ほぼ日ニュース

ラグビーワールドカップを満喫中
たのしいぞ、ラグビー!
にわか ONE TEAM 【後半】

こんにちは、ほぼ日のひらのです。
ラグビーワールドカップがはじまってから、
こんなに毎日がたのしくなるなんて。
にわかラグビーファンのぼくらは、
会場に、テレビに、パブリックビューイングに、
いろんな方法でたのしんでいます。
ベスト8進出を決めた日本の快挙と、
世界レベルのプレーへの驚きの気持ちを
みんなで分かち合いたくて
ちいさな座談会を開いて記事にしました。
にわか仕込みな知識もたっぷりの前後半です。
さあ行くぞ、にわかもONE TEAMだ!

トミタ
オールブラックスのスカジャンを購入。
スコットランド戦は会場で声を枯らす。

杉本
秩父宮ラグビー場のグラウンドに降りて
撮影した貴重な経験を持つにわかファン。

ひらの
開幕戦をスタジアムで生観戦。
TVやTwitterでの情報収集が止まらない。

しょう
社歴は短いがラグビー歴は実に20年目。
にわかファンの味方として登場。

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【後半】にわかの応援スタイル。

にわかファンのラグビー座談会、
前半のつづきです。

トミタ
あの、私のにわか活動を話してもいいですか。
このワールドカップをきっかけに、
ラグビー選手のSNSを
フォローするようになったんだけど、
みんなすごくおもしろいと思いませんか?

杉本
ああ、わかる! おもしろい!

トミタ
選手たちがみんな、自分のことばで、
試合の前も、試合の後もツイートしているんです。
そして、海外の選手はInstagramで
フォローしているんですけど、
オフ中に何をしていたかということも投稿しています。
砂風呂に入ったり、ゴルフをしたり、
ディズニーランドに行ったりして、
サモア代表が野球のクライマックスシリーズを見たり、
しっかり日本を満喫しているんだけど、
SNSでの表現の仕方が上手でいいなあって。

しょう
ぼくが学生時代にプレーしていたときも、
外国人留学生を見ていると
オン・オフの切り替えが上手でしたね。
練習の直前まで音楽を聴いて
ヘラヘラしているのに
練習がはじまるとしっかり取り組むんです。

ひらの
日本のオフの話も見てみたいですよね。
ぼくの知っている限りでは、
堀江選手とジェイミー・ジョセフが
「たたいてかぶってジャンケンポン」
やっているっていうこの動画が最大のオフ。

杉本
えーっ、なにこれー。
たたいてかぶってジャンケンポン(笑)。

トミタ
あと、ラグビーワールドカップの
公式アカウントもすごくおもしろいんです。
いい映像とか、いいことばとか、
上手に紹介してくれるから見ちゃうんです。

杉本
選手たちの素の表情が
見られるとうれしいですよね。

トミタ
やっぱり、選手の名前と顔が
一致するようになってきたので
どんどんおもしろくなっているんです。
これ、Numberの付録についていたんだけど、
試合ごとに背番号が変わるから、
その日の背番号がわかるように書き込んでいます。

ひらの
あっ、便利な使い方。

しょう
これ、いいっすねー。
あっ、姫野選手って
アイルランド戦は6番やったんや。
あれ、じゃあそのときの試合は‥‥、
あっ、そうかマフィが8番か。
マフィがいるんやったらそうなるか。

ひらの
急にひとりで理解されてますけど、
6番と8番は何が違うんですか。

しょう
マフィは8番の専門なんで
6番のポジションはできないんです。
6番はスクラムを後ろで組む人で、
8番はいちばん後ろからスクラムを押す人。

トミタ
この冊子が薄くて軽いから
会場に持っていくのも便利なんです。
このクリアファイルに入れて
いつもカバンに入ってます。

杉本
丸だ‥‥。

ひらの
よく知ってる選手。

しょう
みなさん、お気に入りの選手はできました?

