愛と言うには  ちょっと足りない。  『モテキ』をめぐる、とても自由な座談会。

第9回 どの女性がいちばん好きですか?

糸井 雑な言い方になるんだけど、
このマンガをめぐって、
「あなたはどの女性がいちばん好きですか?」
っていう聞き方があると思うんです。
久保 ああー、はい。
糸井 で、訊かれたとき用に考えておこうと思ったら
実はわかんなくなっちゃって。
久保 そうなんですか(笑)。
糸井 読んでるときに「いけるかな?」と思ったのは、
土井亜紀だったんですよ。
久保 あ、いいですね、その「いけるかな感」。
一同 (笑)
糸井 わかるでしょ。
久保 わかります。
糸井 おれはきっと何事においても
そうやって選んできちゃった人間だし、
これからもいろいろと
そうやって選んでいく人間なんだろうなと思って。
ハマケン 「いけるかな感」で。
糸井 そう、「いけるかな感」で。
久保 ちなみにハマケンはどうなんですか?
どの女の子が?
ハマケン うーん。
なんか、主人公がいい思いをするところは
ちょいちょい出てくるじゃないですか。
久保 出してますよね。
ハマケン まず、そこでやっぱり、あの、
下品な言い方をすると‥‥
勃ちそうになる。
一同 (笑)
ハマケン いちばんグッときたのは、
林田尚子とキスする場面かなぁ。
ほんとにいいなぁと思って。
森山 そこだったんだ(笑)。
ハマケン なんでこれ、キスするんだろう?
と思ったんだけど、でも、いいんですよ。
なんか、
自分がキスしてる気持ちになっちゃって。
久保 あははは。
糸井 林田尚子かぁ。
ハマケン エロいじゃないですか。
糸井 だから、
ものすごくうらやましいんだよね(笑)。
ハマケン ですねぇー、たまんないですよ。
久保 まあ、幸世もがんばってるから、
そのくらいは許してやったんです(笑)。
糸井 幸世くん本人は不本意かもしれないけどさ、
「いろいろ言っても、
 おまえはそこまでやってるじゃないか!」
って思いますよね。
ハマケン そう、むしろうらやましいですよ。
久保 でもやっぱり、
全裸でエッチは描けなかったですね。
糸井 あ、そういえばそうか。
久保 乳首も描いてないんですよ、ほとんど。
ハマケン そうか。
久保 でもいま、ハマケンから
「勃ちました」って聞けて、よかったです。
なんだかグラビアアイドルみたいな気分で。
一同 (笑)
ハマケン その場面だけじゃなくて、
ずっとエロいというか、
くすぐられてる感じは終始ありますよ。
糸井 あるよね。
久保 よかった。
なんか、それが救いです。
自分が女なので、描いていながら
そこのところはどうなんだろうって
ずっと悩んでたんです。
糸井 おみごとですよ。
ハマケン エロいですよ。
糸井 いいなぁ、それが表現できるんだから。
森山さんはどうですか?
主役をやりながら、この女性が好きとか。
森山 ぼくは‥‥どれも好きですね。
久保 おお、よかったぁ。
森山 「愛と言うにはすこし足りない」
というテーマですけど、
どこの瞬間にも、
ぼくはわりと愛を感じてしまうんですよ。
糸井 ああー、いいですねえ、
そう言えるのはすばらしいです。
ぼくもそれを言いたかった(笑)。
森山 このマンガで表現しているものは
たしかに愛と言うには足りないんですけど、
でも、その方がぼくにとっては、
とても現実味があるので。
糸井 うん。
森山 だから、ここで言っている、
「愛と言うにはちょっと足りないもの」
という感じは、ぼくは大好きです。
ハマケン うん。
リアルだよね。
糸井 ‥‥ちょっとさ、この、
「愛と言うにはちょっと足りない」
ってタイトルは、いいね!
一同 (笑)
久保 このタイトルは誰が考えたんですか?
って、訊いたほうがいいでしょうか。
糸井 ぜひ訊いてください。
久保 このタイトルは誰が考えたんですか?
糸井 おれおれ。
一同 (笑)
ハマケン やっぱり(笑)。
久保 自画?
ハマケン 自画自賛?
糸井 自画自賛です。
森山 (笑)
糸井 自画自賛、ぼくはよくやりますから。
久保 いいですね、地産地消みたいな。
糸井 そうそう、まさしく。
地産地消(笑)。

(つづきます!)

2010-07-27-TUE


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(C)「モテキ」久保ミツロウ/講談社