みうらじゅんに訊け! お金篇  ことあるごとに みうらじゅんさんのもとへ 何かを訊きに行く「ほぼ日」ですが、 今回のテーマは、お金です。 笑っているつもりが役に立つ‥‥かもしれない。 もしかしたら、ほんとのほんとはそうなのかも、 と思えてくるような すばらしいみうらさんの「お金論」、 短期集中毎日連載です!
第2回 土中の缶に気をつけよ。

ほぼ日 領収書以外で、
貯金のコツがあれば
お伺いしたいんですが。
みうら 遊ばないことですよ、そりゃ。
そりゃ当然、遊ばないことです。
遊んで金貯まるなんて
ありえないですからね?
友達に飲み屋に誘われても、
絶対行かない。
ほぼ日 ええ?!
みうら 絶対行かないほうがいいです、そんなもの。
友達といっしょだとワリカンになりますし、
相手が先輩だったら
行ってもいいと思うでしょうけど、
帰りのタクシー代というものが発生します。
家が遠方である場合は、年上の人でも
飲み会は断ったほうがいいと思います。
金貯めるには、ですよ?
ほぼ日 貯めるには。
みうら 飲み屋で3万円おごってもらったとしても、
行き帰りのタクシー代に
6000円かかってるようではダメです。
それは、酒をおごってもらって儲かった、
というわけじゃないんですよ、
そこがマジックですよね?
おごってもらって
儲けたような気になって帰ったけど、
次の日、飲み過ぎで気持ち悪いわけですよ。
ほぼ日 なるほど。
みうら おごってもらっても
なんら得してないんですねぇ。
それじゃ、お酒じゃなかったらいいかというと
そういうことでもありません。
「飯いっぱい食べさせてもらったんで!」
なんて言っても、
結局メタボになったりするから、
ほんとは何も食べないほうがいいんですよ。
「おごってもらった」で
何もかもチャラにしてるけど、
ちょっと考え直したほうがいいと思います。
ほぼ日 そうか‥‥‥‥。
交通費が出てるということにすら
気づきませんでした。
みうら 気づかないんですよ。
ですからね、誰かがタクシーに乗ってたら
すっと乗せてもらうとか、
人から「せこいなー」と
言われることをしないと、
お金なんて貯まるわけない、と思います。
ほぼ日 はい、はい。
みうら そうしていると、
小さいお金が貯まっていきます。
ま、それは当然、
遊んでない、使ってない、
ということになりますからね。
‥‥ぼくも、忙しかったもんで、
遊んでなかったんですよ。
ほぼ日 そうなんですか。
みうら 5cm×5cmで500円のカット、
つまり5・5・5(ゴーゴーゴー)ですけど、
それを大量に頼まれるわけです。
有名な方だったら、
1点で10万とかもらうところ、
ぼくは何百個描いて同じ額、
ということです。
ほぼ日 はい、はい、はい。
みうら 人が1時間で描き上げるところを、
ぼくは半日以上かかって描いてるわけだから、
遊びにも行けないんですよね。
ということは、
金は貯まっている、ということです。
それは当然ですよね。
ほぼ日 しかし、貯めたお金が白くなるということは
おわかりになっているわけですから、
使うときは使ってらっしゃるんですよね?
みうら はい。ぼくはいろんな方に、
使うときは使わないと、
後輩がついてこないということを
教えていただきました。
後輩というものは、
お前の魅力でついてきてるんじゃない、
お前の金めあてである、と。
ほぼ日 そうなんですか。
みうら すべての人は金めあてだ。
ぼくもそう思うようになりまして。
ほぼ日 はい。
みうら そりゃ、後輩にふぐをおごったら、
次は「王将」で済ますわけには
いかなくなります。
おごりは、重ねていかなきゃなんないです。
だから、お金はなくなります。
ぼくは、自分で買ったもので
なくなったものはほとんどありません。
「おごったこと」がなくしたことです。
代表的な例がキャバクラです。
ほぼ日 ああああーー。
みうら ああいう場所は、友達呼んで、
いい調子になろうと思って
自分が払うわけですから、
そら、なくなります。
友達が増えれば増えるほど、なくなります。
それは毎月、かなりの額でなくなってました。
ほぼ日 毎月。
みうら はい。いっとき、すごい額で
なくなっていきました。
まぁ、いい気にもなってますからね、
それはいい気代としてはチャラだなって
家ではよく言われていました。
ほぼ日 すごい額で、というのは
ちょっとした恐怖体験です。


みうらさんの語りをぜひ
今回も、動画でごらんください。

また明日お会いしましょう。
(つづく)


2010-08-13-FRI

HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN