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イメージ 「糸井重里のバス釣りNo.1 決定版!」
 〜釣りに行こう〜

 制作スタッフ座談会 その6
 よし、発売記念だ。
 裏技、いっぱい教えちゃおう。
 
 
やっぱり、実際にゲームしながらでないとね。
というわけで、今回の座談会は、後半がほとんど
「糸井重里のバス釣りNo.1 決定版!」を
プレイしながらのお話です。
「ここ、こうなんやで」って、裏技や、隠れたテクニック、
いっぱい聞くことが出来ましたよ!
 
●参加者●●●●●●●
 
●倉恒良彰さん
前作から引き続き、『糸井重里のバス釣りNo.1 決定版!』のアドバイザー。
関西在住。「釣り監修屋でございます」。実際のバス釣りと、ゲームとの差を
埋めていくのが仕事。「そう簡単にはOK出さへんでー

 
●小関昭彦さん
株式会社ダイスの社長であり、プロデューサー。
「苦情処理と、問題解決を担当しております。毎日心臓を強打されるような
問題と取り組んでおります!」と元気に語る」。

 
●サイトウ・アキヒロさん
株式会社ダイスの共同代表であり、ディレクター。
『糸井重里のバス釣りNo.1 決定版!』全体のディレクションを担当。
倉恒さんからの要望をクールに理知的に処理する二枚目。

 
●アベキ正博さん
株式会社ダイスのCGデザイナー。当時ダイス唯一の釣り人だった。
サブウインドウの魚はこの方の担当。
「あべ」は「木へんに、青」という、パソコンでは出ない字。

 
●村野嘉泰さん
株式会社ダイスのグラフィックデザイナー。
「地面、地形などのフィールド・デザインを担当しました」

 
●川原田祐司さん
株式会社ダイスのデザイナー。「サブウインドウ、タックルボックス、
3Dエフェクト、しぶき、ルアーのアニメーションなどを担当してます」

 
●能登谷哲也さん
株式会社ハル研究所所属。制作進行および、パッケージやマニュアルなども担当。
「倉恒さんと、ダイスの皆さんとの間に入るのが仕事です。ふうふう」

 
●武久豊さん
任天堂株式会社企画部の、プロダクトマネージャ。プロモーション担当。
いまも、全国を駆け回る多忙な旅人。

 
●糸井重里さん
『糸井重里のバス釣りNo.1 決定版!』の、ゲームプロデューサー。
 

 
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糸井:
いままでの話って、見えるストラクチャーとか、
湖全体の地形とかから来る話をしてるけど、
もうひとネタ、見えないストラクチャーがあるでしょ。
それを探し始めると、また、裏が見えるよね。
 


 
 
 
 
 
 
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魚探を使って湖の底を見るのだ。
倉恒:
たとえばね、長方形の漁礁が沈んでいるとするでしょ。
ボートのポジションによって攻め方がかわるんです。
魚とのコンタクトポイントを長くしたかったら、
タテ長のラインを探るようなボートポジションにする。
漁礁を横切るようにルアーを引くと、
コンタクトポイントが少ないでしょ、
それによって釣果がちがうんですよ。
漁探がリアルタイムの湖底を表示するので、
漁礁を見つけたら、東西南北に漁探をかけなおして、
漁礁の形を把握してから釣りをしたほうが、
結果も出るということなんです。

 
糸井:
このゲームってさ、理屈で言うと、
このゲームの釣りアドバイザーをしてる倉恒くんが
日本一釣れる人ってことになりますよね?
 
倉恒:
理屈ではそうなんですけど、
僕がやってもダメなんです(笑)。

 
糸井:
なんでー?(笑)
 
サイトウ:
そこはやっぱりランダムをかけてあるからです。
理論が見えちゃって、そのまま釣れちゃったら、
それはそれでつまらないので。
そうはならないように作ってあります。

 
糸井:
つまり、倉恒くんはランキングに入る自信はあっても、
トップにはなれないというリアリティーに
なるわけですか?
 
