大疑問・みんなでものしり。
10万人寄れば文殊の知恵。

塩味のゆで卵は、どうやってつくる?
darlingも、自分で挑戦!


しばらくごぶさたしておりました。
このページは、わたくしdarlingに
ちょっと時間ができたときに作るので、
ほっておくとまったく止まってしまいます。
だいたい、もう間に合わないっていうのに、
引っ越しの案内状も作ってないのにねー。

でも、やるよ。
『塩味のゆで卵の作り方』の答えを、バシっと出します。
「ほぼ日」5億人の読者がいれば・・・そんなにいないか?
どんな難問も、なんとかなるぜ。

じつは、これ、困ったことに、
他のサイトで、すでにおもしろがり終わった疑問で、
そこにすでに詳しく書いてあったりして、
みんながせっかく、たくさんの答えをくれたのに、
「なーんだ二番せんじか」と言われちゃいそうだったのよ。

だけど「ほぼ日」ならではのやり方もあるだろうってことで、
右往左往しつつ、なんとか名答にたどり着きましょう。

まずは、疑問のおさらい。

◆コンビニやスーパーで売っている、
「ゆで卵」についてです。
あれは程良く塩味が付いているのですが、
殻を割ったり、穴を空けたりした形跡も見られません。
ゆで卵を作るとき、濃い塩水でゆでてみたのですが、
中身には全く味がしみこんでいませんでした。
売っているものは半熟だったりするので、
煮出す時間はあまり関係なさそうです。
あれはどうやって作っているのでしょうか?
もし、家庭でも簡単に作れるようならば、
とても便利(お弁当の中身とか)だと思います。
是非、知りたいものです。

はっとり よしさと


そして、当然のことのように、
ヤマカンで答えを寄せる人が飛びつく!

「塩味のゆでたまごについて」

実は、アレは鶏の飼育段階から普通の鶏とは違って、
食塩水しか飲ませないんですよ。
当然高血圧になりますし早死にしますけど、
また美味いんだ。肉が。

牧 亨


やってくれるよなぁ。
でも、いい、です。こういうのも読みたいから。
さらに、「そんな気がする」系のメールも。

かなり以前にテレビ番組で、
いろんな味のゆで卵を作る方が取り上げられていました。
その方は自信作である
『カレー味のゆで卵』を熱く紹介していました。
「製法は企業秘密」と言いながらも、
レポーターに乗せられて、
業務用の圧力釜でかなり強引に
味を染み込ませている事をしゃべっていました。
問題の卵はちゃんと中心までカレー色をしていました。
ですので、
塩味くらいちょっと圧力をかければ付きそうな感じです。

かぶちゅ


『感じです』ってことでまとめてるのが、味わいですね。
圧力釜ってコトバが、出てきましたが。
企業秘密のほうは、この関係の仕組みなんでしょうね。
感じはわかったのですが、答えが欲しいでしょう。
と、ここに『有名な疑問ですよ』という人が出現。

これは結構有名なので
たーくさん解答メールが届いているのではないでしょうか。
とわかっているのに送ってしまうのは、
やっと僕の解答できる初問題が出てきたので
記念に参加させていただこうと思いまして…。

「卵を一晩、程良い加減の塩水につけておいてからゆでると
 殻付きなのに味付きのゆで卵ができます」

いくら殻とはいえ、
一晩もつけておくと中に染み込むのでしょう。
個人的には「ゆで卵はマヨネーズ派」なんですが。



あ、そういうことですか。
その後、この有名な疑問で遊ぶサイト名を教えてくれる人や
その引用などがわんさか届いたのですが・・・。

親切にまとめてくれたものを、
代表例として掲載させていただきます。

味付き卵の秘密、僕もずっと気になってました。
数学者の藤原正彦さんのエッセイ
「父の威厳・数学者の意地」に
「不思議なゆで卵」として紹介されていたからです。

藤原さんのエッセイでは
「ふしぎだふしぎだ」ということで終わっていたので、
Googleで色々検索してみました。

その結果、どうやら(効率的な?)製法が
特許になっているらしいことを発見しました。

http://www1.ipdl.jpo.go.jp/FP1/cgi-bin/FP1INIT 
このページから検索できるのです。

殻付き卵の調理方法及び調理装置
(公開番号 : 特開2000-157160)
殻付き卵の付加価値加工法
(公開番号 : 特開2000-157160 )

