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「罪と罰」〜地球の継承者〜
〜最終ステージまで突っ走ろう!〜
「罪と罰」のストーリーは、
漫画とか小説に向いていると思ったんです。


新シリーズ、アクションシューティングゲーム
「罪と罰 地球の継承者」スタッフ座談会の最終回。
2001年1月中旬、「罪と罰」が
小説とコミックになって世に出ることになりました。
ストーリーにかなりの力を入れて開発してきた
アクションシューティングゲームなだけに、
小説化、コミック化のは作り手にとって、
「罪と罰」の世界観を広げるチャンス!

 
「罪と罰」〜地球の継承者〜
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2000年11月21日発売
定価:5800円(税別)
アクションシューティングゲーム
1〜2人用
 

座談会出席者
 
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●前川正人
「トレジャー」代表取締役社長。
「罪と罰」のプロデューサー。

 
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●山上仁志
任天堂開発第一部。
「罪と罰」のディレクター。
過去の代表作は「パネルでポン!」
「ヨッシーのクッキー」
「ゲームボーイギャラリー」など。

 
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●武久 豊
任天堂広報室企画部。
「罪と罰」のプロモーション担当。

 


 

★★★ 特 報 ★★★
「罪と罰 地球の継承者」が
小説化&コミック化!

 
前川:
「罪と罰」を小説化、コミック化して、
2001年に出していただけることになりまして、
どちらも、本当にありがたいお話ですよ〜。
やはり、ゲームだけでは伝えきれないという気持ちが
作り手側にもあるんですね。
この座談会にしても、こうして話をすることで、
作り手の思いを伝えられるわけですからね。
 
たとえば、「小説」からゲームに入ってもらうとか、
逆にゲームをやった人が「小説」を読んだら、
「実はこういうストーリーがあったんだ」と、
もっと「罪と罰」の世界が広がると思うんですよ。
「トレジャー」も昔からこういう展開を
やりたかったという気持ちはあるんですけど、
現実的にはなかなか……(笑)。
今回の話をいただいて、ウチのクリエイターたちも
本当によろこんでやってくれてますねぇ。

 
──:
「罪と罰」が小説とコミックになるには、
どういった経緯があったんですか?
 
山上:
「ファイアーエムブレム」というゲームがあって、
その担当が僕と同じチーム内にいるんですが、
話をきくと、ユーザーさんがそのゲームの世界について、
すごく気持ちをふくらませて、
登場するキャラクターの中の、
「誰と誰は将来くっつくんではないか?」とか、
シナリオを想像しあうようなファンが多いんですよ。
そういった土壌から、小説とかコミックが生まれて、
ものすごい人気なんですね。
 
ゲームの中のストーリーでも、これだけ共感を与えて、
コミックなどに展開していくといういい例を、
普段から見ていたので、
「罪と罰」の難解なストーリーを読んだときに、
「これは漫画とか小説に向いているなぁ」と思ったんです。
極端な言い方をすれば、
「映画にしてもいいのではないか」と思えるほど、
「罪と罰」のストーリーは
面白いものがあると感じてたんですよ。

 
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山上ディレクター(右上)は、
このストーリーは小説やコミックになると直感!
 
任天堂から、そういう展開を外部に持ちかける
ということがなかなかありませんので、
どこにどういうふうに持ちかけようか、というのを
ずいぶんと悩んではいたんですよね。
で、武久が「罪と罰」プロモーション担当に決まったので、
「罪と罰」の漫画化を考えていると相談したんです。
それで、彼が具体的に
メディアワークスさんに打診してくれたわけなんです。
 
で、メディアワークスさんから
「小説とコミックで、やりましょう」という話を
いただきまして……。
で、それから逆に「トレジャー」さんは
この話を「オッケー」してくださるかなぁ、と(笑)。
こういう話は、相談してたら時間かかりますから、
バーッと段取りだけ決めて、
「こういう話があるんですけど、どうですか?」と。
 
小説とコミックにする話は、「罪と罰」を盛り上げるための
ひとつの宣伝の役割もあるので、
ストーリーが多少変更になることもありえる、
ぜひともご理解いただきたいということで、
と、お願いしたところ、トレジャーさんから
「ぜひとも!」ということで。

 
前川:
いや〜、ウチ(「トレジャー」)は二つ返事です(笑)。
「罪と罰」ならではの世界観があるんで、
それを伝える場が増えていくのは非常にありがたいです。
逆にウチのスタッフがみんな
のめり込んじゃってヤバイかも、というくらい
好き好んでやってますんで(笑)。