倉恒:
ええ、そうです。

 
糸井:
でもさ、東西南北に漁探かけて、
ボートポジション直して、なんてしないよね、
オレらそこまで(笑)。
 
──そういえば、先日、武久さんに
“沈船”の場所、教えてもらいましたよ。

 
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いろんな秘密を知っている武久さん。
武久:
ああ、ええ。

 
糸井:
あ、おまえだけ? ずるい(笑)。
 
──で、沈船を探ってたら、水中が映るサブウインドウで、
ルアーが沈船を斜めにトレースしたのがわかったので、
ボートポジションを直して、
沈船をタテにトレースするようにしましたよ。
水中が見えるんで。

 
サイトウ:
そういう釣りをすれば、釣れる確率は上がりますよ。
それで、このゲーム作ってるスタッフは、
そういうことして釣ってますから、
知識だけはすごいですよ(笑)。

 
糸井:
そうだよねぇ。
現実には風がバンバン吹いてるなかで
ボートの位置をキープしなきゃならないとか、
わかっててもやらないもんね。できないし。
そーんなキツいことを……もう帰る、とか(笑)。
しかし、身体がつらくないという意味では、
完全に脳だけで技術がアップするよね。
 
──めんどうくさがらなければ、
釣りでやりたいことが、全部できる。

 
倉恒:
魚のバイト(アタリ)にしても、細かい配慮があります。
秋のラバージグは食い上げ(魚がルアーをくわえて、
上に泳いでくること)、とかね。
魚がちゃんと食い上げますから。
ちゃんとやってますよ(笑)。
そういう表現ができてるってことです。

 
糸井:
あの……着水と同時に食ってくるのがあると
シビれるよねぇ〜。
さんざん釣れなくて「もうやめようかな」ってときに、
ポチャーンと着水して、バーンって魚出てさぁ、
「おわーっ大変だ!」ってミスして、
「だから油断するなって言ったじゃないか!」って、
もうひとりの自分が……(笑)。
それ、ホントの釣りじゃん。
 
アベキ:
あれはよかった。ねらいどおりだよね(笑)。
無理やり入れたんですから。

 
糸井:
あれはシビれる!
 
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この波紋を見逃すな!
アベキ:
あと、サスペンドしてる(中層に浮いている)バスが
食ってきたときは、
ラインの“波紋アタリ”とかもありますしね
(水面に波紋が出て、魚のアタリを知らせること)。
ラインをよーく見てればわかりますよ。

 
倉恒:
夏とかに、フォーリング(ルアーが沈んでいくこと)中に
サスペンドしてるバスが食ってくると、
ラインに“プン”って波紋が出ますよ。
音はでないけど、ライン見てればわかりますよ。

 
アベキ:
ワームで釣りしてると“変形アタリ”もあります。
ワームがへんな形になるんですよ。
それはワームを見てればわかります。
早い話が、魚が透明で、ワームを食ったと
考えればいいわけです。

 
サイトウ:
要はラインにテンションがかかってるときに、
バスがルアーをつつくと、
そのアタリが手元で感じられるということで、
“プン”と音を出すようにしてるんです。
一方で、ラインがたるんでるときのアタリは、
ワームがフッと変形したり、
ワームが動いたりするんですよ。
そのかわり、“プン”という音は出ませんので、
ワームやラインを見てないとわからないんですよ。
ワームの釣りはそのへんがわかるようになってくると、
がぜん楽しくなってきますよ。

 
アベキ:
このゲーム、ワームの釣りがおもしろいよね。

 
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みんないろんな苦労があったんだ。
(右から倉恒さん、武久さん、能登谷さん)
サイトウ:
ワームのほうが面白い。

 
倉恒:
あと、しかもね、
魚の演出にもいろいろオーダーがあって、
小バスと中バスと大バスと、
もっと細かい段階があるんですけど、
魚の大きさによってファイトがどうちがうか?
ちがうんですよ。
カメラの見せ方までちがってます。
ファイトにしても、動きのパターンがあるんですよ。
引き込み方とか、スピードとか、魚のドッカン具合とか。
でかい魚だとドッカンドッカンいう感じで、
小さい魚だとピュンピュン引くでしょ。
そのへんの演出をぜんぶやってあるんですよ。

