COOK
鈴木慶一くんと、
非時事放談「月光庵閑話」。

SACDの5.1chにするか!

鈴木 5.1はね、おもしろいよ。
スピーカーの位置、
本来は計測するんだけど、
計測しないでもとりあえず置いとけば
それなりに楽しめるよ。
── やってみようかな。
SACDっていうのは、
スーパーオーディオCD。
音が格段に良いという。
鈴木 いま5.1にするときって、
SACDか、DVDオーディオという
2つの方法があるんだ。
── はあ。
鈴木 VHSとベータの初期の頃みたいな状態。
── うん。
鈴木 で、これどっちにするかって
迷ったんだけど、
例えばホームシアター持ってる人って
DVDの方が多いと思うんだ。
── そうですね。
鈴木 ということは、
DVDオーディオで
5.1出した方がいいんだよ、
今のところ。
── うん。
鈴木 それの方が聞ける人が多いと思う。
── うん。
鈴木 ところがDVDオーディオっていうのは
映像を付けなきゃいけない。
── うんうん。
鈴木 映像を付けるとちょっと凝りたくなるんで、
その分SACDにして
映像を諦めるっていう方を取ったんだけどね。
音質も好みだったし。
でも、非常に迷った。
作り手が迷うって事は、
聞き手も迷う、と思う。
── SACDの5.1聞くためには、SACD‥‥。
鈴木 プレーヤー。
── プレーヤーが必要。
鈴木 ただ今、全てのディスクがかかる
プレーヤーがあるんだよ。
おれのがそうだけど、
DVDオーディオ、CD、DVD、SACD。
── それ、どこで売ってるんですか。
鈴木 ふつうに売ってる。
例えばパイオニアで10万以下である。
── メモしとこ(笑)。
鈴木 これね、たぶん家電メーカーの
プロモーション不足だと思うけどね、
みんな知らないんだもん。
次のCDプレーヤー買い換えの時はね、
全部オールインワンで
かかるやつ買った方がいいと思うけどな。
超オーディオマニアでなければね。
── そういうことですよね。
鈴木 ちょっと同じ値段のCDだけのプレーヤーより、
CDのクオリティは下がるけど、
CDの音質は、プロが聞いて
ほんのちょっと下がるなって
いうくらいの感じだから問題ない。
しかも、おれが今語ってるのは
2年前の事だからね。
今はまた進化してるでしょう。
自分の耳で確認したほうがいい。
クオリティは下がってないかもしれないし、
なんとも言えない。
あくまでも私の2年前の判断。
プロが持ってる
CDプレーヤーって高いからね。
── でしょうね。
鈴木 例えば15万くらいのCD専用プレーヤーを
7万円くらいの何でもかかるやつに変えたら
音質は下がるであろうなって事だよ。
もう一度言うけど、2年前の時点でだよ。
── うんうん。でも、OK、
5.1は楽しいと。
鈴木 何が気持ちいいって、
例えばその真ん中で寝るじゃない。
こう、寝っころがるじゃない。
── そうですね、
スピーカーの真ん中で寝れますね。
鈴木 そうするとね、実によく寝れる。
なんか、ためになる話になってないかなあ。
── ははは。気持ちいい?
どっかにいるみたいに気持ちいい?
鈴木 そうそう。あと、
ビーチボーイズの
ペット・サウンズがね、
サラウンド化されたのね。
── それって箱に入ったやつ?
鈴木 いや、ちょっと縦長の
プラッチックケースの
DVDオーディオ。
── あ、それは持ってないや。
鈴木 それはね、ビーチボーイズが
サラウンドになっててね。
その中に入れるの。
── ほほお。
鈴木 しかもカラオケまで入っててね、
大声で歌えるっていう。
── ははは。
鈴木 サラウンド内で(笑)。
── 一緒に歌える(笑)。
鈴木 歌詞出るし。
── いいなあ。
鈴木 それはいいですよ。
あれは、プロモーション不足だな。
ただね、オーディオに興味持つ人が
減ってるのかもしれないしね。
── 減ってます。
鈴木 要するにスタジオで音楽作る人は
スタジオで作ったり、
家でも作ったりするけども、
普通の人よりもいいシステムだったり
するわけじゃん。
── うん。
鈴木 スタジオなんていうのは特にそうだけど。
── うん。
鈴木 その音を聞いてほしいんだよね、
本当はね。
── うんうん。
鈴木 で、それをミックスする時に
敢えてこういうラジカセみたいので、
チェックするんだよ。
── 普通はこう聞こえるんだな、
っていうのを試すわけだ。
鈴木 そうそう。一般の最大公約数、
マジョリティはこれで聞いてんだ、
っていう音でチェックすんのね。
── うんうん。
鈴木 それはちょっとさ、
実はつまんなく残念なことなんだな。
── なるほどね。
鈴木 スタジオにいる状況で
音が聞けたら本当は
もっといろんなものが
聞こえてくるのになとは思う。
で、意外とSACD持ってる人も
回りにいないしね。
5.1持ってる人も回りにいないんだよ、実は。
プロのミュージシャンでも。
俺の場合CDプレーヤーに移行するまでも
けっこう時間かかったから。
── そっかあ。
鈴木 アナログ盤が好きで
そればっかり聞いてたんで、今度は早く。
── いち早く。
鈴木 うん。SACD聞くと
ほんとに全然別のものに聞こえるよ。
── そうですか!
鈴木 ほんとに。うん。
── 矢野さんの「ピヤノアキコ。」とか、
SACDじゃなかったでしたっけ。
鈴木 SACD。あれ、すっごい別のものに聞こえた。
俺、家で聞いたら。
── ほんと? あ、聞こう。
聞こうっていうか、
その前に買わなきゃダメなんだ、
その機械をね(笑)。
鈴木 うん。
── アンプは普通のアンプでいいの?
鈴木 アンプは普通のアンプでいい。
── でも5.1は?
鈴木 あ、マルチ用のアンプはいるね。
── いりますよね。
鈴木 SACDを普通にステレオで聞くんだったら、
プレーヤーを先に買っとけばいいよ。
── あ、そっかそっか。
普通のアンプにつなげちゃって聞けば、
聞けるんだ。
鈴木 うん。
── はあはあ。
鈴木 で、やっとタワーレコードにも
DVDオーディオコーナーができたし。
── うんうん。
鈴木 ソフトがなかったからね。
今年になってガーっと出だした。
── 確かに初期のCDの状況に似てますね。
鈴木 そうだね。
── だって、ムーンライダーズって
「マニア・マニエラ」を
まだ普及していない時代のCDで出して。
鈴木 そうそう。
── 僕はあれを大学生の時に、
プレーヤーは買えないけど
CDは買っとかなきゃと思って(笑)。
鈴木 今度出る自腹切ってるやつも、
5.1じゃないと価値がないトラックが
実はあったりしてね。
── ずるい(笑)。
鈴木 へへっ。
── 買う買う。
でも、オーディオ買い替えるのって、
めんどくさいのはね、
アンプ買い替える上に
配線を変えなきゃいけない。
鈴木 そうだね。
5.1の一番の問題は
6個のスピーカーを配線しなきゃいけないんだ。
── そうそうそう。まあ、いいけど。
ぼくもそんなきれいな
部屋じゃないから(笑)。
あ、慶一さん引っ越すんじゃなかったっけ。
鈴木 そうなんだよー。

というわけで次回は引っ越しの話です。

2003-12-26-FRI

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