#39 家の古いカメラ、どうしましょう。その1 E-P1を買いました。

講師

菅原一剛 「ご無沙汰してます。
 よろしくお願いします。
 最近オリンパスの新しいカメラを
 入手しましたよ」

今回の部員

シェフ 「おひさしぶりです!
 じつはぼく、古いレンズに
 はまってるんです」
山下 「ぼくは年季の入ったEOSキッス!」
シェフ 菅原一剛さん、お久しぶりです。
菅原一剛 よろしくおねがいします!
シェフ

オリンパスのE-P1(*)を手に入れましたよ。

*E-P1
オリンパスが発売した、
マイクロフォーザーズという規格の
レンズ交換ができる、
小型の“マイクロ一眼”カメラ。
通常の一眼レフと違い、
ファインダーがついておらず、
画角やピントは液晶画面で確認。
動画撮影機能もついている。
現在は、電子ファインダーが付属している
上級機種「E-P2」が発売されています。

菅原一剛 ああ、いいですねえ。
シェフ 革を貼ってみたりして。
古めかしくていいかなと。
菅原一剛 俺もやってみようかな。
シェフ

附属でついてた34ミリ相当の単焦点レンズ、
すごく便利なんですけど、
E-P1の「マイクロフォーサーズ」という規格は、
いろんなマウントアダプターが
各社から、出ているんですね。
古いレンズ、それこそライカのレンズとか、
つけられちゃうんです。
で、ぼくは、以前使っていた
コンタックスの一眼レフのレンズがあったので
試しにつけてみました。
そしたら、面白くなっちゃって!

菅原一剛 古いレンズって、
メーカーの違いもさることながら、
ガラスのコーティングが違うんです。
シェフ そんなに違うんですか。
菅原一剛 光は波動だから
速いスピードの光と
遅いスピードの光があるんですね。
紫外線が速くて、
肌も焼くぐらい強いんです。
それを写真は平面で受け止めるわけだから、
スピードが速いほうが先に届く。
シェフ はい。
菅原一剛 そうすると、ほかのあとから来た光が
届いたときには、
もう感光が終わっちゃってるから、
それをカットしていかなきゃいけないんですよね。
紫外線をカットしていくというのは、
写真の歴史だと言ってもいいかもしれないです。
とくにデジタルになると、
速いスピードで届く光だから
電気的に誤作動も起きて、
ノイズも起こる可能性がすごく高い。
だから、紫外線だとか赤外線、
いわゆる一般的に人間の目に
見えないといわれている光は、
どうせ見えないんだからって
カットしながら開発が進められてきたという
デジタルカメラの歴史があるんですね。
とはいうものの、このあいだ、
ビートルズのCDすごかったじゃないですか。
聴かれました?
シェフ 僕はモノラルボックスを買いました。
菅原一剛 すごいでしょ、音が。
シェフ うん、すごいです。
菅原一剛 あれって、ぼくらが思っていた
CDの音じゃないですよね。
なんかもっと生っぽい、
ある意味アナログよりも生っぽい新しい音。
CDも出始めの頃はすごく音が痩せちゃって、
細くなっちゃった感じがあったけれど、
今回のビートルズのCD、
音が細いとか痩せてるなんて印象、
まったくないですよね。
そういうふうにデジタルも
進化してきてるんです。
シェフ 音、いいんですよね、やっぱり。
菅原一剛 みんな気がついてるんです。
今のデジタルカメラの物足りなさは、
最初のCDと同じだと思う。
フイルムカメラを知ってる人は、
デジタルカメラを使うと何かちょっと、
何か物足りないというか。
僕も100パーセント好きって言えないですから。
山下 音楽は、レコードの針の雑音や
ラジオのノイズを含めて、
聴いててうれしかった。
シェフ 雑音を含めたものですよね、音楽は。
いまでもライブに行ったら雑音だらけです。
菅原一剛 写真もそうなんです。
前、「写真がもっと好きになる。」の中でも、
絵を描いて説明したことあったと思いますけど、
円錐形でしょう。
空気そのものも含めて
「どうやって写すか」ということが大事なはずなのに、
デジタルカメラは、そこを全部割愛して
キャプチャーすることに頑張っちゃってる。
そんななかで、やっぱりレンズ、
とくに古いレンズを使えるというのは、
すごく大きな発見がありますよね。
「それこそが素晴らしい」
とは言わないけれど。
山下 難しいところですね(笑)。
菅原一剛 「トイカメラがいい」というのと
一緒のことになっちゃうから。
もちろん、そこには
一つの大きな可能性がありますよ。
でも、たとえばライカのレンズって
やっぱり本当にバランスがよくて素晴らしいし、
そういうレンズがつけられるだけで
カメラはちゃんと反応しますよね。
しかも、最近のこのマイクロフォーサーズとか
「E-P1」にも、もちろん「E-P2」にも搭載されている
CMOSセンサーと呼ばれてるのは、
CCDに比べると階調表現が豊かな印象があります。
柔らかいと言ったらわかりやすいかもしれない。
だから今のレンズほど紫外線をカットしてない
古いコーティングのレンズでも、
その感じが、出る気のかもしれませんね。
シェフ

