HOST
いっそあのホストに訊こう!

第22夜 言葉なしで仕草でできちゃうヤツ

糸井 そういえば、一時期さぁ、
ホットドッグプレスとかでさ、
「どうやって女の子とつきあうか」とかさ、
マニュアルがありましたよねぇ。
零士 でも、最近なくなったでしょ?
糸井 あれ読んでたら、男の子はどんどん辛くなりますよね。
零士 だって、たいていは、ほとんど
「こんな事だれでも知ってるよ〜」
って内容ですよね。
糸井 あれは、要するに雑誌つくってる
編集者が考えてることだからね。
零士 そうですよ。
だいたいプロがそんなマニュアルなんて
しゃべってないですから

で、ああいう記事を書いた人は、
その時点ですでに二番せんじ、もしくは三番ですよね。
で、それを読んだ男の子は四番、五番なんですよね。
そんなのだらけなんで、失敗したときのショックが
余計に大きいんですよ。
ぜったい失敗しますよ。
100パーセントですよ。
糸井 零士さんから見て「こいつはイケるな」という
男の子を見つけるときって、何が基準なんですか?
零士 僕が「こーいつはモテるだろうな」って思う人ですよね?
ま、僕とちがうタイプで、よく見るというか、
なるほど、こういうパターンもあるんだな、と思うのは、
“わりとソフトなんだけど、
 相手をこう……言葉だけでない雰囲気で、
 うなづかせるヤツ”。
糸井 そんなヤツがいるんだ?
零士 やっぱ、いるんですよねぇ。
糸井 トーク、なし?
零士 トーク、あんまりなくて……、
あのね、僕にはちょっとできないことなんですけどね、
そういう人って……相手とパッと合うんですよ。
で、さっき僕は、1の段階から一気に
3にもっていっちゃうと言いましたけど、
それを言葉じゃなく、
態度でできちゃうヤツがいるんですよ。
僕は言葉で持っていくって言いましたよね。
「こういう、何もしゃべらないでいるのも、
 これって、俺なんだよ……」というのも、
やっぱり言葉で言ってますよね。
糸井 口に出して言ってるね。
零士 それを言わないで、
3にもっていちゃうヤツがいるんですよ。
世の中には。
糸井 いるんだ……。
零士 いるんですよ。
なんかその、セリフがなくて、
「…………」ってだけで、
「あ、かっこいいなぁ〜」って思うヤツ。
言葉じゃなくて、仕草でできちゃうヤツがいるんです。
糸井 それができる裏付けは、やっぱり自信なんですかね?
零士 勘違いですね
糸井 はぁ〜〜〜。
なるほど……。
零士 ぜったい勘違いなんですよ。
だけど、本人そのまま、それを思い込んでるんですよ。
糸井 勘違いって、やっぱ魅力ですよね?
零士 魅力でしょう?
糸井 あの、トシちゃんのいい時って、
ものすごくよかったですよね。
あの……田原俊彦さん。
零士 ええ、大勘違い。
素敵ですよ!
俺ら「素敵だなー」と思ってました。
糸井 今の郷ひろみさんもそうですよね。
零士 ええ、大勘違いですよ。
糸井 イケますよねぇー。
零士 ええ、ぜーんぜんオッケーですよ!
糸井 なんか「君もお祭りに参加しないかい?」
みたいな感じしますよね。
零士 ええ。
一緒になって勘違いしないと
いけないような気がしちゃいますね。
糸井 トーク派としては、天敵ですね?
零士 (小声で)天敵なんですよ〜。
糸井 商売敵ですよね(笑)。
零士 こうね、……パシッとキメて、
「ゴー!」とかってシャウトされるとさ、
「なーんだよ、それ?」って思いつつも、
「ウン、カッコいい!」って頷いちゃうんですよ(笑)。
糸井 あと、スポーツ選手。
野球選手がバーン!とホームラン飛ばしたりとか、
サッカーで活躍したとかって男も天敵ですよね。
それ、やられたら、かなわないもんね。
零士 天敵ですよぉ。
言葉いらないですからねぇ。
それ、できないんですよ。
だから、それにちょっと似せるには、
単純なことですけど、
「普段いい加減なんだけど、やる時はやるよ」と。
それをちゃんとメリハリをつけて
ジッと相手に見せる、というのも、ひとつの手です。
効果として似てるというか。
だから、言葉だけではちょっと伝えられない部分の、
暗黙知的なものを、ちゃんと見せるには、
なにか言葉ではないものを学ぶんですね。
僕はいつもそう思ってるんです。
「あ、これって言葉じゃないんだなぁ」って人は
いるんですよ。
そういう人をよーく見るんですね。
糸井 やっぱ、学ぶんだ?
零士 俺、学びますね、その人がやったことを。
糸井 たとえば、今、誰でもが知ってるような人で、
零士さんから見て「かなわねぇなぁ」って人、だれですか?

(つづく)

2000-07-04-TUE
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