帰ってきた!
田島貴男の
2005年 オレのニュース。

ニュース その2
エントロピー撒き散らしのクレイアニメ。

ニュース前


ニュース後


第1回
バイブレーションよ、来い


みなさん、おはようございます。
田島貴男のオレのニュースの時間がやってまいりました!
トウキョウはクリスマスを前にモミの木ムード一色。
田島貴男ニュース番長は、
ほぼ日刊イトイ新聞ニューオフィスイン青山に
颯爽と出勤です。



「おはようございます!
 今日はいちにち『ほぼ日』に
 カンヅメになる覚悟で
 やってまいりました!
 クリスマスの時期ということもあり、
 夢のあるクレイアニメを作成し
 みなさんにプレゼントしようという計画です」

クレイアニメとは、
粘土でつくった人形をコマ撮りし
動いているように見せてつくりあげる
アニメーションのことです。
番長は、このような動画作品の制作は
まったくはじめて、ということなのですが、
今日は、番長のエンジン的には‥‥?





「全開です!」

ありがとうございます。
なにか構想は、ありますか?

「じつは昨夜、寝ている間に
 どうしよっかなー、と追いつめられて、
 起きる寸前に夢のなかで
 考えついたお話があるんだよ」

番長は夢のなかで、どうしよっかなー
という心境に陥ることが、
わりに多いようですね。

「でも、言わないほうがいいような気がするな」

どういうストーリーなんでしょうか。

「まず、馬男(うまお)さんと鹿子(しかこ)さん、
 というキャラが出てきて」

‥‥‥‥。

「馬男さんと鹿子さんが行く、
 ニッポンうましか物語!!
 といったようなものを、つくろうと思いまして。
 それで、馬鹿(ばか)っていう、さ、
 ッハハハハハハハハ」

ははは‥‥‥‥。

「はっきり言って、
 今日はアイハブノーアイデアなんだよ。
 相談にのってよ!」

のれません。

「なんで!」

のりません。

「なんで!!」

‥‥じゃあ、ええっと、
先日『明日の神話』をごらんになって
岡本太郎さんが降臨してきている昨今、
常に「死」の匂いが待ち受けているストーリー、
というのはいかがでしょうか。
前回のキノコ狩りも、
そんな様相を呈していましたし。

「アニメで?
 どういう方向にしたらいいの?
 窒息とか、そういう方向?」

うーん、
ちょっと言ってみただけです、すみません。

「ものを投げつけられて、それを食べて
 太っていって、破裂して死ぬとか?」

ほんとうに、ちょっと言ってみただけです、
忘れてください。

ここで、カメラなどの使い方を覚えるために、
実際にコマ撮りをする練習をしてみましょう。
クレイアニメ作成用ソフトを入れたパソコンと
ビデオカメラをつないで
静止画で撮った画像を保存していくんですよ。


ピエロの人形を使って、コマ撮りの練習をします。

こうやって、位置を決めて、
カシャッとシャッターを押すわけです。

「なあるほど!
 それを連続させると動いて見えるってわけね!
 よしよし」
 

コツをつかみ出すと、
番長はいつも一点に集中しはじめます。
こういうときは、
好きなようにしていただくのがいちばんです。


ようすをのぞきに行くと、こんな表情。

「‥‥手、手がだりぃ」

おお、番長、手伝わなくてすみませんでした。
でも、だいたいの手順はおわかりいただけたようですね。
練習とはいえ記念すべき第1作目を制作する番長を
動画でお覧ください。
(↑こちらをクリックしていただくと、動画をごらんいただけます。)

「ウシャシャシャシャ、
 なんとなくコツがわかったよ」


流れをつかんだので、ひと息いれるそうです。
「だいじょうぶかな、にゃはははは」
今回は余裕を見せておいでです。


そして、愛用のノートを取り出します。

「よし、構想を練ろう、
 馬や鹿じゃないやつの。
 
 動かなさそうなものが動くというのが
 おもしろいんだよな、きっと。
 あり得ない動き、とかね。

 そうだな、UFOものがやりたいな。
 オレの顔のまわりにUFOが飛ぶの。
 オレの顔を背景にするにはどうしたらいいわけ?」

 番長ご自身がカメラ前に立つのが
 いちばんいいんじゃないでしょうか。

「そうしようそうしよう!
 (ノートに絵コンテを描き出す)
 ワタクシがいて、と、
 これがオレね、
 そんで、アダムスキー型のUFOが飛んでる、と」
 

自画像??

「マグネシウムが燃えてるような光が
 UFOになって、
 バーッとオレの周りを舞うわけよ」

はああ。それはもしかしたら
マグネシウムを燃やさないと‥‥。

「燃やさないとな、実際に。
 だいいち、UFOをつくるのに
 すげえ時間がかかりそうだな
 UFOがさ、オレの鼻のなかに入るのはどう?」

‥‥いいと思います。

「じゃあさ、捕まえて、食べちゃうのは?」

‥‥いいと思います。
でも、どちらも意味がわかりません。
しかも、そういうシチュエーションですと、
コマ撮りアニメではなく、
ふつうに動画のビデオで撮影したものと
ほぼ同様に見えるかもしれないと思われます。

「ッハハハハ、なるほど、ほんとだ!
 うーーーーーん」


番長、担任にイスの脚をカーンと蹴られますよ。

「う〜〜〜〜ん」


部屋をうろうろして考えます。

「うーんとね、
 うーんと‥‥
 食べられるなにかがいいな」

“食べる”ということから
抜け出たほうがいいのでは‥‥?