レンズがあるので撮ってみます。
まず、古いコンタックスの一眼レフ用レンズ。
マニュアルフォーカスです。

シェフ

そしてこれは、ライカのMマウントレンズ。

シェフ

さらに、パナソニックの作った
ライカブランドの
オートフォーカスレンズ。
競馬で当てたとき買ったんですけど。

菅原一剛 いいね。
やっぱり、今の時代に合ってるね。
山下 レンズで写りがぜんぜん違うっていうのは
ぼくもこのごろ痛感してるんです。
菅原一剛 今、レンズメーカーのシグマのレンズが
ヨーロッパですごい売れてるんです。
安いわりによく写るって。
光をいかに写そうかと、
各レンズメーカーは頑張ってきたわけだけど、
赤外線と紫外線をカットしてどう写すか、
っていうことが、今、焦点になってる。
デジカメの場合ね。
そうすると、シグマみたいな
レンズ専用メーカーの性能が
ぐっと注目されるようになっている。
山下 なんかお話が、オーディオに似ていますね。
昔、僕、オーディオがすごく
好きなことがあって
菅原一剛 ぼくは、今でも好きですよ(笑)。
山下 あれもほら、スペックというか、
一所懸命カタログに記されてる数字を
追い求めるメーカーと、
まったくそこダメなんだけど聴いてみると
「おお!」みたいなのっていうのありましたよね。
菅原一剛 そう、同じですね。
結局、数字じゃないなって思うでしょう?
車でも何でもそうじゃないかなと思うんですけど、
機械はスペックだけじゃない。
スペックがすごく具体的に反映してくるのって
パソコンぐらいじゃないのかな。
シェフ そういう感覚が、このE-P1になって
よみがえったんですよ。
僕がずっと死蔵していた
フイルム一眼レフ時代のレンズとか、
40歳記念のライカのレンズとかが
全部デジタル使えるようになったんです。
まあ、アダプターは必要なんですけれど。
山下 そこがけっこうするんじゃない(笑)?
シェフ ん、高いと言えば高い、
1万円台です。
山下 あ、でも、それでレンズが
使えるようになるんだったら、
と思える額でもあるんですね。
シェフ そしてマニュアルフォーカスのレンズって、
いま、中古で買ったら安いものもいっぱいあって。
菅原一剛 そうですね。
シェフ むかしがんばって買った記憶があるので、
悲しいぐらい安いんですけどね。
でも、すごくいいですよ。
菅原一剛 僕も家にある自分のライカのレンズを
たまにつけて使います。
シェフ 楽しいですよね。
菅原一剛 うん、写りがやっぱり「まったり」するの。
だから、デジカメ嫌いになったりとかした時には
そういうのも、いいかもね。
職業的に毎日フイルムを使っているので、
余計になんか「やっぱりデジカメ、ダメだなあ」
みたいに思うことも、あるんですけど、
でも、デジカメにはデジカメにしかない、
便利で、楽しい部分もあるじゃないですか。
シェフ はい。僕らは職業ではないので、
デジカメいやだなと思わないですよ。
というか、それしかないんだから、
そこでどう遊ぼうかなって思います。
菅原一剛 あるじゃないですか、フイルムカメラが(笑)。
シェフ はい、いまでも大事にもってますけど、
だけど、やっぱりフイルムを入れて
お散歩に行こうという
精神的な余裕は‥‥ない(笑)。
菅原一剛 (笑)。
山下 いや、持ちたいという気持ちは、
あるんですよね。
シェフ 気持ちはね。
菅原一剛 こう考えりゃいじゃないですか。
シェフ どう考えりゃ?
  (つづきます)
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2009-12-24-THU