#05 はじめてカメラを買うんですの巻 その5

今回の部員

「予算内で、好きなものを買えばいい‥‥って、
 ほんとにそれでいいのかなー。
 やや不安がのこってます!」
「なかなかわたしの話になりませんが、
 一眼レフをもつ自分を想像しながら
 みなさんの話を聞いてます」
「貯金しなくちゃ‥‥」

講師

「写真は楽しいですよ。
 カメラを買うときも楽しんでくださいね」

司会

「こまったなあ。
 ぼくもどんどん欲しくなってきました」
シェフ 小川さんからの
「予算30,000円以内で仕事用の
 コンパクトデジタルカメラがほしい」
という相談を、やや脱線しながらも、
菅原さんをかこんで、つづけております。
で、カメラやさんに行って、
機能とか関係なく、
かたちがいいなって思うものを選べば、
それでいい、ってことですよね‥‥。
画素数、とか、気にする必要は‥‥?
菅原 ないですね。
シェフ ないか。
ぼくの古いデジカメ、
300万画素で、
いまあたりまえに800万とか1000万とか
画素数がある時代には、古いんだけど、
いまもとてもよく撮れるよ。
そうですかー。
じゃあ「ここだけは気にしておけ」とか?
菅原 まったくないです。
かわいいな、とか、
これ持って歩きたいな、って思うものを
買えばいいですよ。
シェフ でも、それでもですね、各社の、
ちがいがあるんじゃないかと。
菅原 今の時代、どの会社のカメラを買っても、
そんな大外れはないですよ。
とくにその価格帯でしたら大丈夫です。
あ、そうなんですね。
シェフ 気にいったのを買ったらよいということになる。
菅原 そうだと思います。
そのカメラを使っていくうちに、
もし写真が面白くなったり、
「あ、なるほど」なんて思ったりすれば、
また次のステップに行ったらいいです。
なるほど。
シェフ 予算30,000円っていうのは、低めなんですか。
デジカメにしては。
ちょっと低いかなって思いながら言いました。
菅原 いえ、けっこうボリュームゾーンだと思います。
ボリュームゾーンってなんですか。
菅原 各社、そのクラスのカメラを出していて、
選択肢がいっぱいあるってことです。
いい価格帯だと思いますよ。
49,800円のものと、
29,800円のものって、
どんな違いがあるんですか。
菅原 機能が多い少ない、というだけの違いでしょうね。
コンパクトデジタルカメラといわれているなかで、
各社一番上位のものを買っておけば、
一つの基準として、一番間違いがないのだけれど、
でもそこは30,000円じゃ足りないかもしれない。
それがだいたい
40,000〜50,000円ゾーンだと思いますよ。
だから、そこからちょっと下がった
30,000円っていうと、
トップからちょっと機能が
抜けているだけだと思います。
シェフ そんなに、機能、いらないんですもんね。
お店で、いっぱい説明してくれると、
もうどれがいいかわかんなくなっちゃうんです。
シェフ 説明、あれね、ほんと、
「たっぷり」してくれるんだけど、
してもらえばしてもらうほど、
わかんなくなってくるよね。
菅原 僕も、よく話しかけられます!
一同 (笑)
シェフ カメラマニアのおじさんが来たと
思われてたりして。
菅原 僕、話ききますよ。
「あ、そうなんですかー」とか言って。
反論しないよ。
一同 (笑)
シェフ でも、今回、小川さんは、
その店員さんのくわしい説明は、
あまり聞かないほうがいいかもしれないですね。
菅原さんの
「画素数は気にしなくていい」は、
けっこう嬉しい答えです!
シェフ それでも迷ったらどうすればいいんだろう。
菅原 ほんとうに迷ったら、
そのクラスだったら、
キヤノンかフジにしておけば、
間違いないです。
アロハ へえ〜!
そうなんですか!
シェフ それは、あくまでも、
迷ったらってことですよね。
菅原 迷ったら。
なぜですか。
菅原 やっぱりバランスがいいですよ。両社とも。
これはカメラに限ったことじゃないんですけど、
工業製品と呼ばれているものが、
ICに一気に変わってしまってから、
研究開発費がすべて物を言う時代に
なってきちゃったんですよ。
売れている会社のほうが
研究開発費が潤沢に使えて、
新しくていい物が作れるんですね。
キヤノンはそのいい例だと思います。
もちろん、売れているということだけじゃなく、
いいメーカーはたくさんあるし
こころざしの高い研究者もおおぜいいるけれど。
シェフ なんでもそうですね‥‥。
菅原 うん、なんでも。
これ、このヒト(GRのこと)、
もちろん技術あってのことだと思いますが、
偶然も重なって、すばらしいカメラが出来たのかも。
 
