〜父の書斎から〜

僕の父はやはりフォトグラファーで、
毎日新聞社の報道カメラマンをしていました。
定年後は、福岡に移住して九州造形短期大学というところで
写真を教えながら足繁くインドに通い、
鶏卵写真という技法で手すきの和紙に、
インドの風景や人々を自らの手でプリントし
各地で展示発表などもしていました。
父は3年前に亡くなったのですが
今、その書斎を、僕が少しずつ片付け始めています。

父が、何十年もの間に撮った写真たちは、
文字どおり山のようです。
ネガとポジとプリントと、そして新聞の切り抜き。
写真展パネルやら額やら、
カビの中にいつも呆然と立ち尽くすばかりで
なかなか仕事が進みません。簡単には捨てられないしね。
僕が死んだら、こんな写真がさらに倍増する!?
なんて考えると、
息子たちはどうするんだろう? とも、思います。
父の写真を通じて、
ちょっとした自己確認をしているのかも知れませんが、
今週は、そんな気分をシェアさせてください。



「松本カメラマン」

この写真は、父が毎日新聞に入る前に勤務していた
サン写真新聞に掲載されたもの。
機動隊に棍棒で殴られ、頭を割られても、
必死に撮影する報道カメラマンの記事です。
おそらく父は、正義感に燃えていた?
なんて勝手に想像している。
1951年て書いてあるから、父は22歳だったはず。

(写真をクリックすると大きな画像で見られます。)

 
2017-01-23-MON
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