ニュースのご近所。
あの出来事、近くで見るとこんな感じ。

第65回 台風のご近所、千と千尋のハリウッド。


みなさん、こんにちは。

戦後最大級と目された台風21号。
すぎさったあとに、
「わたしのところは、こうだったよ」
というメールがいくつか届いていました。

今日の「ニュースのご近所」では、
まず、そのメールをご紹介していきましょう。







・台風21号の到来を、私はもろに感じました。
 ……16時間以上に及ぶ停電で。
 我が家は、千葉県の太平洋側、九十九里ですが
 昨夜8時半過ぎから、停電しはじめて
 途端に原始生活の開始。
 見ていた「物まね王座決定戦」は
 山本リンダの直後に消えてしまい、
 TVの浮かれようとのギャップに物悲しくなりました。
 ライターをかざしながらろうそくを探しに行った父が
 食卓にろうそくを置くと、ばあちゃんは
 「ロマンチックじゃ〜外国の食卓のようじゃ〜」
 とはしゃぐ始末。
 いくらなんでも、外国では金鳥蚊取り線香の
 缶のふたにろうそくは立てないはずです。
 そして今日の午後まで停電が続き、町の信号は付かず、
 町全体が静かな1日でした。
 通りには、停電と台風によって散った瓦やトタン、
 看板の破片を見て呆然としている町民がちらほら。
 みんな、多分戦後最大をなめていたのでしょう。

 が、しかしこの現代で、停電がこんなに続くのは
 私はとても驚きでした。
 電池、ろうそくは仕入れた方がよさそうです。
 (み)



最大最強の台風の中、私は
 ディズニー・シーで遊び倒してきました。

 休みを取って、ホテルも予約してしまっていた私たち。
 「戦後最大規模」の予報も聞かなかったことにして、
 朝からディズニー・シーに行きました。
 午前中から雨模様だったけど、修学旅行もいれば、
 家族連れもいて、みんな傘をさしたり
 合羽を着込んだりして遊んでました。
 私たちも早速レインコートを買いました。
 都民の日にもかかわらず、
 さすがに入場者は少なかったようで、
 一番長く並んでも20分から30分くらいだったかなあ。
 「シーなんだからいつも濡れてると思えば一緒」
 と腹をくくってしまえば、
 アトラクションはすいていて乗りまくれるので、
 何だか得した気分。
 夜になってからは、まったく人が並んでないので、
 人気アトラクションでも走って
 3回連続で乗ったりできました。
 が、さすがに夕方以降風雨ともに強まり、
 暗くなってからは傘もさせないほど。
 遊園地中の木がざわざわと唸り、
 人っ子一人いない小道に迷い込んだときは、
 嵐のジャングルに入り込んだようで恐ろしかったです。

 これは、どんなお化け屋敷より怖かった。
 上陸時間前後には、スタッフの方々が
 園内の細い木などをしばって回ったり、
 ランプを増やしたり、木が多い道を通行止めにしたり。
 歩いている私たちに
 「風が強いので気をつけてくださいね」
 と声をかけてくれるのですが、内心
 「早く帰ってくれ」って気持ちだろうなあと思いました。
 それでも、ギリギリまで遊んでしまった私たちですが。
 ディズニースタッフの皆さん、ご苦労様でした。
 (うちこ)



・台風が「東京」に近づくと
 テレビのプログラムが大きく変更されるんですね。
 「それより、この前
  ここを通ったヤツのほうが大きかったぞ」
 なんて言うのは
 NHK以外で台風情報が流れない田舎モンのヒガミ?
 (ケビン)



・こんばんは、昨日の台風すごかったらしいですね。
 不謹慎なのは重々承知ですが
 「戦後最大級」にちょっとわくわくもしていたのですが、
 風邪をひいていたのもあって、
 うっかり早くから寝てしまいました。
 起きたらピーカン。
 本日職場に行ったらみんなは「昨日はすごかった」って
 盛り上がっていて、なんかすごく損をした気がしました。
 (り)






ロウソクに火をつけたあとに、
「外国の食卓のようじゃ」とよろこぶおばあちゃん。
すいていたディズニーシーで遊んできた人。
そして、「東京の台風はよく放送されるのよね」と
ちょっと冷静な気持ちで見ている地方のかたがた。
それらすべてを感じる暇もなく寝過ごした人……。
いろいろな様相を、おとどけいたしました!

では次は、現在アメリカで公開されはじめた
『千と千尋の神隠し』をアメリカで見たよ、
というかたがたからのメールを、お届けいたしますね。







・こんばんは!今ちょうど、
 ハリウッドでの
 「Spirited Away(千と千尋の神隠し)」から
 帰ってきたところ……夜11時です。
 「受けるのかなあ?」という心配は、杞憂でしたよ。
 2階席まである映画館は、ほぼすべて満席でした。
 映写が始まったとたんに、皆さん期待の拍手!
 終わっても、拍手!
 チッヒロー(?)の叫び声。
 初っ端千尋が車内からべーをするシーンから、
 観客笑う笑う。
 引越しの情景をバックに、どーんと
 "SPIRITED AWAY(直訳:引き離される)”
 とのタイトルが出た瞬間、
 場内どっと割れんばかりの大爆笑でした。
 まんまやないか!?終わりかい!
 ってことなんでしょうか。
 ひとつひとつの細かいツボで、
 きっちり皆さん笑っていました。
 特に、アメリカで、まさか
 えんがちょに再会するとは思ってませんでしたが、
 観客も同様にえんがちょに
 大うけしていたのにはもっとたまげました。

 意味はわかってなくても、
 面白さは伝わるのかしらん。
 個人的には、ああ!風呂!ああ!あんまん!
 と郷愁を覚えましたよ。
 小学校の夏休み、
 地域お化け大会にトリップしたようでした。
 なんとなく興奮を残しながらお送りします。
 あー楽しかったです。おやすみなさいませ。
 (midori)



・今アメリカで上映している
 「千と千尋の神隠し」やっと見に行ってきました。
 うーん・・・もう途中から涙がポロポロ止まらなかった。
 「カオナシ」を仲間として扱う千尋。
 いい人も悪い人もなく、
 あるがままを受け入れようとする姿勢。
 そういうものに泣けるんです。
 確かに日本には凄く成熟した文化が存在すると思う。
 だからこそ「千と千尋の神隠し」のような
 ちょっと複雑な映画が誕生するのだと思うのです。
 「敵・味方」「良い人・悪い人」とすぐ単純化する
 こちらの一般アメリカ文化は、飽き飽きするのを
 通りこして、恐ろしく感じる時があります。

 だからこのようなきめ細かい作品を見ると
 「自分の故郷ー!」っていう感じがする。
 (寅子)






『千と千尋の神隠し』をしている上映
アメリカの映画館の看板って、タイトルの下に、
大きく「MIYAZAKI'S FILM」って書いてあるんです。
ちょっと、黒澤監督みたいで、かっこいい。

では、次回のこのコーナーで、またお会いしましょう。


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2002-10-04-FRI

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