 
アベキ:
でかい魚だと動きはにぶく見えますけど、
力はありますよ。
小バスは軽くてクイックな感じ。

 
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いろんな骨格の魚がいるぞ。
倉恒:
で、骨格によって重さにちがいがあります。
形もぜんぶちがうという表現もしてありますよ。
同じ47センチでも、1300グラムの魚と、
1800グラムの魚では、骨格も体高もちがいます。
で、それは釣り上げたときに、
「あれ? 細いなぁ」ってのが実際あるでしょ?
それも作ってあるんです。

 
アベキ:
ウロコの柄もちがいますよ。
何段階かあるんですよ。濃いのから薄いのから。

 
糸井:
ああ、そういわれてみればちがうわ。
 
倉恒:
で、ホントはさらに、フロリダバスとハイブリットと、
ラージマウスの違いも入れたかったんですけど、
そんなことまでやったら「アホか」ってことになるから
やめましたけど。
しかし……なんのためにやったんやろな(笑)。

 
糸井:
要するに自分がそうしたかったんだよ。
 
倉恒:
サービス満点や(笑)。

 
──あと、たとえば編集部でこのゲームやってると、
糸井さんが後ろで見てて、あーだこーだ言うんですよ。
でね、ジーッと見られてるのも変な気分なんですけど、
なーんか、釣りを見られるって、
心をのぞかれてるような気がするんですよ。
自分がどんなヤツなのかバレる(笑)。

 
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性格がばっちり出ちゃうね、
俺なんかも。
糸井:
ホントに、そうだよ(笑)。
だって、普段の釣りと同じなんだもん。
こいつ(スタッフ)は、杭が100本あったら、
1本づつ探れば、いつかいいことがある、っていうね、
農作業の釣りをするんだよ(笑)。
オレはまたダメな人で、あきっぽい釣りをするんだよ。
どんどんちがうことして、あとは休んでるみたいな。
もう出るね、性格が。
 
倉恒:
僕は、釣れないですよ。
ピンポイント派ですから、「いる」とわかって
スッとその場所に入って、釣ったら次の場所に行く
タイプですから、このゲームではなかなか釣れないですよ。
その場所に魚はいるんですけど、
ランダムがかかってるし、魚が動いてるんですよ。
最初のころ武久さんに怒られましたもの。
「倉恒さん、釣って見せてくださいよ」
「あれ、釣れへんわ……」
「なんでなんですかー!」
って(笑)。

 
武久:
自分が湖をつくったのに、
やってみたら「魚おらへんわ!」みたいな(笑)。

 
サイトウ:
ただ、いろいろな要素の組み合わせで、
この場所に必ず大物がいるという場所も
生まれてきてるんですよ。

 
糸井:
おお! いいセリフだねぇ(笑)。
 
サイトウ:
そういう場所を見つけてもらえれば大物は釣れます。

 
イメージ ──かなりピンポイントなんですか?
 
サイトウ:
ピンポイントですね。
だから、ストラクチャーがあって、
なおかつ岬の馬の背みたいな条件が重なったりという、
地形とストラクチャーの配置がたまたまいい条件で
重なってるところがあるんですよ。
そういう場所がいくつかあります。
そこであれば、今すぐにでも釣れますね。

 
糸井:
サイトウくんなら“今”釣れるんだ?
……見たい(笑)。
 
サイトウ:
まあ、すぐかどうかはわかりませんけど、
確実に大物がいる場所っていうのはありますよ。
やりましょうか。

 
糸井:
オレたちだけ覚えようナ。
 
──山タテしときましょう。
(漁師用語で、いい場所の位置を記憶するテクニック。
 船の真下がいい場所のとき、そこから見えるビルや山を
 おぼえておいて、次回も同じ場所に行けるようにすること )

 
糸井:
山タテ……(笑)。
 
(※実際にゲームでその場所を探る)
 
糸井:
なるほどねえ……。
リザーバー最深部は何メートルくらいなの?
 
