ニュースのご近所。
あの出来事、近くで見るとこんな感じ。

第76回 アメリカで『The Ring』が上映。


みなさん、こんにちは!

鈴木光司さん原作の『リング』がハリウッド版になり
この18日からアメリカで公開されはじめたようですが、
アメリカに住んでいる人から、さっそく、
「観たよ!」というメールが届いたんですよー!







・早速ですが、The Ring、観てきました。
 すごい怖かったです……。
 観終わってから時間がたって、
 どんどん怖くなってきました。
 もう、怖くて一人でトイレに行かれません(泣)。
 そういう風に計算して作ってあるみたいですね。
 カット割とか、効果音とか、メイクとか。
 流石というか……えーん。
 こちらでも、「今年一番怖い映画」という評価です。
 口コミで広がるタイプじゃないでしょうか。
 Samara(貞子)が井戸〜モニタから
 出てくるシーンは、みんな怖かったみたいで、
 劇場のあちこちから悲鳴が上がっていました。

 ドアの隙間から水が流れるシーンが
 多用されているんですが、
 映画が終わった後にトイレに入ったら、
 隣の個室から水が流れ込んできました。
 隣、誰もいなかったのに……。

 日本では11月2日に公開です。
 十分楽しめると思うので、是非ご覧になってね。
 (人に勧めれば自分が呪いから
  開放されるような気がしている私でしたっ)
 ではでは。
 (さ)






アメリカでは、全米映画興業収入で
この『リング』が初登場第1位だそうで、
いまちょうど、ニュースな映画みたいです。
日本の『リング』で言う「貞子」は、
「Samara Morgan」という女性なんだって。
アメリカで、
「サダコ・ビデオ・コワイ?」
と聞いても、どうやら通じないみたいですね。

さて、この欄では、以前に
「大工のかみさん」からのメールをいただいて
けっこう話題になりましたが、今度は、
「畳屋のかみさん」からのメールが届いたんです。
同じ時期にとどいた、葬儀業界のかたのメールと
一緒に、ご紹介させていただきますね。

「いろんな職業シリーズ」です。







・こんにちは。今、熱海では大きな虹が出ています。
 なんだかほ〜っとしました。
 …その反面、わたくし「畳屋のかみさん」は、
 年末の仕事を考えながら
 「ほれ、気合をいれなよ!」
 の合図だ、とも思ったりしています。
 熱海は年末年始のお客さまがたを迎えるために、
 ホテル・旅館・寮などの多くが畳替えをします。
 限られた期間内に仕上げなければならないので
 他県からの<応援・職人>をたのみます。

 どんなにがんばったところで、
 私が畳を担げるわけではないので
 うちにきてもらえる職人には
 ありがたい気持ちでいっぱいです。

 昔は食事の世話もしていたのですが
 今はお弁当を頼んでいます。
 年末まで住み込んでもらいますので、
 掃除・洗濯・寝具の世話、そして
 朝食の味噌汁を作っておくこと、が母の担当。

 母の仕事が終わると、
 今度は私がお弁当を現場に届けます。
 あちこち飛びまわっている旦那は
 「留守電にはなるべくしたくない」意向ですので、
 母が戻った時点でバトンタッチとなり、
 わたしが出かけます。
 そうです、「お3時」も用意して!

 が、このご時世…
 「本年もよろしくお願いします」
 では通りそうもないことが多々あります。
 「ほら〜、こんなに安い値段で
  見積もりきているんだよ。どお?」
 担当の方にいわれるとそりゃ〜もう…びくっ。
 大手の<大量受注>攻勢です。

 旦那は
 「でもこうやって先方が教えてくれるのは
  ありがたいこと。仕入れから考え直せば、
  なんとかできるんじゃないかな?
  地元業者だからできるケアも、ポイントにしてさ」
 と。なるほどねぇ…あ、
 関心している場合じゃないか。

 そういう季節をむかえました。
 今年来てくれる職人さんの中に20代の人がいます。
 親子二代で来てくれることになりました。
 ありがたいことです。
 彼のことを思うとがんばらなくちゃ!ですね。
 さて、母上、布団は「8組必要」ですのでよろしく☆
 (s)



・葬儀業界で働いています。
 私の幼いころから両親が葬祭業に従事していたので、
 葬祭の世界は私にとって身近なものでした。
 私個人の仕事は主に、
 葬儀を行われる遺族の方のお世話です。
 大切なひとを亡くし、憔悴しきっている
 ご家族に代わってお客様をお迎えするのが仕事です。
 接客業ということになるのですが、
 お店やホテルと同じマニュアルでの
 接客というわけにはいきません。

 まず、過剰な笑顔を作ってはなりません。
 接客に笑顔は不可欠ですが、ここはご葬儀の場。
 一日中ニコニコしているのも不自然です。
 かといって、いわゆる「お通夜のような」顔で
 お客様をお迎えするのもタブーです。
 私がこの仕事を始めたとき、
 どんな顔でご遺族やお客様に声をかければいいのか、
 ずいぶん悩みました。
 お茶を出す時、ご案内をする時、ご質問に答える時、
 私は迷った末「微笑」を覚えました。
 悲しい顔をしてはいけない、無表情ではいけない、
 笑ってはいけない、というのが
 これほど難しいのかと痛感します。

 数年前母を亡くした時に、
 私自身が彼女たちのお世話になりました。
 遺族の説明を父とともに聞きに行かねばならない時、
 彼女たちは疲れて座り込んでいた私に
 お茶を出してくれました。
 ほんの少し微笑みながら、何も言わずに。
 湯呑みを受け取った私は立ち上がることができず、
 熱すぎずぬる過ぎないお茶の温度に
 張り詰めたものがほどけて涙しました。

 あんな顔がいつかできるようになりたい、
 と今、私は目標を持っています。

 葬儀業界は厳しい世界だと思います。
 その世界だけに通じるしきたりや作法も厳しいですし、
 通常ではない心理状態の
 お客様をお迎えするわけですから。
 ですが、どんなにつらい場面に遭遇しても
 「ありがとう」とご遺族にただ一言を言われたら、
 それだけでこの仕事を選んでよかった、
 という気持ちになれます。

 私の仕事場には
 毎日、亡くなった方とご家族が来られます。
 亡くなってからの
 出会いしか果たせない「お客様」でもあります。
 淡々と仕事をしているように見える
 葬儀会場にいるスタッフも、実は
 さまざまな思いを胸に秘めて今日も仕事をしています。
 (ひ)






年末年始が、畳屋さんにとっては、
「かきいれどき」なんですね。
畳屋さん、畳屋さんのおくさん、
畳屋に泊まって仕事を手伝いにくる職人さん、
畳の受注をしてくれる業者さん、旅館の人……。
お話のところどころに、
現在の不況の折でのさまざまな人の姿が、
うかびあがってくるようだなぁと思いました。

そして、葬儀業界のかた。
一生懸命仕事をしている様子が、うかびました!
メールをありがとうございました!!!

この「いろんな職業シリーズ」は、
今後ぜひ、つづけていきたいと思いますので、
「ふだんは焦点あてられないけど、こういう仕事してます」
「うちのだんなはこういう仕事をしてがんばってます」
などなど、ぜひ、お知らせくださいませ!

では、次回のこのコーナーで、またお会いしましょう。


さまざまな、日本国内や海外からの
ニュースのご近所のおたよりは、
件名を「ご近所ばなし」として、
postman@1101.comまで、ぜひどうぞー!!!

2002-10-23-WED

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