ニュースのご近所。
あの出来事、近くで見るとこんな感じ。

第79回 警備員として、マスコミに接触。


みなさん、こんにちは!

週末にも、こちら「ニュースのご近所」宛ての
おたよりを、いくつかいただいておりましたので、
さっそく、紹介させてもらいますね。

今日は、ぜんぶで5通。
体験ものから、気軽なもの、すこしシリアスなものまで、
いくつかお届けしたいと思います。

まずはじめは、マスコミに深夜に取材された、
という、警備員の方からのメールを、お読みください。







・訃報記事関係の方のメールを拝見しました。
 私は警備員をやっています、
 かなり大きな会社の本社でして
 社名をいえばみなさんご存知のところだと思います。
 じつは、夜中の電話は私たちが対応するんです。
 ことし、この会社の創業者が亡くなりました、
 夜中の3時ぐらいにマスコミの方から
 たくさんの電話がかかってきましたが、横柄ですね‥‥。

 私たちは会社の人間でないので、詳細はわかりません。
 その旨、説明してわかってくれる人も
 もちろんいるのですが
 「何で知らないんだ!」とどなるひと
 「今すぐわかる人と連絡をとってください」
 と無理をいうひと、なんとなく
 「俺たちは第4の権力者様なのだから聞かれたことには、
  すみやかに嘘偽りなく答えて当然なのだ」
 って思ってるのかなぁと感じました。
 次の朝、新聞を見てみるとその記事がありました。
 顔写真はついていますが、
 たいして大きく扱っているわけでもありませんでした。
 「こんな扱いならあしたでもよかったんじゃないの」
 と同僚が怒っていました。
 警備員というのは、ヘンな人や、おかしな人と
 たくさん接する仕事ですから、
 多少のことではびっくりしなくなりましたが
 マスコミの取材の材料になるのは、
 はじめてでおもしろかったですよ。
 「新聞記事ってこうやってつくるのか‥‥ふ〜ん」
 と思いました。
 (V)






たしかに、警備員さんは、いろんなタイプの人に接して、
「いや、ここからは入っちゃだめですよ」
などと言うのが仕事ですから、
ふだんにない体験も多くなるのでしょうね。
きっと、このひとつの体験も、
新聞記者の方の取材の、一端をあらわしているのでしょう。

次は、
「ニュースが、現実をすこしずつ変えていく」
ということについての、3通のメールをご紹介しますよ。







・8月31日「ニュースのご近所」で
 「有機大豆の不祥事の会社が、うちの会社だった」
 という話を載せていただきました。
 あれから2ヶ月。リストラの嵐です。
 会社の業務縮小でうちの部が
 お取り潰しになってしまいました。
 別の部署への異動は無理(仕事がないらしい…)なので、
 解雇、という形になるかと思うのですが、何と、
 会社の都合で失業保険は3ヶ月後にしか出なさそうです。
 入社して2〜3年のぺえぺえに退職金など出るわけもなく、
 無一文で放り出すわけですよね。
 もしいい仕事が見つからなかったら、
 この先3ヶ月どうやって暮らして行くのかなぁ。
 当面の生活のために、バイトでもするしかないです。
 (ナル)



・金曜日に議員が刺殺された世田谷の事件現場から
 歩いて10分の所に住んでいます。
 きのう(事件当日)は、勤務先に小学校から
 携帯で電話がかかってきました。
 「殺人事件がおきたのですぐに長男を迎えに来て」
 とのこと。事件発生1時間半後のことです。
 下の子は保育園です。保育園は全員親が働いていて
 引き取りに行けないことがわかっており、連絡はなし。
 ただし、終日室内遊びのみで
 門には保育士さんが夕方7時の閉園まで
 交替で立って開閉していました。

 ちなみにこの保育園は正門があるのですが
 大阪の小学校の無差別殺人があってから使用禁止に。
 鍵が3カ所も付いためんどくさい裏門が
 通常使用場所になりました。
 小学校も、先週は近所で変質者が現れたため
 単独下校が禁止になったばかりです。
 なんだかひとつ事件があるたびに
 生活や習慣を変えることを余儀なくされるような‥‥。
 子どもの安全を守るためにしょうがないのかな。
 (し)



