ほぼ日刊イトイ新聞

 鶴見の糠漬け。

ぬか床を休める。
 

こんにちはー。
2週間ぶりの登場です。
前回のぬか漬けレシピいかがでしたか〜?
我が家では、和風ポテトサラダが一番人気。
家族はどうもキュウリのぬか漬けに飽きてたようです。
ぼちぼちカブや白菜など冬野菜の季節になってきましたね。
でも冬はぬか漬けって気分じゃないな〜
という方もいらっしゃるでしょうか。

昔は、冬になると気温が下がって、
台所は寒くなるし、漬ける野菜も限られてくるので、
ぬか床を休ませていたようです。
しかし、現在は、台所はリビングのすぐ近くにあって、
暖房もよくきいていますし、
野菜もスーパーにはキュウリだって
ナスだってずーーっとありますから、
そういう意味ではお休みさせなくても
大丈夫な世の中です。

ナス

でも、出張や旅行で1週間くらい家を空けてしまう……
という場合やちょっと飽きてきたからお休みしたい……
という方もいらっしゃるかもしれません。
なので、今回はぬか床の休め方です。

まずは、1週間くらいの短期の場合。
冷蔵庫に入れていても、放っておいていいのは2,3日。
さすがに1週間お手入れしないというのは感心しません。
かき混ぜずにいる(空気を入れない)と、
好気性の酵母菌が活動できず、
嫌気性の乳酸菌ばかりが活発に活動してしまい、
ぬか床の菌のバランスが悪くなります。
そうすると、味が落ちたり(酸っぱくなります)、
風味が悪くなったりします。

さらに、酸素が減少すると、
これまでおとなしかった嫌気性の酪酸菌が増殖を始め、
嫌な臭いがし始めるようになります。
(酪酸菌は、酸素に触れればすぐに死滅してしまうので、
 日ごろは心配する必要はありません)
また、産膜酵母(白カビ)等が 繁殖することも。
そのように、雑菌が増えていくと、
乳酸の生成が滞ってphは上昇、
最後には腐敗してしまいます。

せっかくここまで育てたのに、
1週間のご無沙汰のせいで
台無しになってしまうのはもったいない!!
ちょっとしたことでぬか床は守れますので、
お手入れしてから出かけましょう!

ナス

(1)まず、中に漬けてある野菜は出します。

(2)塩とぬかを足し、しっかりと上から下まで混ぜます。
いつもより、少し固めのぬか床になるくらいに足してください。

(3)容器の内側をキレイにして
(雑菌が増えないように、きれいに拭きましょう)、
ぬか床の表面を平らにならしてギュッと押し、
キッチンペーパーを
(余分な水分を吸着させるため。これも雑菌の増殖防止です)
表面に敷きます。

(4)これで、蓋をして、冷蔵庫へ入れれば、
1週間から10日は大丈夫です。

(5)戻ってきてすぐは
少ししょっぱいぬか漬けになるかもしれませんが、
漬けているうちに塩分はちょうどよくなります。
気になるようでしたら、ぬかをさらに足して、
調整してみましょう。

ナス

さて、さらに長期休ませる場合。
(どのくらいまでもつのか? は
 実験したことがないので分かりません。すみません。
 でも3〜4ヶ月は以下の方法で大丈夫です。)

(1)、(2)、(3)のぬか床の表面を
平らにするところまでは同じです。
平らにならしたら、
その上に1センチほどの厚さになるくらい塩を
ビシーーーッとかぶせて、キッチンペーパーを敷いて、
蓋をして冷蔵庫へ。

再開する時には、塩を取り除き、
表面に近いぬか床を少し捨てて
(少し変色していたりしますので、
 思い切って捨ててください)、
捨てた分新たにぬかを足し、しっかり混ぜ、
ちょっと捨て漬けをしてください。
かき混ぜて、野菜を漬けているうちに本調子に戻るはず。

ナス

さて、今回、
ネットや本などで調べて初めて知ったことがあります。
ぬか床って冷凍できるんです!!!
この場合は、塩を足したり
ぬかを足したりする必要はありません。
冷凍されちゃうんですから、
菌も活動しようがありませんものー。
冷凍保存なら、さらに長期保存できそうです。
やり方はいたって簡単。

ジップロックのような袋に、
小分けにして空気を抜いて、
しっかりと口を閉じて冷凍庫へ入れるだけ。

再開する時には、常温で放置して、
自然解凍させてから使います。

こちらは、『極上ぬか漬けお手のもの』
(針塚藤重・創森社刊)を参考にしました。



(この本はなかなか便利ですよー。
 いざという時のお助け本として
 持っているといいかも〜)

おお、いざとなったら
冷凍庫で休眠できるんですねー。
便利ですね。

さてさていかがでしたか? 
これで年末年始の旅行シーズンもばっちりですよ〜。

来週は、皆さんからの質問に答えます!

2007-11-06-TUE