ニュースのご近所。
あの出来事、近くで見るとこんな感じ。

第94回 海外泥棒事情。


こんにちは!

去年末の「カナ式ラテン生活」には、
カナさんがスペインで泥棒に遭ってしまったことで、
ほんとうに、たくさんのメールをいただきました。

今日は特別に、そんなメールの中から、
「海外で泥棒に遭うということ」に注目して、
たくさんのおたよりを、ご紹介したいと思います。







・私はアメリカの「シリコンバレー」と呼ばれる
 サンフランシスコの南に住んで5年になります。
 いつもカナさんのコラムを、
 同じ外国に住む日本人として、楽しみにしています。
 フラメンコを習っている私にとって、
 スペインは憧れの地。
 カナさんの生の情報に「はー、そうかあ」と、
 いつも楽しいのと同時に考えさせられるものがあります。
 (ちなみにうちのお父さんはマドリッドの公園で早朝、
  首絞め強盗にあいました。幸い、気を失っただけで、
  体は無事でした。お財布はさようならー……)
 「泥棒に入られた!」話、とても大変でしたね。
 「スペインの全てが嫌いになりそうになった」
 という気持ち、なんとなく、想像がつきます。
 私もいわれのない人種差別を受けたり、
 100%相手のミスでおこった交通事故で
 新車をぶつけられて、謝罪も何もなく、
 全ての処理をあらゆる方面で
 自分でしなければいけなくなった時、
 「アメリカなんて!!」と思って悔しくって
 ベッドの中で声を殺して泣いてたりもしました。
 (お金を払っている保険会社も、毎日しつこく電話して
  文句を言わないと何もしてくれなかったです)
 そしてこういう経験をしている人は
 結構まわりにたくさんいます。

 文句を挙げれば、きりがないですよね。
 でも、やっぱりいいところもあるんですよね。
 わたしも幸いにも命に別状はなく、
 健康に暮らしていけているわけです。
 その時はとっても辛くて、悔しいですが、いろんな経験が、
 きっと人生のこやしになってくれるでしょう。
 (と、自分に言い聞かせる。ははは)
 昔、近所のスペイン人のおばさんが、
 打ちひしがれている私に、
 「つらかったら泣き崩れてもいいのよ。
  でも、ずっと地面に這いつくばっていてはだめ。
  ひとしきり泣いたら、立ち上がりなさい。
  自分の足で立ち上がるのよ!」と言ってくれました。
 たまに落ち込んでも、
 その言葉を胸にノロノロと立ち上がる私です。
 (み)



・泥棒事件には私も同じような経験があり、
 思い出して涙してしましました。
 バンクーバーに留学していた4年前のことです。
 日曜日、ホストファミリーのお父さんとお母さんは、
 下の子のホッケーの試合を観に行っており留守でした。
 家にいたのは私と上のお兄ちゃんの2人。
 私は1Fの自分の部屋から2Fのリビングに
 ノートパソコンを持ってあがって
 CDを聞きながらメールを打ってました。
 そのうち、お兄ちゃんとビデオを観ることになったので
 そのままパソコンを2Fに置いたままにしておこうか、
 部屋に持って行こうか悩んだ末、
 部屋に片付けに行きました。
 とてもこんな恐ろしいことが起こるとは思えないほど、
 天気の良い日曜日の午後でした。

 私はビデオの合間も、
 何度か部屋とリビングを行ったり来たりしてました。
 夕方5時過ぎに、お父さん、お母さん、
 下の子が帰って来て、夕食前に
 メールのチェックをしようと思い部屋に入ったのですが、
 「あれ?私何しに来たんだっけ?」
 と、何をしようとしてたのか思い出せなくなり、
 もう一度リビングへあがって考え、
 「あ、メール、メール!」と、また下に降りました。
 そして部屋に入って気付きました。
 置いたはずのパソコンがない!
 ビデオを見る前に確かに片付けたはずなのに、
 無いのです。

 よく見回すと、机の下にACアダプターと、
 モデムの線だけがありました。
 そして、お父さんに借りてた
 10枚ほどのCDも机の上から消えてました。
 恐ろしくなって、慌ててリビングへ上がり
 みんなに状況を伝えました。

 しばらくして警察官が2人来ました。
 犯人は私の部屋の窓から入ったようです。
 玄関の鍵はかかってましたので。
 部屋の窓には鍵という鍵は無く、
 木の棒をサンに置いて、
 つっかえ棒のようにする仕組みでした。
 その代わり、部屋の内側の窓の周りには
 外からはゼッタイ開かないように
 カスタマイズされた格子状フェンスが
 取り付けてあったのです。

 その日の午前中、私は掃除をして、窓を開け、
 リビングに上がる前には窓を閉め、
 つっかえ棒をしようかどうか迷って、
 フェンスがあるから大丈夫かなと思い、
 つっかえ棒をしないで上にあがったのでした。
 それが間違いだった。
 泥棒は窓の網戸をナイフで破り、
 外からは開かないはずの
 フェンスも開けて侵入してました。
 警察は、フェンスの構造を良く知ってる人じゃないと
 外からは入れないと言ってました。
 犯人は顔見知りじゃないか・・・と。
 泥棒なんて日常茶飯事だから、
 事件としてあまり深刻な扱いはされません。