・海外にいると、けっこう危険を身近に感じられます。
 イギリスはIRAの問題かかえてますし。
 9月までアイルランドに住んでいたのですけど、
 8月に北アイルランドに旅行にいったとき、
 北アイルランドの旗でなく、
 イングランドに王国の紋章がついた、
 たぶんRoyalFlagというものが
 道々に飾られてあったのがとても印象的でした。
 とくに危ないことはなかったのですけど、
 鉄条網で囲まれた軍の施設がたくさんありました。
 パトカーはまるで装甲車のようでした。
 いまいくと、とても緊迫していると思います。
 北アイルランドの自治権とられてしまいましたし‥‥。
 イギリスも10年前に比べて治安が
 だいぶ悪くなったらしく、10年前ならともかく、
 「子供は外で遊ばせない」
 とフラットのオーナーがいってました。
 本当に道で子供が遊んでないんです。
 石蹴りも缶けりもなんにもありません。
 (ま)






不祥事が起きたら、リストラが増え、
物騒な事件が起きれば、子どもの遊び場は減る。
それがかなり行くところまで行っているのが、
イギリスからの方のメールなのでしょうね。

最後は、すこしのんびり目に、
昨日の日曜日にいただいたメールを、お届けします。







・いつものように歩いていると、
 おまわりさんや私服の警官が、
 駅に近づくにつれて増えていきます。
 そういえばなんとなく人も多いような気がしました。
 駅前のロータリーの上の歩道橋は
 下が覗けないようにロープが張られています。
 前を歩いていた人たちが警察官に尋ねていたので、
 近くに寄ってみると、どうやら、
 「今から皇太子ご一家が御料牧場へ行かれるために
  宇都宮駅で車に乗られる」とのことでした。
 警察官も多かったですが、私服の警察官
 (腕章をしているのですぐわかる)も多かったです。
 テレビで何回もみたように
 日の丸の旗を持った人も多く見られました。
 昔は、近くの町内会の人には配られたそうです。
 婦人警官に「何時頃いらっしゃるのですか?」と聞くと
 あと30分程で、お車に乗り換えて御料牧場に向われると。
 「まだ、新幹線が着いていないんですね」と言うと
 もうすでに、到着されていて、ご休憩中とのことでした。
 新幹線の構内にご休憩できる場所が
 あるなんて知りませんでした。
 「あのあたりで、お車に乗られますよ」
 と親切に教えてくれた方向には
 すでに黒山の人だかりでした。
 朝の7時頃からまっているそうな。
 ちなみに、お車に乗り換えの時間は16時です。

 出張帰りのサラリーマンや、いろいろな人が
 警察官に何事かと尋ねていましたが、
 一様にみんな笑顔で親切に答えてくれていました。
 殺気立っているのはロータリーに
 車を入れないようにしたり、
 交差点で車を止めたりする係の警官でした。
 私服の警察官の方が目つきはするどかったです。
 こちらにいる間しか、そんなチャンスはないと思い
 買物で膨れ上がった「紙袋」を肩から下げて
 少し離れたお車が曲がるところの
 最前列で待ってみました。私服の警官が
 「あまり前に出て、進行を妨げると、
  ほにゃらら妨害で罰せられるから気をつけてね」
 と言っていました。
 「ここはさっと通りすぎちゃうけど、いいの?」
 とも。

 お車の数分前に、パトカーや警護の人が乗った
 ワゴン車が同じルートを走ります。
 ワゴン車から、まわりを監視しながら通って行きます。
 しばらくして、まわりで「来た!来た!」と言う声。
 交差点をこちらに向ってたくさんの車が‥‥
 でもどの車だかわからないでいると、隣のおじさんが
 「銀色の車だよ」って教えてくれました。
 そして、あっという間にこちらに曲がってきた時に
 ‥‥見えました!
 フロントガラス越しに、夕陽に照らし出された、
 雅子さまと愛子さまが、見えました。
 こちらに曲がった時には、窓が開かれていて
 雅子さまがにこやかに、お手を振っていらっしゃいました。
 そのとなりに、愛子さまも見えました。
 そして、あっという間に、人々は散り、
 交差点は、もと通りになりましたが、
 中心街は渋滞がしばらく続きました。
 ここの人々は自分の身近な人のように、
 皇太子ご一家を迎えている感じがしました。
 ここへは、転勤で来てすぐの強盗殺人事件や、
 ナベサダさんのお兄さんの事件など
 物騒なことばかりだったけど、
 このご近所体験はよかったなあと思いました。
 (sho)






つかのまの、ちょっとした楽しみを、
メールでお届けくださいました。
警察の人たちの、配置場所やそれぞれの役割を
とくにじっくり見られていたのですね。

では、次回のこのコーナーで、また、お会いしましょう!!


さまざまな、日本国内や海外からの
ニュースのご近所のおたよりは、
件名を「ご近所ばなし」として、
postman@1101.comまで、ぜひどうぞー!!!

2002-10-28-MON
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