと‥‥
 ‥‥こうで、こう!」


番長、職人の顔になっていますよ。

「ほらはやく!
 コマ撮りカメラのシャッターを切って」

はい!

「よし! 音波がスピーカーから出てきて、
 ちょっとずつ音波くんの形になっていくんだよ。
 青が男の子で、赤が女の子ね」

青が男の子で、赤が女の子。
男と女。男女(だんじょ)。



「男女の音波がここで音となって‥‥
  男女の出会いの、ダンスシーンだよ!」

あとになって考えてみると、
番長のこの日のスイッチは、
この瞬間に入ったようです。



「ここ、すっごい重要だから。
 よし、よしっ! カーッ!!」

完全に興奮状態です。
豹変した番長のようすを
どうぞ動画でおたのしみください。
(↑こちらをクリックしていただくと、動画をごらんいただけます。)



ようすを見に来た「ほぼ日」のクルーたちも
「‥‥‥‥」



犬もやって来ては


そそくさと帰ってしまう。


そして、撮影スタッフは
番長の気迫を前にオール正座。


最初の「音波くん」の
ほのぼのプランとは
かけ離れた方向に向かっています。

番長、だいぶ路線が‥‥

「よっしゃ、
 よっしゃ
 こうだぞーー!!」

下に敷いた紙が
粘土でドロドロに汚れているのが
とても気になります。



「なに言ってんだよ、いいんだよ!
 これが男女のふれあいのあとだよ」

そうですか‥‥。
さきほどから、鼻血が出そうです。

「鼻血なんか、出るに決まってるよ。
 どんどん出してけ」

あのぅ番長、
最初に懸命につくったあの粘土人形たちは
使わないんですか?



「そうだな。
 ここからあのゆるいキャラにもってくのは
 きついな」

そうですね。

「ううーん、
 ううーん、
 ううううううーーーーーん!」


展開を考える番長。

そこへ。

コンコン♪

どうぞー

どうもー!



?? え??
ギャー!!
スタジオ・ジブリの、鈴木敏夫プロデューサーです。

「どゆことどゆこと?!」

今日は、会議で偶然「ほぼ日」に
いらしていたそうです。

鈴木さん
「なに、これはうんこ?」

「ちがいます、男女です」

鈴木さん
「クレイアニメといえば、
 ぼくは、ニックパークと知りあいなんです。
 あの人のつくるものは
 動きが少なくて表情が豊かなんですよ」
 
急に本格的な話になっています!
ニックパークとは、
「ウォレスとグルミット」の人ですね。

糸井
「そんなレベルの話をされると」

「まったくもう、そんなことじゃないんで。
 生まれてはじめて粘土を動かしている、
 そんな状況なのでございまして、
 こまったなぁ、ねぇウハハハハハ」



鈴木さん
「生まれてはじめてなの?」

「ミュージシャンですし」

鈴木さん
「いやぁ、だったらなお、
 自分の思うとおりにやったらいいですよ」

これまで撮ったところ、
ちょっと見てみていただけますか?

「やめようよ!」

糸井
「いいじゃん!」

いいじゃないですか!

「ええええ〜?」


世界の鈴木プロデューサーが
番長の作品を見ています。

鈴木さん
「‥‥いやらしいね」



「そそそそ! そうなんです!
 わかってくださいますか」

糸井
「この人、歌もいやらしいですから」

鈴木さん
「そうなんですか?」

「にゃははははは」

鈴木さん
「このコテッとしたあたり、
 期待させるものがありますよ。
 これからどうやってからむんだろう、と」

ええ、これからの展開を
かくかくしかじか、のように考えています。

鈴木さん
「ええええ?
 いやー、がんばってください!
 いつ完成するの?」

今日です。

鈴木さん
「今日!」

「ウハハハハ」

一同
「ははははは」

鈴木さん
「がんばってねー!」



「ありがとうございました」

番長、ほめられましたよ!

「ふふふ!! いい気になってしまうよ。
 がんばってみようかな♪
 よし! しばらく、
  この燃えるようなの、
 やっていこう!」

“燃えるようなの”がつづくんですね。

「グアー、ギャーッ、
 もっとだ、
 もっといかないと!
 よしいまのうち、いまのうち!
 はい、いこ!」

はい(シャッターを切る)。

「よし!
 こんなんじゃだめだ!
 もっと太く!
 もっと太く!」



粘土人形をつくっていたときに
“音波なんだから細くしてくれないと困る”と
ダメ出しされた記憶がよみがえります‥‥。

「ハハハハ、そうだよね!
 途中から完全に変わったな、コンセプトが」

このまま走りつづけて、明日につづきます!




なぜなに番長、質問です。
人はなぜ空を見るのでしょうか。

「うっわ。きたぁー!
 い〜い質問だね。乾杯!
 これは、オレだけが答えるのはもったいない。
 まいりましたよ。ナイス!

 集中して仕事をしているときなんかには
 あんまり空は見ないでしょ?
 空を見るのは、人が
 ブレイクしているときなんだよ。
 いろんな大きさのブレイクが
 あると思うんだけど。
 
 自分のふだんのやり方を
 『アレ?』と思って
 検証しなきゃいけないんじゃないかな、
 という気持ちになったりして、
 小休止や一旦停止をするときに
 空を見るんだと思う。

 法律やら仕事やら締め切りやら、
 大小いろんな約束ごとの流れの中に
 普段のオレたちはいるんだけど
 そこからちょっとはみ出したいときに空を見る。
 空に気持ちをもっていって、
 自分が身を置いている世界の約束ごとを
 見なおすのかな。
 それと同時に、
 空があまりにもきれいだということに
 気づいたりしているのかもしれない。

 宇宙から撮った地球の青は
 信じられないくらいきれいに見えるよね。
 木星とかタイタンとかイオとかは、
 グロテスクでしょ?
 圧倒的に地球がいちばんきれいに見えるんだよ。
 なんでオレたちは地球がきれいに見えるんだろう?
 こういうことを考えると、
 美しいというのはなんなんだろう?
 ということに行きつく。
 肉体の中に眠っている、
 なんらかの郷愁のようなものが、
 そういう感覚を支配しているのかもしれないけど。
 青空は、陸上にあがった生物なら見ているはずだし、
 犬なんかもときどき、空を見上げてることが
 あるような気がするんだよな。

 そういった生き物としてのリアリティのことを
 突き詰めて考えているわけじゃないから
 たまに確認したくなるんじゃないかな。
 空をパッと見上げる、っていう行為はさ」
 
なぜなに番長の受付は、終了しました。
たくさんのご投稿、ありがとうございました。

すばらしい「なぜなに」をくださった1名さまに、
2005年なぜなに大賞として、
「オレのニュース。」公認 缶バッジ
シリアルナンバー011をお贈りします!

最近の、オリジナル・ラヴ

『恋の片道切符/青い鳥』(ポニーキャニオン)

11月16日に発売されたニューシングル。田島貴男さんが日本語の歌詞をつけてカバーしたニール・セダカの『恋の片道切符』、レオン・ラッセルの『青い鳥』の、名曲2曲に加え、新曲の『ピストル・スター』が入った豪華なマキシシングルです。「かっこいいです、番長!」のひとことに尽きます。


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2005-12-26-MON

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