ひらの
まずはフルバックの山中亮平選手ですね。
過去2大会で代表候補に入りつつも
惜しくも選ばれなかったという
悔しさを振り払う活躍ぶりも去ることながら、
勝手ながら身内のように思っているんですよ。
ぼくらの作ったNIWAKA DE GOMENのTシャツを
愛用してくれていたというご縁から、
ハラマキ
モデルを快く引き受けてくれましたし、
以前からほぼ日手帳も使ってくれていると聞いてます。
もはや「ほぼ日」準レギュラーじゃないかって。
「サンデー・ジャポン」とか
「アッコにおまかせ!」みたいに
1回でも出てくれた人は、準レギュラーということで。

杉本
山中さん、ほぼ日ファミリーだ(笑)。
ワールドカップが終わったら、
手帳も見せてもらいたいですよね。

トミタ
私はね、開幕戦で気になった姫野選手。
最初の試合でいちばんボールを運んだのが
彼だったっていうのを聞いて、
トライする人がテレビ画面には映りがちだけど
見えないところで活躍しているんですよね。
「この働き者は誰?」と思って調べるようになったら
けっこうメディアに出ていて
注目度の高い選手なんだなって覚えました。
その上で、得意のジャッカルで
ピンチを脱出させてくれたりね。

ひらの
この大会がはじまる前まで、
「ジャッカル」って技、知ってました?

トミタ
もちろん知らない。
ディズニー映画に出てきそうな
名前だなって思ったぐらい。

しょう
ふだんラグビーを見ない人たちからしたら、
ジャッカルなんて知らなかったでしょうね。
それはもう、当然だと思います。

トミタ
あとは途中から出てきて後半からぐんっと動く
たまご泥棒さんと、
ケンキ選手ですよね。

ひらの
糸井さんが命名した「たまご泥棒」こと、
田中史朗選手。

杉本
私も、田中選手は気になってます。
田中選手が後半に出てくることで、
試合の展開がこんなにわかりやすく
変わっていくんだっておもしろいですよね。
しかも、ボールがあるところに必ずいるから、
テレビにいっぱい映るじゃないですか。
やっていることがすごくわかりやすいから、
めちゃくちゃ「働き者のたまご泥棒」なんだと思って。
日本代表の選手たちにとっても
きっと精神的な支柱ですよね。

ひらの
スコットランド戦の最後、
会場のみんながカウントダウンをしている中で
日本の選手たちがタックルをし続けて、
もみくちゃになりながらも
田中選手がうまく時間を使うようにして
ボールを扱っていたんですよね。
80分が経過したのを確認してから
シュッと渡して試合が終わるっていうね。

トミタ
幸運ながらスコットランド戦を
会場で観ることができたんですけど、
最後のあの瞬間、本当に鳥肌が立った!
あとはね、リーチ選手がタックルに行くと
会場中が一斉に「リーチ!」ってコールをするんです。
うわーっ、なにこれーって思って、
私もマネして声を枯らしてました。

杉本
リーチ選手は試合前のインタビューでも、
「ボコりたい相手」って言ってましたもんね。

しょう
リーチ選手ってすごくいい人柄なのに
わざと「ボコる」みたいな強い言葉を選ぶのが
彼らしいなあって思って。

ひらの
リーチ選手ってニュージーランドから留学に来て、
札幌のホストファミリーの
お世話になっているんですよね。
日本のお父さん、お母さんって呼んでいて、
よくテレビでも取り上げられていますけど、
選手のバックグラウンドが取り上げられるのも
関心の高さが感じられますよね。
たぶん、この大会をきっかけに
ラグビーを観るようになった人からしたら、
「なんで海外の選手がこんなに
日本代表として出場しているんだろう」
だと思うんですよ。

トミタ
だってさ、ラブちゃんなんて、
あ、私はピーター・ラブスカフニ選手のことを
ラブちゃんって呼んでいるんですけど。

しょう
ラブちゃんって。

トミタ
ラブちゃんなんてもともと南アフリカ出身なのに
前回大会の日本対南アフリカ戦を観て感動して
日本に来たそうなんですよ。

ひらの
えっ、そんなことがあったんだ!

トミタ
だから、また4年後の2023年大会には、
今回のジャパンを観て感動した若い選手が
「俺、このチームに入りたい」って思って
代表を目指してくれるかもしれない。

しょう
日本代表として出場するには、日本国籍を得るか、
おじいちゃんおばあちゃんに日本人がいるか、
あとは、日本で3年以上プレーした実績があるか、
という条件があるんです。
ただ、日本代表として選ばれたからには
母国の代表になることはできません。

