80's
80代からのインターネット入門。
前橋の母Aが、Eメールで原稿を
送ってくるまでの物語。

最終章 そして卒業か (2)

レッスンは、いつものように脱線。
しかし、それだけでは終わるわけはない。

さ、南波先生、iMacの方に近づいて!


夕暮れ間近。
ミーちゃん宅でのゆったりと楽しい心の休息の後、
さすがにこれだけは・・・。
「何かiMacでお困りのことはありますか?」

「あ、それがね・・・メールが増えるんですよー」
「勝手に増えてしまうんですか?」
「同じのがいっぱい増えてしまって困ってるんです。
最初は大丈夫だったんですけど、いつからか急に」

ノリコさんも加わる。
「ゴミ箱に入れて捨てたと思っても次に見るとまた
復活してるんですよ」
「復活しちゃうんですかぁ。かなりしつこいですね」

「受信トレイ」をチェックしてみると、あーら本当。
タイトルも受信日時もまったく同じファイルがいくつも
いくつも存在している。
四つ子、五つ子のオンパレードといった光景。
しかし、人間と違って同じものは当然一つで十分。
できれば勝手に細胞分裂などしてほしくない。

私の頭の中にあるメロディが浮かぶ。
歌詞はちょっと曖昧になっているが・・・。

♪叩いてみるたびビスケットが増える
♪そんな不思議なポケットが欲しい〜

そんなポケットなら欲しいが、そんな受信トレイは
私でもちょっとご遠慮願いたい。

「じゃあ、ゴミ箱に移動してみますね。いったん終了
するとゴミ収集車が来てくれるはずですよね」

収集車は来てくれただろうか?
また起動してみる。

律儀な収集車だった。
「今、ゴミ箱に入れたものについては消えましたよね。
何かの都合で増えちゃったのでしょうけど、とりあえす
今ある余計なファイルはみんなゴミ箱に移動しておき
ましょうか」

せっせと移動作業をしている私の横で、ノリコさん、
どうも腑に落ちない様子。
「うーん・・・私も消えたかと思って安心してると
それがまた増えるのよねぇ・・・」
そんな簡単に消せるわけがない、問題はもっと深いのだ、
というニュアンスが漂う。

「特に設定とか、変えてませんよねぇ」
「ええ、どこも特別いじってないんですけど」
iMacがまた勝手に体内操作でもしたのだろうか。
ご主人様がカナダに行ってる隙に、ちょっとすねて。

原因は多分アレだろうな・・・。
でも、見つからない。その場所が見つからない。
おかしいなぁ・・・。あるはずなのに。

最初に設定してからしばらくは、こんな増殖問題は
起きていなかった。
私が自分で設定したはずなのに、アレがどこなのだか、
そもそも設定したのかどうかもよく覚えていない。

うーん、今回はちょっと時間がない。
「申し訳ないんですけど、次回でいいですか?」
「ええ、もちろん。それほど困ってるわけでもない
ですから」
「すみません」

と言いながら、おもむろに別のことを考えている。
あれ?時間がないんじゃなかったのか?(苦笑)

受信トレイを見ても、送信済みトレイを覗いてみても
イシノさんとのやりとりがとても頻繁そうだ。
それで提案してみようと思いついたこと。

メールの自動振り分け、
Outlook Expressでは「ルール」と呼んでいるアレ。

まずは「ファイル」→「新規」→「フォルダ」で
新しいフォルダを作ってみた。
かわいい「名称未設定」のフォルダアイコンが現れる。

「あら、この中にもフォルダができるのね」
「はい、Outlook Expressの中のフォルダになります。
こうやって書類袋のようなものを作っておいた方が
便利かと思いまして」

二つ作って、
「イシノさんへ」と「イシノさんより」とする。

これだけでも、メールをそこに移動することによって
メールの整理にはなる。
「ルール」を使うことでそれを自動的にMacにやって
もらおうというわけだ。

メニューバーから「ルール」を選び、
新規にメールルールの設定をする。
差出人がイシノさんの場合「イシノさんより」フォルダに
そのメールが入ってゆくよう条件とアクションを設定。
宛先がイシノさんの場合には「イシノさんへ」に入る
よう、そちらについても同様に設定。