と言う二つを見つけました。

こういう大規模なものじゃなくて、
個人が色々実験しているサイトも見つけました。
http://www.snet.ne.jp/milk32/egg.html など

酸で殻を薄く柔らかくしてから、
濃い食塩水につけ込んで浸透させようとしていました。
商品と全く同じというわけには行かなかったようですが、
塩味は付いたみたいです。

以前、保温調理法というのが流行ったことがありましたが、
それによると、煮物で味がしみこむのは
材料が冷めていく時だということでしたから、
味付き卵も、保温調理法でやってみると
さらに塩分が浸透するのかもしれないな、
と思っています。←実験してないんですが。

ではでは。
Siesta


そっかぁ、なんだかあんまりふくらみにくい疑問だなぁ。
なんて思っていると、いいボケ味の人もいて。

そーなんですか。
コンビニのゆで卵って塩味なんですか。
知らなかった・・・。買ったことなかったし。
昔、駅の売店なんかで白い網に入ってたゆで卵は
買ったことあるんですが、あれは塩の小袋ついてたし。
そーなんだ、塩味なんだ、コンビニのゆで卵って・・・。

FROM:うー


そこに、『自分でつくったことがある』という人から、
その方法を書いたメールがやってきたよ。

塩味のゆで卵は昔作った事があります。
コンビニのがそれと同じかどうかは存じませんが、
私のやり方は・・・

1.塩水(お湯はダメ)を自分の好みの濃さに作る
2.生卵のまま何時間か浸す
(一晩つけると結構味がつきます)
3.その浸けた水に入れたまま茹でる

すると、あ〜ら不思議、ゆで卵が塩味に。

ポイント: 塩加減と浸け時間次第で
      出来あがりの塩味の濃さが変わります。 
       私は舐めてちょっとしょっぱいかなあ、と
      感じる位の塩水に一晩つけて茹でます。

スカシカシパンより


そこで、これなら、
圧力も塩酸もいらないのだからと、
ぼく自身が実験してみることにした。
いま午前3時。
塩水の濃さは、みんなの報告を読んでいたから
薄すぎないようにということだけには気をつけて、
とんでもない濃さにしてみた。
じゃ、いったん、ここでストップします。

で、翌日、この日は休日でしたが、
昼間から会議があったので外出していて、
夕方の5時過ぎに帰宅。
「もう、14時間もつけておいたわけだから、
 一晩つけるって以上の時間が経った、と」と、
安心してゆでました。

ゆだったゆだった。
水につけてカラをむきやすくして、むいて、食う。

ぜーんぜん、塩味なんてついてない!
気の持ちようによっては、白身の表面の部分に
薄い薄い味がついていたと言えなくもない
かもしれないけど
「なし」と言ったほうが正直でしょう。
ってことは、
「生卵は呼吸しているから、生のうちに
 濃い塩分につけておけば塩味のゆで卵はできる」
というご意見は、ぜんぶアキマヘンでした。
やっぱり、カラを化学的にうすくしておくか、
圧力をかけるかの方法をとらないと無理です。


ってことで、今回の結論を出すことにします。
「塩味のゆで卵をつくるには?」
「業務用の圧力釜でかなり強引に味を染み込ませる
(プロはね)」
ってことで、もうやめにします。
もし、気が向いて自宅の圧力釜でやってみる方がいたら、
また報告してください。
ぼくは、ここでやめときました。

次回は、『人はなぜ、夏に恋をするか?』の答えを、
掲載します。
この答えについても、まだ、これじゃというものは、
見当たっていません。
疑問そのものを詳しく知りたい方は、
前回のこのページを読んでください。

疑問、解答ともに、メールで、
gimon@1101.com
までお寄せ下さい。
タイトルに必ず
「みんなでものしり」と記してくださいね。
さらに、新しい疑問のメールには「疑問」の二文字を、
お答えのメールには「解答」の二文字を記していただくと、
ぼくが、編集するときにとてもラクになります。

darlingでした。

2001-07-24-TUE

BACK
戻る