シェフ フイルムカメラのGRがあったから、
これができたんじゃないですか。
菅原 もちろんフイルム時代のGRも、
とてもいいカメラで、
いいレンズができていたわけだけど、
デジタルカメラって、
新しくフイルムを作るみたいなものですから、
また、ちがうんですね。
それをリコーがつくったのは、
すごいことなんですよ。
カメラじゃないところで培ってきた技術だとか、
いろんなことが、うまく、重なったんじゃないかな。
そういう意味では、
一番強いのは、富士フイルムなんですよ。
シェフ へえ!
菅原 富士フイルムって会社は、
もっと僕ら誇りに思ったほうがいいぐらいすごい会社で、
化学では世界一なんですよ。
一同 へえ〜!
菅原 ペンタゴンから直接質問状が来るぐらい、
化学に関してはすごい技術を持っているんです。
だからそれはもう、フイルムももちろんそうですし、
化粧品も作り始めたりしていますし。
それと写真とはどんな関係が‥‥?
菅原 もともと写真は化学ですから、
その化学変化を利用することで
色を再現することにつながるんです。
今はデジタルではあるのですが、
それでもCCDなどで受光した情報を
色に変換するという技術の上でも
圧倒的にフイルムメーカーである
富士フイルムが、有利ですよね。
しーしーでぃー。
シェフ レンズを通して受け取った情報を
デジタル情報に変換することですな。
なんかちょっとむずかしい話になっちゃいましたけど、
富士フイルムのカメラ、かわいいですよ、実は。
余計なデザインしてない感じで。
菅原 富士フイルムのデジタルカメラは
FinePixっていうブランドなんだけれど、
富士だけの機能として、
ナチュラルモードっていうのがあって、
それがすごくいいです。
高感度で、例えば裸電球の下とかで撮ったとき、
ちゃんとその電球の感じが写ったりとか。
普通は電球の下で撮ると、
デジタルカメラの場合は勝手に補正をしちゃって、
白くなっちゃうんですよ。
特に最近の流行で、白っぽくなっていっちゃう。
だけどそのナチュラルモードっていうのにすると、
電球の下で撮ると、電球っぽい写真になったりとか。
普通はこういう色温度を、
勝手に白く戻しちゃうんです。それを‥‥。
シェフ 菅原さん、話が難しくなりました。
たぶんみんなわかってないと思う。
菅原 あ、色温度っていうのはね、
電球の色と空の色って、
光の色が違うじゃないですか。
で、光の色が違うものを、
全部写そうとしてるわけですよ。全然違う色を。
フイルムには二種類あったんです。
電気の光用と、太陽の光用が。
はあ〜、そうだったんだ。
菅原 二つのポイントしかなかったのが、
デジタルカメラは、その可変速で動くわけです。
その可変速で動くってことを、
何を基準にしているかっていうと、
「白く見せるため」に動いちゃっているので、
蛍光灯であるのにもかかわらず、
真っ白になっちゃったりする。
ナチュラルモードっていうのは、
そういう光の状態をカメラが察知してくれて、
直してくれる。
シェフ すごいな。
なんか僕も欲しくなってきちゃった。
一同 (笑)
(つづきます!)
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2008-04-16-WED