80's
80代からのインターネット入門。
前橋の母Aが、Eメールで原稿を
送ってくるまでの物語。

第6章 もう2度目のレッスン(4)


えー、前回の事情にあわせて、今回からは、
母Aの呼称を「ミーちゃん」と変更させていただきます。
さぁ、先生のいない時に、
タイピングの自習をしていたミーちゃんだが、
先生の授業はさらに興味深いものになりそうで、
忙しくなりそうだぞ・・・。


エイリアスについて改めてご説明。
「影武者」-- やはりこれが最適?
オリジナルのコピーというわけではない、単なる影。
この影に働きかけるとオリジナルが呼び出される。
これは捨ててもオリジナルには影響なし。
使う側の都合に合わせていつでも好きな場所にこれを作り、
オリジナルを操作できる。
実に便利なものだ。

見学のユキエさんにご協力していただいての説明。
ユキエさんは「オリジナル」役。(笑)
Macの場合、日常のものに例えると
だいたい理解していただける。

クラリスのエイリアスをダブルクリックして
アプリケーションが起動したついでに、
せっかくなので、ワープロ以外にできること--
ドローとペイントについてざっと紹介しておいた。
「コンピュータって、本当に何でもできるのね〜!
デザイナーの方たちもこういうの使って
描いてるんでしょうねぇ」 
「プロ向けのもっと凄いのがありますけどね。
ま、クラリスでいろいろと遊んでみてくださいね」
たぶん、次回のレッスンまでには
また新たなファイルができていることだろう。
ファイル名予想:「ミーちゃんの初お絵かき」

あとは、ちょっとシンプルテキストで遊んでみた。
「とてもシンプルなワープロ」そして、それだけではない。
そう、これには「録音ができる」等の
サウンド面での面白さがある。
「じゃ、録音してみますよ〜」と録音ボタンを押す。
お母上A、何かしゃべろうとするが、
突然なので言葉につまる。
まわりの「ああだこうだ」言う声と笑い声。
初録音はとりあえず成功。
再生してみて、また笑い合う。
テキストなし、サウンド・データだけのファイル・・・
「あ〜、こういうこともできるのね〜」
かなり面白がってくださる。

そして・・・
「でも、これじゃ、しゃべったことが
全部ばれちゃうのね〜? 下手なことは言えないわね、
コンピュータの前じゃあ」と笑うお母上A。
「大丈夫よぉ。“録音”ってとこ押さなきゃ
録音されないんだからぁ」
絶妙のタイミングでツッコミを入れるユキエさん。

もしかしたら・・・
次回のレッスンでiMacが起動されると、
自動でシンプルテキストが起動し
「私の名前はミーちゃんです。80の手習いで・・・」
なんて声がスピーカーから聞こえてきたりして!?
それはないとしても、
絶対に「復習」してらっしゃると確信。

そうこうしているうちに、
部屋のどこからか突然アラームが鳴り出す。
「あ、先生、終わりの時間になっちゃいましたね」
わぁー、じゃあ今のは授業終了のベルだったんだぁ。
イキな計らい。

次に用事の入っている私のために、遅れないよう、
あらかじめアラームをセットしておいてくださったらしい。
感激。
そして、ますます興味深さを増す
お母上A--「ミーちゃん」!

でも、もう終わりなのかぁ。
もっと一緒に遊びたかったけど。
それにしても、全ての瞬間がイベントのようだ。
あ〜、楽しい。

「システム終了」しようとしていると、ノリコさん、登場。

「この間ねぇ、これ、ちょっといじってる最中に
ちょうどお客さんが来ちゃってね。
だから慌てて電源のコード引っこ抜いちゃったのよ。
そうしたら、次に電源入れたとき、何やら出るのよねぇ、
変な終了の仕方したから何やらを直してる、とかって。
それでやっと覚えられたわ、上のバーの
『システム終了』って所で終わりにするんだってこと。
失敗は成功のもとって、本当よねー!」

うぉ〜、出たぁ、コード引っこ抜き!
お母さま同様、ますます興味深さを増す
お姉さまのノリコさん!
Macを教える代わりに
私はいろんなものをこのお二人から学べそうだ。

インターネットへの準備(プロバイダへの申し込み)は、
また延期。
でも、まずは基本をしっかり身につけたいとお考えの
お母上Aのこと、急がず焦らず「80代のMac操り師」を
めざしていただきたい。

しかし、世間の予想よりずっと早く
「皆さんのところにもミーちゃんからのメールが
届くかもしれませんよ」!!
もうしばらくお待ちください。


ここまでで、第2回レッスンのレポートは終わり。
でも、この連載はまだまだ続くわけで、
もちろん、用意はオッケーですから、
明日も、この続きが掲載されていますよ。
南波あっこ先生、とりあえず、お疲れさまでした。

(明日につづく)

1999-06-29-TUE

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