80's
80代からのインターネット入門。
前橋の母Aが、Eメールで原稿を
送ってくるまでの物語。

第5章 はじめてのレッスン(3)


南波あっこ先生、もともと、
看護婦さんとか、幼稚園の先生とか、
「ホスピタリティー」系の仕事をしていたのか?
あまりにも、うまい。
教育技術というような、「技」の問題ではない。
相手の生徒の反応を、「しっかり見ている」。
そして、「見て、楽しんでいる」ような気がする。
これは、できそうで、できることではない。
しかし、ふと、気付いた。
子供を育てる「親」のまなざしは、これではないか?

1.しっかり見ている。
2.見て、(自分も)楽しんでいる。
おそらく、もうひとつは、
3.疑問がでたら、解決のカギを差し出す。
南波さんの「教えじょうず」の正体は、
こういうところにあるのではなかろうか?
これは、自分と、子供とのことを思いだしてみて、
そう考えたんですけれどね。
いざ、続きです。



さて、ここからは少し遊び。
見学参加者の方々にも喜んでいただこう。
持参した音楽CD(クラシック)をセットしてみる。
かすかに聞こえてきたメロディに感激されたご様子。
「音楽も聴けるんですか?
じゃあ、うちにある普通のCDも?」
「はい!」

せっかくなので、コントロール・バーで
音量調節の仕方をお教えする。
そしてアップル・メニューより
「オーディオ・プレーヤー」を起動。
一同、「うぁ〜!」「本物のCDプレーヤーのようね!」

ウィンドウやインジケータの色を変えてみると、
これまた大喜び。
ちょうどよい機会だったので、
現在操作をしているアプリケーションによって、
このメニュー・バーの表示は
それぞれ変わるということを言い添えておいた。

音楽を聴きながら、今度はデスクトップを変えて、
また驚いていただこうと私の心も弾む。
それなら(デフォルトになっている)
波打つような柄よりも、もう少し落ち着ける、
目が疲れにくいものにしたいとご希望のお母上A。
結局、シンプルなボンダイに変更。

「この他に、お好みのピクチャも
貼り付けられるんですよ」と、
また今後への期待感をちゃっかり高めておく「先生」。

この後、マウスのクリックやドラッグの練習に最適かも、
と私が勝手に思っている、
ご存じ、ジグソーパズルをご紹介。
デフォルトの絵柄、世界地図には、
海外旅行好きのお母上Aもお喜び。

自動でパズルを解いてくれる機能には
これまたびっくりされていた。
「この絵柄も自由に変えられるんですよ」
とスクラップブックから適当に選択、
コピー、ジグソーパズルにペースト。

最初から盛りだくさんすぎるかなとも思いながらも、
しっかりとレッスンについてきてくださってるようなので、
コピーついでにクリップボードまで軽く説明。
即席マウスパッドであるコルクシートを手に取り、
「ここに、こうやって一時的に
ピンでとめておくようなものです」と。

途中「クリップボード」のことを
いつの間にか「コルクボード」などと
口走っている自分に気づき、訂正、苦笑。

・・・とても楽しく美味しいランチをはさみ、
一息ついて、またレッスン再開。

ワープロソフト関連の話がでたので、
ハードディスク内を探り、クラリスワークスを起動。
この日は私がちょっとデモしてお見せするだけにしたが、
適当に打った文字のサイズや色、
スタイル等を変えてみると一同ため息。
「どうにでもできますよ。下線も付けられます」には
お母上A「じゃ、上線も?」
「はい。ジャーン! このとおり」

ファイル保存、保存名付け、
基本を少しだけなぞってみた。
デスクトップに新たに現れたクラリスのファイルを確認し、
これを開いてみたり、移動してみたり。
ゴミ箱へ捨てるという復習も。
レッスン以外の時間にも気楽にワープロで遊べるように、
クラリスのエイリアスをつくってデスクトップに置き土産。

あとの時間は、
(海外旅行好きとお聞きしていたので持参した)
ヨーロッパ旅行ガイドソフトで遊ぶ。
動画にはテレビ等で慣れてらっしゃるが、
そこにインタラクティブな要素が加わったので
新鮮な喜びを感じてくださっているご様子。
このCD-ROMは私からのささやかなプレゼント。

最後に、一応、強制終了のことをお教えしておいた。
「レッスン以外のときも
適当にいじって遊んでみてくださいね」
とは言ったものの、(あまり言いたくはないが)
もしフリーズや爆弾に遭遇してしまったら・・・
と心配になったのだ。
知らずに遭遇したら、あれはかなり焦るはず。

お母上A、ご熱心にメモとり。
Macの場合、「りんご」や「えんぴつ」との表現で
「コマンド・キー」「コントロール・キー」のことを
伝えられるので大変助かる。
また「最終的には、ここにリセットするための
小さな穴が……」と、持参しようと用意しておきながら
すっかり忘れてきた伸ばしたクリップのことを
ちょっと悔やんだが、
「あぁ、この穴なら“つま楊枝”で大丈夫ですね」と、
お母上A。さすが、ダイニング・テーブルに鎮座する
iMacの主でいらっしゃる。

午後3時、iMacお披露目会は無事終了。
すっかりこちらが楽しませていただいた。
感謝、感激。

「インターネットで航空チケットなども
予約できるんですよね?」と、
早くも次なる旅へお気持ちを飛ばすお母上A。
近日中にインターネット初体験をしていただく予定。
次回はプリンタも接続しよう。
お母上Aの周辺がますますiMacな環境となってゆく。
今後も乞うご期待。



CDロムの「ヨーロッパ旅行ガイドソフト」を持参かぁ。
事前の研究も、怠りなかったんだなぁ。
そりゃ、母Aだってうれしいし、
興味を持たざるを得なくなるよ。
付けたしておこう。
4.興味を持たせる工夫をしよう。
かな?

(つづきは、また明日ねー。)

1999-06-25-FRI

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