80's
80代からのインターネット入門。
前橋の母Aが、Eメールで原稿を
送ってくるまでの物語。

第8章 4度目のレッスンは、蒸し暑い午後だった(5)


さぁ、本日明らかになる
南波先生の「嫌な予感」の真実!
ちょっとおおげさでしたか、こんなことで?
申し訳ない。
でも、ほら、まったくパソコンになじんでない家では、
同じようなことがあり得るわけですから、
できるだけ「アンダーライン引いておけよ」という感じで
失敗について書きとめておいた方が親切というものです。
よね?

では、あっこ先生。
ご報告をお願いしまーす。


壁には4つの口。
そこに差し込まれている4本のケーブル。
このうちの二つが一階用と二階用の
電話回線ジャックであるはず。
つまり、NTTと繋がっているものだ。
そして残り二つが玄関のドアフォン用と、
一階二階間を繋ぐ屋内用のものだろうか。
咄嗟にはわからない。
4本のケーブルは、ターミナルボックスだか
簡易交換機だか名称は知らないが、
二つの謎の黒い物体のいずれかに接続されている。
各ケーブルがどこに繋がっているのかをたどろうにも、
なにしろ長いケーブルが4本あるわけで・・・。

さて、どこにiMacのテレフォンケーブルを
差し込もうか・・・。
もうあまり時間が残されていない。
保育所のお迎え時間になってしまう。
こうなれば、もうくじ引きのようなものだ。運だめし。

「ど・れ・に・し・よ・う・か・な・・・」
試しに一つを抜き取って、iMacのケーブルを入れてみる。
リモートアクセスを開き、「接続」ボタンを押す。
さあ、どうだっ。
・・・なんと「お話中」との表示。
今までに「お話中」だなんてことは
私の経験上、ないことだ。

「だれかが繋いでるのね、インターネットに」
どなたかの声。
「う〜ん、でも、一つのアクセス・ポイントにつき
一人しか繋げないというような
システムじゃないですから(笑)」
それにしても、いくらやっても「お話中」だ。

次のジャックに挑戦。
今度は玄関のドアフォンが「ピンポーン!」
「あら、誰か来たかしら」
ミーちゃん、さささーっと玄関へ。
「違うわよぉ、ミーちゃん。これ、いじってるからよ〜」

では、このジャックでどうだ。
あらまっ、今度は内線の呼び出し音のようなものが
鳴り響く。

以下の作業、省略。
省略もなにも・・・いちいち覚えていない。
あらゆることを試みたのだ。
「黒い物体」の方も試してみた。
そのたびにiMacで「接続」ボタンを押してみる。
ノリコさんは、コードレスフォンで
一階用だか二階用だかの電話をかけてみては、
「あら、話中になってるわ」
「今度は何の音もしないわ」
などなどと、報告してくださる。
「あ、でも、今、電話使ってると、
また状況がつかめないので・・・」
全員で、あたふた、あたふた。

なにやら、状況はこんがらがった毛糸のようになってきた。
試験時間終了間際に、焦って、
とりあえずは回答欄をうめようとしている生徒の気分だ。
「次のカッコの中に適する語句を下から選び、
記号で入れよ」
あぁ、これを入れるとこっちが入らなくなる。
あ、いいのか、ここで。
いや、しかし・・・。

それでもこの現状を楽しんでいるかのように思えるのが、
このお宅の嬉しいところだ。ありがたい。

落ち着いて配線等を調べてみれば、
たいした謎ではないような気もする。
実はわりとそういう作業が好きだ。
「配線が趣味の主婦」だなんて大っぴらには言えないが。

そんなこんなの最中に突然の「リリリリリーーーン!」
ミーちゃんは今日も忘れることなく
目覚ましをセットしておいてくださった。
はい、タイム・イズ・アップ!

「中途半端ですみませんでした。
もし機会があったら、NTTにでも
ちょっと問い合わせてみてくださると助かります」
「いいの、いいの、そんなに焦ってるわけじゃないから。
まったくホント、どうなってんのかしらね〜、ここの電話」

結局、ちょっと残念な幕切れとはなったが、
次回の楽しみができたとも考えられる。

群馬名物「焼きまんじゅう」と草餅を
お土産にいただいて、本日のレッスン終了。
短時間だったので大したことはできなかったが、
すでに家族同然に扱ってもらえているようなiMacを
確認できただけでも大変嬉しい。

ところで、レッスン・メモであるが、
せっかく用意していただいた紙の上に書かれたもの・・・
「ゴミ箱のフタ」「大魔神」。
以上二点のみ。
結局、メモを取っている暇などないようだ。
そんな暇があったなら、
電話回線ジャック捜索に費やさねば。(笑)

このあと一週間ほど、ミーちゃんお留守に。
(確か)浦和、伊豆と、お知り合いのお宅を
ご訪問とのこと。
実り多き旅になりますように。

そして、お戻りになれば
すぐに旅行記の執筆が始まることであろう。
ミーちゃんとiMacの蜜月は続く。

この場を借りてミーちゃんへ私信:
宝くじ、結果はいかがでしたか?
三億円が当たったら山分けしてくださるとのお約束、
覚えてらっしゃいますでしょうか。
「ミーちゃんたら、なかなか腹黒ねー(笑)」
などとつっこまれてらっしゃいましたが?
ノリコさんの、
「全員プレゼントなんて魅力ないわよね。
やっぱりちょっと山っ気のある懸賞の方がモエルわよね」
に皆さん、大きくうなずいてらっしゃいましたね。
私はこんな皆さんにずっとついてゆきたく存じます。


このあたりの配線系のことって、
すっごく悩ませてくれるんですよね〜。
ぼくの自宅も、ISDN回線から、ファクシミリと、
自分のマック2台と、ヨメのマックを1台つないでいて、
しかも「ルーター」という、
岩田さん曰く「いずれ、みんなこれにつなぐでしょう」
という機械をつないでいますので、
(ああ、もう、この説明しているだけで面倒だ!)
ぼくには、「わけわかんないもの」です。

みんなの家は、どんなふうにつながっているのだろう。
というわけで、第4回レッスンが終了。
ミーちゃんが旅行から帰ったら、
第5回レッスンがはじまりますが、
読者の皆さまもご承知のとおり、
いま現在、ミーちゃんは旅行から戻っていますので、
当然、明日は、第5回レッスンをお伝えできるわけだ!

(がんばるなぁ。明日につづくよっ!)

1999-07-11-SUN

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