確認のため、試しにイシノさんへのメールを書いて送信
してみる。どうやらうまくいきそうだ。
これでイシノさん関係のメールは 自動的に整理される
ことになる。

「あ、あと、このメインウィンドウに表示されるメール
リストは件名、差出人、送受信日時によって順番を変える
ことができますので。そこをクリックするたびに一瞬で
並び替えてくれます」
「あら、ほんとだ。やっぱり日時の順がいいわね〜」
「上にいくほど新しくなるか、その逆かも決められます」
「は〜。まったく賢いのね、コンピュータは」

さて、もう去らねばならない時間になってしまった。
増えるメッセージの謎については次回に持ち越しだ。
虫歯があるのを知りつつも放置しておくような、そんな
気分ではあるが、特別日常生活に支障のあるような
問題でもないと判断し、帰ることに。

「あ、そうそう。私、O型なのよねー、それが。
訂正しておいてくださいね〜」とミーちゃん。
新事実。どこでどう思いこんでしまったのか、A型だと。
どうもちょっと腑に落ちない点もあったのだが。(笑)

さて、 また赤い車に乗り込む。
カナダのお土産話や実際の素敵なお土産などに匹敵する
ようなものをお返しできなくて申し訳なく思う。

「お気をつけて」
いつまでも玄関の前に立って車を見送ってくださる。

ミーちゃんと別れた後の国道はいつも渋滞中。
なのに、それがちっとも気にならない。
心の中がとてもすがすがしい。そして潤っている。
慌ただしくて見逃していたようなものが目と心の中に
すんなりと入り込んでくる。

夕暮れ時、紅葉した街路樹。
いつも見えていたそんな景色になぜか胸が鼓動した。


(さらに明日につづきます)

今日も日記のつづきがありますよ。


12月5日(日)PM3・30室温16c--湿度58%

 風も無く静かな日だった。「師走」とは思えない。
 サボテンの蕾が昨日あたりからポロポロ落ちてしまう
 たくさん咲き始めていたのにどうしたのかと悩んでいたが
 サボテンを沢山咲かせている人に電話で聞いたところ
 環境が変わるとそうなるとのこと。
 私は3日程前から日中は外に出して夕方入れていた。
 それがいけなかったので
 明日からは部屋の中に入れて置く事にする。
 夕方kさんが見えて来月に「中国」に行くとのこと。
 やはり年末はさける様な話しでした。
 2000年問題は誰も経験がないのですもの。
 大正・昭和・平成と生きて来た私でも・・・・・。
 何となく「不気味」です。
 さてこれから6人で賑やかに「牡蛎フライ』の夕食です。
 私はワインかな?どうせ皆はビ-ルでしょう。
 ではimac君「お休みなさい」-------

12月6日(月)PM3・30室温17c--湿度58%(スト-ブなし)

 ぼんやりした静かな天気。久し振りに街へ出た。
 クリスマスの準備と,銀行へ通帳の記帳をするので----。
 預入れもしないのにプレゼントなんかくれたので
 恥ずかしかった。
 近くで網と棒(花など倒れない様にたてる棒)も買い
 前から考えていたセ-タ-など編み物を干す時載せる
 水切台を,研究して作るので---
 果たして作れるかな???
 野次馬が来ない内に何とかしなくちゃ。
 実は自信が無いのだ。これも「やるっきゃない」
 頑張れミ-ちやん・・・。

12月7日(火)PM3・30室温16c--湿度56%

 初美さんの店が忙しくなってきたので,
 せめて何か私に出来る事で少しでも役にたちたいと思い, 
 大分前から買ったままになっていた
 牛蒡をきんぴらにしてみようと
 昨夜夕食後ぼつぼつやってみた。
 人参もあったので。その他蕪やきゅうりなど集めて
 塩漬けにして胡麻を振り掛けて
 明日のお昼の一品にとしてみた。
 昼食は初美さんのステキなお料理だったので
 全然出す必要無くて夕食に恐る恐る
 きんぴらを出したところ初美先生が,
 美味しい美味しいと食べてくれた。
 何時もきんぴらを私がすると美味しいと褒められるので
 少しは作りたくなる事は確か。
 今夜きんぴらが美味しいと初美さんが食べていた時,
 紀子が「日記に書いたら」と言ったので
 そうだ・・・他に何にも日記に書く様な事が無いし----
 となった。

2000-01-02-SUN

BACK
戻る