杉本
海外の選手ほど、桜の重みを知っているって
よく聞くのはそういうことなのかなあ。

ひらの
ラグビー日本代表って、海外の選手も、
『君が代』をすごく大きな声で歌ってますよね。

トミタ
スコットランド戦の『君が代』は、
会場の6万人も大きな声で歌っていました。
前日の台風で開催されるかもわからなかったし、
これからすごい試合がはじまるんだって
すごく胸が熱くなりました。

杉本
この大会がはじまってから気になったことで
高野さんに聞いてみたいんですけど、
日本の応援で「ニッポンチャチャチャ」を
よく耳にすることがあって、
あれってバレーボールのイメージなんですけど
昔からラグビーの応援にあったんですか。

しょう
チャチャチャ、今回すごく聞きますよね。
ラグビーはもともと、
わりと静かに観戦することが多いから、
かけ声とかもあまり定着していなかったかも。

ひらの
五郎丸さんが糸井さんと対談したときに、
日本ならではの新しい応援のやり方が生まれるのを
期待しているっておっしゃってましたよね。
五郎丸さんも喜んでるだろうなあ。

トミタ
高野さんは日本の盛り上がりを
どう見ているんですか。

しょう
ラグビーに対して関心を持ってもらっていて、
めちゃくちゃ嬉しいですよ。
前回大会がMAXだと思っていたから、
それを超えてくるなんて。

杉本
それってやっぱり、勝っていることも
すごく大きな要素ですよね。

ひらの
結果的に4戦4勝で、
史上初のベスト8進出ですもんね。
高野さんからしたら
予選のプール戦が始まる前、
何試合勝てると思ってましたか?

しょう
アイルランドは厳しいだろうなって
正直、思ってました。
なんせ、世界2位ですからね。
それなのに1位通過ですから。

杉本
サンドウィッチマンさんのラジオでも、
ラグビーに詳しい人ほど評価が厳しかったです。
予選突破の確率を聞いても、
「うーん、よくても五分五分です。
それ以上はちょっと言えません」みたいな。

ひらの
中竹さんもすごく慎重でしたよね。
立場上、調子のいいことは言えないから、
「結局、全部が勝負です」みたいな。
予選プールを終えてみて、
いまのジャパンがやっていることって、
スポーツの歴史で考えてみても、
本当に稀なことをやっているわけですよね。
歴史が動いている場所に立ち会っていると。

しょう
ここ2大会のジャパンでは
半年以上の時間をかけて準備して、
本気で取り組んで結果を出しています。
応援しているぼくらからしても、
意識の変化は嬉しいですよね。

ひらの
4年前のエディージャパンで
大きく変わったわけですか。
「JAPAN WAY」でしたよね。

しょう
理不尽って言われるほどの練習を
今までやってきたことで勝てた、
という自信が強さにつながっている気はします。
しかも4年後には日本での
ワールドカップ開催も決まっていましたし。

トミタ
今回も相当練習をしているんですよね。
「犠牲」っていうことばを
こんなに聞くなんて思いませんでした。
最後にトライを決める人は一部だけど、
そこまでにオフロードパスが連続で行われたりとか。

ひらの
トライを決めた選手よりも、
まわりの選手のほうが喜んで駆け寄ってくるのが、
見ていて気持ちいいんです。

杉本
ベンチにいる選手たちも飛び跳ねて
喜んでるのもいいですよね。

ひらの
控えている選手もそうだし、
代表に選ばれなかった人たちも
「ONE TEAM」の一員なんですよね。
ほぼ日手帳の公式ガイドブックに
出てくれたことのある布巻峻介選手が、
最終候補にまで残っていたんですけど
31人のメンバーに入れなかったんですよ。
今大会ではJ SPORTのゲスト解説として
スコットランド戦の解説をしていました。
ところがですよ、日本が試合に勝つと
布巻さんは席を立って
グラウンドに降りていっちゃうんですよ。

トミタ
えーっ、解説なのに許されるんだ!
布巻さん、たまらなかったんだろうなあ。
スタッフもいい人たちなんだね。

ひらの
グラウンドにいる選手たちは笑顔で受け入れて、
布巻さんがめちゃくちゃ泣いているんです。
Twitterでは「涙の仕事放棄」って呼ばれていました。
だから試合後に撮った集合写真に写っている。
そんなシーンに駆け寄れるなんて、
一生に一度のことですもんね。