 
武久:
出版社さんに企画をもっていくときにも、
「罪と罰」は小説やコミックにしやすい素材だな、
という見方はしてたんですよね。
「罪と罰」は、独立した世界観を
ちゃんともっている作品なんで、
そういう世界観は、ユーザーにとって魅力的だろうし、
「罪と罰」の世界を広めていきたいという
こちらの思いもあったんですよ。
で、「罪と罰」という素材を生かしてくれるのは
メディアワークスさんじゃないか、と。
一緒にやりませんかという話をさせてもらいました。

 
前川:
自分たちの作ったゲームから、
コミックや小説が出るのは、うれしいですねぇ。

 
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小説ではゲーム内の物語よりも過去のストーリーが
展開されている、とプロモーション担当の武久さん

 
武久:
コミックは2001年の2月17日発売予定の、
「月刊コミック電撃大王」から
『罪と罰 地球の継承者』というタイトルで
連載がスタートします。
「月刊コミック電撃大王」は毎月18日発売ですね。
 
月刊コミック電撃大王さんも
これからより一層メジャーになっていきたい
という思いがありますし、
こちらも「罪と罰」の世界を
大きくアピールしていきたいということで、
お互いがんばってやっていこうと。
 
小説は「電撃ゲーム文庫」から
こちらも同じ『罪と罰 地球の継承者』というタイトルで、
2000年1月25日発売予定です。
小説を書いてくださるのは、
飯野文彦さんという方で、
トレジャーのディレクターさんが用意された、
資料をもとに小説を書いて頂いています。
 
コミックと小説では扱う内容が少しちがうんです。
コミックは、それ用のオリジナルな話だけれども、
ゲームの内容に近いストーリーを展開します。
小説は、ストーリーを扱うには
いちばん適した媒体だと思ったので、
ゲームのストーリーと同じ部分ではなくて、
むしろゲームで展開される話より前のストーリーを
展開する予定です。
実際にゲームをやっている人にとって、
「罪と罰」の小説を読むと、
さらにゲームがおもしろくなる、
また、これからゲームをやろうとする人には、
先に「罪と罰」小説を読めば、
うまくストーリーに入り込みやすい、
そういう方向を考えています。
 
たとえば、「罪と罰」のゲームに梱包されている
説明書を読んだり、ゲームの本編をやっていくと、
おおよそのストーリーはわかるんですけど、
すべてを解き明かしているわけじゃないんですよね。
「罪と罰」のストーリーは、やっぱり謎が多くて、
100の謎があるとしたら、
ゲームをやることで半分は解決するとしても、
残りの謎は解決しないわけです。
そこを知りたいと思うユーザーの方が
やっぱり多いだろうと、考えているんです。
 
で、そういうユーザーさんは、
「ゲームの後のストーリーはどうなったんだ?」
ということでゲームの“続編”を望んでくれたり、
「罪と罰」のコミックや小説を、
欲しがってくれるのでは……と思ったんですよ。
任天堂やトレジャーさんとしても、
「罪と罰」は実はこういう設定があったんだよ、
という部分を出しやすいんじゃないか、と思いました。
特に小説は、ゲームを作った私たちスタッフが
欲しくなってるんですね。

 
山上:
僕は買いますよ(笑)。

 
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武久:
しかし、この座談会、今回が最終回ですが、
ほとんど山上の独壇場でしたねぇ(笑)。

 
──:
山上さんはずっと技術系だったんですか?
 
山上:
そうですよ。
最後にプログラムに関わったのが
「ポケットカメラ」ですかね。
ディレクターをやりながらプログラムもしてたんですよ。
でも、この座談会からもわかるように、
しゃべりのほうが得意なもんですから(笑)、
どうしてもディレクターの仕事メインになってきますね。

 
前川:
いつまでもプログラムしてるわけにもいかないですからね。

 
山上:
若いプログラマで優秀な人がどんどん出てきますから、
追い抜かされちゃうんですよ(笑)。
むしろ、プログラムは優秀な人に任せて、
自分の得意なところで、やっていくのがいいかな、と。
 
特に上司に言われたことがあるんですよ。
僕がその上司と仕事することになったときは、
まだ25歳くらいだったんですね、
だから、一緒に仕事するセカンドパーティー
(外部のゲーム制作会社)のディレクターのほうが
みなさん、年齢が上なんですよ。
でも、仕事上の立場は僕のほうが上なんですよ。
 
で、セカンドパーティーの人からしたら、
年下の者に管理されるのって、
すごくイヤじゃないですか。
それでも、なおかつ、うまくやるためには、
自分が仕事上、立場が上なのはわかってるんだから、
こちらが絶対にえらそうにしてはいけない、と。
そういう仕事のやり方を、僕の上司の姿から
自然に取り入れていきました。
 
その上司はいつも余裕の姿なんですよ。
絶対えらそうにしないんですよ。
すでに立場上のことがはっきりしてるんだから、
えらそうにする必要はないんですよ、
それをやってしまうと、
事務的なやりとりになってしまうんです。
そうじゃなくて、
相手のことを本当に思ってるんだ、とか、
自分は立場上言ってることもあるけど、
相手のことを考えて言ってるんだ、ということを
ちゃんと相手に伝えて、
お互いの利益を求めるために、
必要に応じてやってるんだよ、ということを
理解しあえるよう心がけようと。
それをずっと続けてるわけですね。
 
そういう自分もだいぶ歳いってきましたから、
当時に比べたら、初めて仕事する方たちとも
すごくやりやすくはなりましたけれども、
それでもトレジャーの前川社長とお話するとなれば、
僕よりもはるかに上の方で、
役職でも社長ですし、僕は平社員という立場で。

 
前川:
山上さん、おいくつなんですか?