 よく調べたところ、盗られたものは
 財布から現金80ドル、カメラ
 (バースデーパーティーのフイルムが入ったまま)
 時計(とても大事な時計だったので悲しい...)、
 CD、パソコンでした。
 その日から数日間は怖くて眠れませんでした。
 もし犯人にばったり会っていたらと考えると、
 怖くて怖くて涙が止まりませんでした。
 家に居ながらこんな目にあうなんて
 想像もしてませんでした。
 でも、ほんと物はまた手に入る。
 命が無事でよかったと思います。
 (匿名のかた)



・日本は埼玉に生まれ育ち、
 カナダに14年間住んでいるものです。
 泥棒に入られたそうで、お気の毒です。
 私の住んでいるところはスペインに比べたら
 ずっと治安も良くって、人種のモザイクと呼ばれる
 カナダは東洋人の移住者もかなり多いので、
 多分カナさんがそこで日本人として
 頑張っていることに比べたら、
 ここは日本人である私達にとって
 天国のように住みやすい国だと思います。
 先日、日本から飛んできた父親とマドリードで落ち合い、
 10日間ほどスペインとイタリアを旅行してきました。
 これが初めてのヨーロッパ旅行だった父は
 想像以上に喜んでくれ、
 特にイタリアが気に入っていました。
 
 旅も順調にすすみ、やれやれあと悲しいかな
 旅も2日で終わり、という晩に父親がSol駅近くの
 El Corte Inglesデパートの入り口付近で
 2人組のスリに遭ってしまいました。
 右後ろから故意に足を蹴られ、
 かがんでズボンをはらう振りをする男に振り向いて
 "No、No!!” と行ってる間に
 バーンと別な男に左側から体当たりされ、
 八の字方向へ走り去る男達にアゼンとしたのも束の間、
 ポケットを探ると財布がまんまと盗まれてました。
 初めて父親と別行動をとった、
 たった1時間の間に起こってしまった出来事で、
 73歳の父親は、日本でハイキングをするのが趣味で、
 山登りとなったら私より息を切らさず登って行けるほど
 元気なお年寄り(?)なのですが、
 カナさんのおっしゃるとおり、やっぱり
 平和が当たり前な国に住んでいるので、
 ターゲットにされてしまったこと、
 まんまと相手の思い通りに
 スリが成功してしまったことに
 どうにもこうにも納得がいかず、其の後、
 日本料理店へヤケ酒を飲みに行かずには
 いられないほど悔しがってました。

 でもほんと、悔しいですよね。
 世の中どこでも悪い奴がいるもんです。
 住民でありながら、日本人であるために
 スリや強盗のターゲットにされやすく、
 町を歩く度に緊張しなければならないと
 以前カナさんがおっしゃっていたのが、
 今回の出来事でよーくわかった気がします。
 同じ海外でも私の住んでいるところでは
 全くしなくていい心配をしながら、
 頑張って生活しているカナさん、
 これからも元気でパワー全開で
 楽しいスペイン気質を語ってください。
 (は)



・私も同感!!
 同じ思いをしたことがあります、何回も。
 なぜかというと私はパラオという
 南の小さい国に住んでいます。
 命を狙われることはないと思うけど
 ドロボウが多いのよね。それも身内の。
 夫はパラオ人、こっちは大家族だから親戚もたくさん。
 家は夫とプードルと私の3人家族だけど
 近くに住んでる親戚がたくさん遊びにきます。
 いつもニコニコしていい子だなって
 信用してた子がやるのよね。
 いつも盗られ損という
 どうも納得できない結果になってしまうのだけど。
 パラオが好きで日本人が持ってないものを
 たくさんもってるパラオ人が好きで
 こっちにきたのに、私も誰を信じればいいのか、
 私はこのファミリーに歓迎されない人間なのか・・・・
 と人間不信になりそうな時期もあったけど
 そんなとき夫のニクソンが
 「Smile がいちばん強い。
  何があっても笑顔でいれば泥棒は恥ずかしくなるよ」
 といってくれていつもの自分にもどることができました。
 これからもいつも笑顔でがんばらなくちゃ!
 実は今朝も日本から母がもってきてくれた
 おいしいワインが誰かに持っていかれたことに気付いて
 悔し泣きをしたばっかりなの。
 こちらでは毎日が貧乏生活なのと、
 ワインが高くてめったに私は買えない。
 だから本当に悔しかったのよねー。
 長くなりましたがこれからも
 「カナ式ラテン生活」を楽しみしています!!
 海外生活って日本では考えられない事がよくおこるけど
 楽しいことの方が多いよね!!
 (パラオ在住S)






最後の「いつもいい子だなと信用してた子が」って所が、
すごくリアルだなぁと思いました。

今回の変則的な「ニュースのご近所」は、いかがでしたか。
では、また、次回まで。

さまざまな、日本国内や海外からの
ニュースのご近所のおたよりは、
件名を「ご近所ばなし」として、
postman@1101.comまで、ぜひどうぞー!!!

2003-02-01-SAT

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