杉本
スコットランドファンのお客さんも、
試合前から観客席で泣いてましたよね。
この試合で決まるっていう緊張感が
そうさせるのかな。

ひらの
高野さんは、自分が泣くような試合って
経験したことはありますか。

しょう
高校最後の試合は泣きましたね。
このチームでラグビーができるのも
これで最後なんだっていうのが強かった。
あと、監督がめっちゃ怖くて嫌だったのに、
最後の試合はすごく優しいんですよ。
おいおーいって泣いちゃった。

ひらの
高校サッカーの全国大会を見ていても
試合後のロッカールームは
選手がみんな泣いてますよね。
そこで話す監督の言葉が
その後の人生の支えになったり。

トミタ
ロッカールームは聖域だね。
いっぱい涙が落ちている。

杉本
ロッカールームといえば、
日本代表の選手たちのロッカーには
選手それぞれに向けられたメッセージが
貼られていることを、
試合前のテレビ中継で知りました。
簡単に作られた書類や
手書きのメモみたいなものじゃなくて、
ちゃんと代表仕様にデザインされているんですよ。

ひらの
ジェイミーは詩人ですよね。
アイルランド戦の試合前に詠んだ俳句、
田村選手が教えてくれましたよね。
「誰も勝つと思ってないし、
誰も接戦になるとも思ってないし、
誰も僕らがどれだけのものを犠牲にしたか分からないし、
信じてるのは僕たちだけ」

杉本
代表合宿で自分の部屋に
甲冑を置いたりとか、
日本の文化を大事にしたりね。

トミタ
エディージャパンのときには
あれをやれ、これをやれっていう
指示を待つようなチームだったけれど、
ジェイミージャパンでは、
選手に考えさせることで
チームが一時期バラバラになることもあったけど
言葉のやりとりといい、選手の吸収力といい、
すごく円滑になってますよね。
まあこれもテレビの情報なんですけど。

ひらの
だいたいテレビが教えてくれますからね。
でも、選手の背景みたいなことを
こうしてみんなが語りたくなるっていうのは
いい大会だってことですよ、きっと。

トミタ
メディアからの情報もうれしいし、
ラグビー経験者の人たちの
親切な発信にも助けてもらってますよね。
長くラグビーをやってきた人たちが
すごくオープンになっていて、
にわかを歓迎してくれているのが
私たちにも伝わってきているんです。

しょう
ラグビーをやってる人たちも、
めっちゃ嬉しいんですよ。
「ラグビー」って口にしてくれるだけで
ぼくらは嬉しいんですから。

ひらの
ワールドカップが終わった後の
トップリーグの試合なんて、
めちゃくちゃ混雑しそうですよね。
チケット、取れるのかな‥‥。
けっこう話し込んじゃったんですけど、
最後に高野さん、日本は準々決勝で
南アフリカを相手に勝てますか。

しょう
南アフリカ戦、ぼくは観に行けるんです。

杉本
えーーっ、すごい!

しょう
趣味でラグビーファン向けのアプリを作っていて、
そのアプリのおかげでラグビーチームができて
そこで知り合った人に譲ってもらったチケットが
プラチナチケットに化けたんですよ。
日本が1位通過してくれたおかげです。

ひらの
勝てますか?

しょう
いやっ、あのっ、ぼくはもう
勝敗を考えないようにしていて、
これ以上考えすぎちゃうと、
ちょっともう、勘弁してください。

ひらの
ぼくはね、勝つつもりでいます。
にわかファンはそのあたりが自由なので、
無責任に勝つよって言えちゃうんです。

トミタ
にわかですから。
直前のテストマッチでは
勝ちを譲ってあげただけです。
今回は借りを返してくれるはず。

杉本
この試合、すごくドラマチックですよね。
前回大会での大金星があって、
今回は南アフリカも
絶対に油断なんてしないですよね。
その上で試合が観られるなんて。

トミタ
私の拠り所としては、
ワールドカップがはじまる前から、
五郎丸さんが「優勝する」と言ったんです。
南アフリカに勝って
「奇跡じゃなく、必然です」
と言ったあの五郎丸さんがですよ。

ひらの
調子に乗ってうまいことを言いそうにない
五郎丸さんが優勝って言いましたか。
それならあとは現地に行く高野さんに、
ぼくらの期待をすべて託します。
テレビで観るぼくらも、全力で応援しましょう。
にわかもONE TEAMです。
ということで、座談会はこれにておしま‥‥
あっ、いや、これにてノーサイドです。

(これにて、ノーサイド!)

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