 
山上:
34歳です。

 
前川:
ほとんど同じじゃないですか!(笑)私35歳ですよ。

 
山上:
え!? そうなんですか(笑)。

 
前川:
私、いつも40歳くらいに見られるから(笑)。

 
山上:
わ、すげー! 知らなかった(笑)。
失礼しました。
 
ま、そういうところで、
生意気になりすぎないように、
で、伝えたいこと、
やらなきゃいけないことを的確に伝える、
そういうテクニックを身につけるように
してるんですよね。

 
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はじめてお互いの歳を知った……
 
前川:
ウチ(「トレジャー」)がゲームを作るときは、
最終的には自分たちの望む形にしたいわけですよ、
でも、いろいろな制約が出てきたりしますよね、
「今すぐ売らなきゃダメだ!」とか。
任天堂さんと仕事して思うんですけど、
けっこう余裕があると言ったら失礼かもしれませんが、
そういう制約がなかったので、「罪と罰」は
けっこうのびのびと作れた部分があるんですよ。
満足のできる仕事ができたぞ、という。

 
山上:
それは、今回、たまたまです。
任天堂はいいゲームしか売らないですから。
「罪と罰」も、完成じたいは2000年の5月くらいでした。
でも、以前僕が言ったように、
今までの任天堂のゲームとカラーがちがってるんですよ。
そういった状況の中で「罪と罰」をどうやって売るか……、
すごく頭を悩ませたんですよね。
 
自分が担当して作ったゲームとして、
社内に売り込んでいくわけですけど、
普通に売り込んだのでは、
今までの任天堂のカラーとあまりにもちがうので、
引かれてしまうんですよね。
社内の評価も高いんですけど、
カラーという部分で、見た目の印象が
今までの任天堂のゲームとはちがいますから、
一時期行き詰まったこともあったんですけど。
社内で広げるように動き続けていたら、
「ジャンル的にも新しくておもしろい」ということで、
日の目を見るようになったんですね。
で、「これはイケるぞ!」と。

 
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武久:
「罪と罰」の発売日11月21日というのは、
私が勝手に言ってるだけかもしれないけど、
別名、任天堂の日、ということで、
去年は「ポケットモンスター 金・銀」、
一昨年は「ゼルダの伝説 時のオカリナ」という
大きなソフトが発売されてきた日なんですよ。
そういう意味で、新しい任天堂、というか、
任天堂はこういうゲームも出せるんだ!
という部分をアピールしたかったんですよね。
これは絶対に11月21日発売だと。

 
前川:
非常にありがたいです(笑)。
で、2001年の1月後半からは、
コミックと小説の後押しもあると。

 
武久:
コミックは月刊誌の連載で、とりあえず
来年秋くらいまでは続けたいと思っています。
あと、小説の評判がよかったり、
「もっと続きが読みたい」という要望によっては、
1冊にとどまらず、ということになるかもしれません。
当然、ビジネス的に成り立たないと……、
熱い思いだけではできませんから。

 
山上:
僕ら、もう「罪と罰」続編のタイトル考えてます(笑)。
そういう気持ちはありますけど、
やはりビジネスですから、
儲けが出なければ、続編の実現はありませんし、
きちっと売れて次につなげたいですよ。

 
武久:
買ってね! と(笑)。

 
山上:
だって、絶対裏切らないもの、「罪と罰」は。
たぶん、任天堂しか知らない人は、
「さすが任天堂」と思ってくれるし、
トレジャーさんしか知らない人は、
「さすがトレジャー」と感じると思いますよ。
両方のいいところがきちっと融合してて、
「こんなにうまく融合することって、あるの?」
と思うくらいに、うまくできあがってるんですよね。
だから、自信もってすすめられるなぁ!

 
(おわり)
 
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山上さんと前川さん、
2年以上も一緒に開発を続けてきて、
この座談会ではじめてお互いの歳がわかったという……。
さて、「罪と罰」は小説とコミックになって、
2001年はさらに広がっていくようです。
座談会に出てくれた山上さん、前川さん、武久さん、
どうもありがとうございました。
それでは、よいお年を!
(2000年、大晦日)



2000-12-31

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