モノポリーエッセイ

世界選手権2004日本大会報告
〜第7回:波瀾の展開
     植田選手の1回戦〜



こんにちは。
日本代表・植田選手の1回戦のゲーム展開の続きです。

そして、権利書がほぼ場に出揃った状態。
ぱっと見てすぐにわかるように、
グリーンが売り切れるのを待つまでもなく、
実はポルトガルとアイルランドが
鉄道・ライトブルーで「ツーペー」(注)に
なっていました。
このままオレンジとレッドを殺して
「二人でゆるゆる行きませんか?」という作戦も
考えられそうですが、
あえて黙って待っていたからには、
この2国の狙いは一気に高額の土地を経営すること、
にあったと思われます。

(注)ツーペー:
二人で2つのグループの権利書を持ち合って交換すれば、
二人がそれぞれ1つのグループを揃えられる状態。
例えば、Aさんが
Or(オレンジ)2枚、Re(レッド)1枚を持ち、
BさんがOr1枚、Re2枚を持っているようなケース。
Aさん、Bさんは容易にグループを経営できるため、
その他のプレーヤーが圧倒的に不利となってしまいます。

確かに、ここまで「場の現金」が増えてしまうと、
いまさら鉄道やライトブルーなどを経営開始しても、
即座にライトパープルやイエローなどで
反撃に出られるのが目に見えており、
しかもどちらも相当な軒数が建ちそうです。

実際にそこまで読んでいたのかどうかはともかくとして、
アイルランドはまずスウェーデンに交渉を持ちかけます。
鉄道2枚に200ドルをつけて、
レッドの権利書1枚をもらってくる交渉。
なんとなく上っ面だけを見れば
悪くない内容に思えるだけに、
この提示はスウェーデンも喜び、即座に成立します。
しかしこの交渉はスウェーデンにはもちろん、
日本にとってもかなり「おいしくない」動きでした。

「あそこは対抗条件を提示してでも
 止めなければいけなかった」

植田選手もあとでそのように振り返っているように、
この瞬間は非常に重要でした。
そう、これにより、アイルランド側は
「3国3色」の状態になってしまったのです。

続いて大型交渉が始まり、結果的には、
ポルトガルがグリーン、アイルランドがレッド、
クロアチアがライトブルーをそろえます。
しかもよく見ると
ポルトガルの駒は、放出したレッドの手前にいます。
何か勘違いしたのでしょうか。
アイルランドは知らん振りしてレッドに8軒スタート。

植田選手は自分も手前にいるにもかかわらず、
もう今しかチャンスがないとばかりに、
赤に追加建築させるべく
アイルランドからオレンジを購入しようとしますが、
もう「聞く耳持たず」の状態で、
条件を聞いてすらくれません。
植田選手は仕方なくダイスを振って
なんと3軒建っているケンタッキー通りに着地。
いきなり700ドルのレンタル料です。
更に続くスウェーデン、ポルトガルも
同じケンタッキーに入ってしまい、
このゲームは一気にアイルランドへ傾きます。


(予想外の展開に表情も曇りがち!?の植田選手)

2005-05-28-SAT

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