アベキ:
20メートル台ですね。

 
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いちばん深度がある「ききたこ」。
サイトウ:
「ききたこ」で、30メートルくらいです。

 
倉恒:
ききたこのいちばんディープなところに、
とんでもないビッグな岩があるんですよ。
水深10数メートルのところなんですけど。

 
糸井:
神様(倉恒さん)が置いてみた?
 
アベキ:
あれは見つけるのけっこうむずかしいですよ。

 
糸井:
(バスがかかったのを見て)おわーっ! 来た。
 
倉恒:
小さい、小さい。

 
糸井:
ナイス、オダ。
(木の枝を束ねて沈めてある、漁の道具)
 
アベキ:
あ! 来たーっ! 来た来た!

 
倉恒:
これでどのくらいなの?

 
アベキ:
60(センチ)アップくらいですね。
模様がないですもの。

 
糸井:
でかそうだねぇ〜。
 
アベキ:
大将、バラしたら最悪やな。
けっこう強気な釣りしてるな。

 
(ラインブレイク!)
 
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「うわーーーっ!」
……外野のうるさいこと。
一同:
あーっ!

 
(ひとやすみ)
 
サイトウ:
このゲームの最大の特長は、
「バスが見えない」ってことですね。
ほかの釣りゲームと圧倒的にちがうのはそこですね。

 
アベキ:
そのほうが絶対おもしろいよ!
探せるじゃん。

 
サイトウ:
で、ただバスが見えないことで、
バスを探すのがイヤになっちゃうゲームには
したくなかったんですよ。
バスが見えなくても、遊んでて、
おもしろがれるようにするのが
いちばんむずかしかったですね。

 
(ふたたびゲームを始める。
 そして、またバスがかかった )

 
サイトウ:
無理にラインを巻かないで、
遊ばせとけば、ヘバってくるから。

 
糸井:
うーん迫力あるなぁ。
 
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フル画面のルアーモードが好きな
能登谷さん。
(ラインブレイク!)
 
一同:
あーぁ!

 
倉恒:
ダメだこりゃー。

 
能登谷:
私は全画面のルアーモードがすごく好き。
すごくやりやすいですよ。

 
編集部:
それはどーやってやるんですか?

 
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「ののいけ」。
ここの洞窟にお地蔵さんがいるのだ。
能登谷:
「ののいけ」の上に洞窟があって、
そこにお地蔵さんがいるんですよ。
「おおきな地図」で洞窟に行けるんですよ。
で、お地蔵さんと話をして、
全画面が水中映像になるモードとか、
サブウインドウがないモードとかに
変えられるんですよ。

 
(大きなバスがかかる)
 
一同:
うわー、でけぇ!

 
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66センチを釣り上げた、
ダイスの村野さん。やったぜ。
糸井:
66センチだよ。
そこで写真撮ろうよ。
手をそえてさぁ。
 
倉恒:
66.6センチ。

 
糸井:
いーなーぁ。
40センチでもでかいもんなぁ、本物は。
 
倉恒:
全画面モード見てみようよ。
(サブウインドウだけを全面に表示するモード)

 
糸井:
あー、これいいわ。
感じいいなぁー。
 
──この画面って、釣りしてる人が
いちばん見たい画ですよ。

 
糸井:
すごいねぇ、しかし。
「ルアーに力入れてるんですよ」ってのが
よくわかるよね。
 
武久:
このモード好きな人多いんですよ。

 
糸井:
たまんねぇなぁ。
これ、サブウインドウだけで見てるんじゃ
もったいないね。このモードいいよー。
 
 
イメージ 次回は、この座談会の続きとともに、
また別のスタッフのかたがたにも
お話を聞こうとおもっています。
どうぞお楽しみに!


2000-04-07-FRI

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