「ハハハハ、
 腹が減ってんのかな?
 うーん、
 やりたいことをバーッと考えるとすると、
 宇宙旅行に、やっぱ行きたいな!
 馬男さんと鹿子さんが
 ロケットに乗って
 いろんなところを旅するんだよ。
 ハワイのフラダンスの女の人とか
 いろいろ出てきてさ」

たいへんそうですが‥‥いいですね。

「そんで、最後に食べられちゃうの。
 オレが出てきて食べちゃうの」

‥‥‥‥。
番長、ごはんを食べに行きましょうか。
ほら、「ほぼ日」の女子たちも
ランチに行くようですよ。


お昼ごはん、どうしますか?

「そうだな。
 でも、もうちょっとアイデア出しをしないと
 メシを食ってるあいだに
 気持ちが焦ってしまいそうです」

あ、また別の女子たちが‥‥。


「へー、すごい。こうやって撮るんですねー」

みんな、通りがかかりに、
かなり縦横無尽に見学していきますね。


「事務所に宮崎駿さんのラフスケッチがありました。
 アニメづくりの参考にしてください」と
まったくの意識外で番長にプレッシャーを浴びせる者あり。

好意、好意ですからね、みんな。

「プレッシャーでヨワヨワになるよ。
 やばいなぁ」

これまで、いついかなるときも、
余裕メーターゼロ状態を
はねのけてきた番長ではないですか。

「そうだよな!
 がんばります。
 泣きじゃくり状態で、がんばります!」


「岡本太郎記念館に行ってきたらどうすか?
 ここから近いし」


「そだね! 太郎さんから
 バイブレーションをもらおう。
 よし、行こっか!」

お昼がてら、出かけましょう。

番長の構想は
どんなところに行き着くのでしょうか。
表面上は笑顔を保ちつつ、しかしすがるような心で、
岡本太郎記念館に向かいます 。

12月24日に、つづきます。



なぜなに番長、質問です。
番長が政党をつくるとしたら、政党名は?

「『天然党』とか、『甘党』とか?
 ちがう? ふはははは。
 まずオレには政党をつくる気がないからな。
 とんでも党!
 とんでもないヤツばっかりが集まってんの。
 だめ? だめ。‥‥だよね。
 じゃ『ちょう待てよ党』は?
 ヒャハハハハ」

エー、次の質問に。

「ノノノノノノ! ちょっと待って待って。
 あのね、からだでは
 党のイメージは、もうできてるんだよ」

?? からだではできている?

「言葉ではなく、からだではね。
 こんなかんじ」


こういう党なんだけど。

‥‥‥‥。
こういう“党首”なんですね。

「あ、そうか、自分ひとりの党だと
 考えればいいんだ!
 じゃあPOP党!
 日本POP党にするよ!」

では、日本POP党党首田島貴男候補、
公約をお聞かせ願えますか。

「オレが選挙に立候補して
 政治家になってなにをするか?」

住みよい社会をつくるとか、
世の中を変えてみせるとか。

「うーん、いちばん向いていない仕事だな。
 うーーーーーーーーん。

 世界がうまくいっていないことの原因を
 外に置いている人が多いような気がするんだよ。
 オレは、世の中を変えるということは
 自分を変えるということのような気がする」

では、公約は?

「“世の中をよくする前に、自分をよくします。”」

うわはははは、バッチリですね。

いや、それはバッチリではないな。

おお、どこかから声が!



これはこれはコピーライターの糸井重里!

糸井
「“よくする前によくします”
 という並列の書きかたでは、
 両方が同じ世界のものになっちゃうぞ。
 “世の中をよくする”というほうを
 虚にしたのならば、
 もう一方の“自分”には
 リアリティをもたせなくては。
 つまり、これは
 “世の中をよくする前に、自分をなんとかします。”
 にすべきであろう」

‥‥なるほど。

「‥‥ほんまや。さすがだ」

日本POP党党員になりたいみなさんは、
お部屋にひとつ、POP党ポスターをどうぞ。
こちらをクリックしていただくと
A4サイズでプリントできる
pdfファイルがダウンロードできます。

日本POP党ポスター


このように大胆に飾ると


アラ不思議、選挙事務所風インテリアに。

すばらしい「なぜなに」をくださった1名さまに、
2005年なぜなに大賞として、
「オレのニュース。」公認 缶バッジ
シリアルナンバー011をお贈りします。

※なぜなに大賞に輝いた方には、「ほぼ日」から
 住所やお名前などを
 おうかがいするメールを差し上げます。
 こちらから連絡の取れるメールアドレスから、
 ご質問をお寄せくださいね。


なぜなに番長の受付は、しめきりました。
たくさんのご投稿、ありがとうございました。

 


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2005-12-22-THU

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