動物界にいるミグノンの友森さん。

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第11回 趣味だから。

糸井 犬に関していえば、のら犬って見なくなりましたね。
友森 東京だと、もういないですね。
糸井 ほぼいないよね。
でも、山に捨てる人がいるらしいけど。
友森 うん、山に捨てる人はいます。
山では、絶対犬は生きられなくて、
ガス室より苦しんで死にます。
やっぱり、飢餓がいちばんかわいそうです。
糸井 そうだよね。
友森 殺処分しなくてよくなればいいと思うけど、
処分数の多い地方で、もしも愛護センターが
「引き取りやめます」と言った場合、
山に捨てたり、川に捨てたりする人が出るでしょう。
そうすれば動物は苦しんで死ぬことになります。
だから、センターは引き取ったほうがいい。
事情は地域ごとに違うので、
なんでも一律にして考えないほうがいいと思います。
糸井 友森さん。最後に訊くけどさ、どうなればいいと思う?
自分の活動と、それから、犬猫を取り巻く社会とか、
どうなるといちばんいい?
友森 人間が積極的に
動物を処分する必要があるということは
異常なので、
それがなくなってくれればいいと思います。
こういう活動の必要がない社会になれば
理想ですけど、そんなことはないと思う。
だから、こうやって活動する人が増えたり、
活動することがごくふつうになって、
個々の負担が減ればいいと思います。

動物好きで、犬や猫を飼ってる人は、
ボランティアにもチョロッと関わってる、
そのくらいになれば、みんなが楽になるかな?
糸井 社会活動とか、
人が「いいこと」みたいに思ってることについては
それぞれの役割があっていいと思う。
ぼくは昔、ビートルズが、
女王さまが観にきたときのライブで
「お金持ちの人は
 宝石をジャラジャラ鳴らしてください。
 お金のない人は拍手してください」
と言ったのが好きで。
友森 あぁ、すごい。
糸井 あれは見事だと思うんだ。
友森 うん。
糸井 拍手も、宝石をジャラジャラさせる音も、役割です。
動物愛護というのは、まさしくそれです。
黙ってフードを運んでくれる人も、
保護動物をあずかる人も、
運搬をちょっとだけ助けてくれることだって、
その役をしてくれています。
やれる以上のことをやろうとすると、ひずみがくる。
友森 それは逆に
みんなの手をかけさせることになるから。
糸井 たとえば、さっきも言ったけど、
「センターにいるあの子が
 あと3日で処分されてしまいます」
という、一見罪のないツイートが、
そういう問題を生みますね。
友森 団体への譲渡が積極的な県だと、それで騒がれることで、
みんなに迷惑がかかるんですよ。
そのリツイートが回ったせいで、たとえば、
「かわいそうだから、処分を止めてもらいましょう」
と、センターに電話が行っちゃいます。

愛護センターは職員の数が少ないです。
彼らは1日中、電話に出ています。
その電話に出る暇があったら、
犬の爪が切れるし、薬も飲ませられるし、
保護してくれそうな団体さんに
譲渡の電話もできるんです。

動物を好きだけど、全体を見られていない人が、
逆にこういう活動の邪魔になっています。
興味のない人は何もしないから、
逆に、よかったりします。
むずかしいんですよ。
あんまりこういうことは言いたくないんですけど。
糸井 でも、きっちりと言っていきたいことです。
「騒ぐだけ」っていうのが、いちばん困る。
友森 騒ぐだけなら、誰でもできますからね。
糸井 騒いだから、いいことをしたような気になるけども。
友森 やったつもりだけど、実は何もやってないです。
だったら、できることとできないことを
考えてもらうのがいい。
できることがあったらやればいいし、できない場合は、
「何ができないのか」とか
「どうしたらできるようになるか」を
静かに考えたほうがいい。
糸井 小さい声で「がんばれ」って言うとかね、
そういうことでいい。
友森 ほんとうに、祈っててくれるとかでもいいです。
糸井 ミグノンは、これからどういうふうになっていくの?
団体を、もう縮小できなくなっちゃったでしょう?
友森 私は団体がここまで大きくなると思っていませんでした。
もともとプランもなくはじめたことなので、
この先もどうなるかわからないんですが、
いまは、シェルターをはじめてしまったので、
そこをつぶさないことが第一です。

そして、ここまで保護数が増えてしまったのだから、
私が事故ったり頭打って死んだら、
すごく迷惑な話になります。
私がポンと抜けても、動物が飢えないように、
きちんと回るようなシステムを作ることが肝心です。
そう考えると、もっと大きくしちゃったほうが、
逆にいいと思う。
糸井 そうだね。
友森 あとはさっき言ったように、医療施設です。
いま、猫シェルターに診察室を作ろうとしています。
病院系も、今後やっていくかもしれません。
そうすると、団体の中で医療費節約しながら、
病院運営できますから。
糸井 そうだね。
友森 将来は、美容室の人とか訓練士の人も
有償でいいから巻き込みたいです。
そのぶんの寄付金も集めて、人も増やして、
私がいないほうが回るくらいになれば、安心です。
そうやって、動物の保護がどんどんふつうになればいい。
糸井 「いいことぽくなくする」人たちが
増えてほしいね。
友森 私だって、誰かに「やれ」って言われたわけでもなく、
好きでやってるんだから、
別にいいことじゃないですよ。
悪いことでもないけど。
これは趣味のひとつだから。
糸井 全力を尽くさないとできない趣味だね。
友森 でも、趣味だから、全力を尽くせるんです。
糸井 あ、そうか。好きだから。
友森 たのしみだから。
たのしくなくなったら、やめちゃうかもしれません。
糸井 ここの在り方は、やっぱり
ものすごいヒントになるね。
友森 そうですか?
あんまり、考えないんだけど。
糸井 考えてないと思うけど、
その割には無責任になれないじゃない?
慎重さもあるし。
友森 うん、そうですね。
糸井 これからがすごくたのしみです。
今後の展開も、どんどん「ほぼ日」で
報告していければいいと思う。
友森 今日はありがとうございました。
わんわん博士が解説するのじゃ★またね

これで、友森さんと糸井の対談は終わりですのじゃ。
これからも、ほぼ日では、
ミグノンの活動を伝えていきたいと思っています。
もしよろしければ、感想や応援など、
postman@1101.comまでお送りください。
それではまた! ご愛読、ありがとでしたのじゃワン〜。

(おしまい)

2014-01-21-TUE

ーstaff membersー
design:pri graphics
photo:Hajime Shimizu,Kento Yoshida
illustration:Unite
technical support:Okamura
edit:Sugano

ワンワン博士が教えます ミグノンのお手伝い、いろいろ方法があるのじゃぞ

「ランコントレ・ミグノン」は
一般社団法人の動物愛護団体なのじゃ。
東京都動物愛護相談センターから犬や猫の引き取りをし、
譲渡会やイベントなどを開いているのじゃぞ。
そこには、たくさんの人たちが少しずつ参加をしておるのじゃ。
いろんな方法があるので、気になったら
下のボタンを押してみとくれな〜っっ。