NAGATA
怪録テレコマン!
hiromixの次に、
永田ソフトの時代が来るか来ないか?!

第5回 初めての読者に会いにいく 〜その3〜

たとえば、ものすごいアーティストとか、
世界記録保持者とか、霊能力者とか、
金儲けの達人とか、あらゆる裏社会に通じる事情通とか、
修羅場をくぐり抜けてきたタフガイとか、
コピーライターとか、ゲーム雑誌の編集者じゃなくたって、
僕をげらげら笑わせてくれる
おもしろいエピソードを語ってくれるものだ。
喫茶店でカフェオレでも飲みながら、軽々とね。

さて、続きだ。
僕に初めてメールをくれた『ほぼ日』の一読者、
はやしゆうこさんの言葉を記録しながら、
テープは回り続けているのさ。

はやし 永田さん、車は?
永田 車は持ってないんですよ、免許はあるけど。
はやし 東京じゃあまりいらないですよね。
永田 駐車場とかも高いし。車お持ちですか?
はやし ああ、はい。車ね、当たったんです私。
永田 えっ!
はやし 当たったんですよ。
永田 すごい。
はやし ええ。ずいぶん昔ですけど。
永田 クイズかなんか?
はやし はい。
永田 ハガキで応募して?
はやし はい。
永田 何枚?
はやし ・・・1枚。
永田 1枚! すっげえ。そんな人いるんだ!
はやし いるんですよお。私もそんな人知らないです。
でも車が欲しかったわけじゃないんですよ。
賞品にロサンゼルス旅行があって、
そっちが欲しかったんですけど、
賞品を選べなかったんですよ。
永田 ああ、なるほど。
はやし で、出してそのままにしておいたら、
ある日電話がかかってきて、
「おめでとうございます! 車が当たりました」
って。いたずら電話だと思って(笑)。
永田 ふつう、いたずら電話ですね(笑)。
う〜む、そういう通知ってくるもんなんだなあ。
はやしさんはまだその車に乗っているのだという。
ところで、思いもかけないものが当たってしまうことって、
そんなにいいことばかりじゃないみたいなのだ。
永田 いつですか、それ?
はやし もう10年以上前ですけど。
永田 僕、車の名前ぜんぜんわかんないんですけど、
なんて車ですか?
はやし ホンダのシティーです。
当時すごい宣伝とかしてて。マッドネスが。
永田 おお、マッドネス!
はやし うん。でも困った。駐車場がない。免許がない。
永田 免許なかったんだ。
はやし はい。で、向こうは「納車したい」、
こっちは「困ります」なんてやり取りがあって。
永田 (笑)
はやし しょうがないから車屋さんに預かってもらって、
駐車場確保して、免許取りに通いました。
永田 いいことばっかりじゃないなあ。
じゃ、教習所に通うのもあんまり楽しくないね。
はやし 楽しくなかった〜。すぐ取れると思ってたけど、
卒検に何回も落ちたんですよ。
初めて味わう・・・挫折?
永田 あははははは。
はやし 泣きましたもん、私。
永田 車が当たったばっかりに。
はやし イジワルな教官とかばっかりだし。
自分の予定としては学校に行きながら
免許を取るはずだったんですけど、
落ちちゃったもんだから夏休みに入っちゃって、
学校もないのに家から学校までわざわざ通って。
永田 車が当たったばっかりに、夏の予定まで。
自慢じゃないが僕は車についての知識がほとんどない。
でも、10年も前にマッドネスが宣伝してたシティーに
今も乗ってるのって、けっこう珍しいんじゃないかしら?
はやし ブツけまくりながら乗って。
もう色とか褪せてるんですけどね。
永田 へえ〜。
はやし おかげさまでエンジンは元気なんですけどね、
電気系統はだんだんダメになってきてて。
永田 ふ〜ん。
はやし イスとかもボロボロになってきちゃって。
いちばんひどいのがね、
ハンドルが、割れちゃったんですよ。
永田 えっ、うそぉ!
はやし 割れるんですよ。
永田 (爆笑)
はやし なんかね、こうね・・・。
永田 ちょ、ちょっと待って、おもしろすぎる、それ。
はやし ハンドルの真ん中に白い線が入ってきたんですよ。
プラスチックを割るとき、白い線が入りますよね?
永田 はいはい(笑)。
はやし 運転してたら入ってきたんですよ。
永田 運転してたら(笑)。
はやし 「あれ〜何かな〜」って思ってたんだけど、
ある日突然「パカッ」って。
永田 アハハハハハハ! 
はやし びっくりして、もう。停車ですよ、すぐ!
永田 すっごい、おもしろい話だ、それ(笑)。
はやし 車屋さんに行って変えてもらって。
永田 貴重な体験ですねえ。
はやし なんでしょうねえ。やっぱり気温の変化で・・・。
永田 違う違う(笑)!
はやし え、違うのかなあ(笑)?
永田 違うと思うなあ。
はやし ・・・ハンドルって、中、空洞でしたよ。
永田 (爆笑)
はやし もっと中は詰まってるのかなと思ったら。
永田 ソリッドだと思ったら。
はやし うん。ああ、これじゃ割れて当然だなと。
永田 わはははははは!
はやしさんにとっては、
それほどおもしろい話じゃないらしくて
淡々と話すのだけれど、
走ってる途中にハンドルが「パカッ」って割れるのって、
想像しただけでもたまんないんだけど。
談話室滝沢で笑い転げる僕でした。

<続きはまた明日>

2000/02/11  新宿

2000-02-25-FRI

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