動物界にいるミグノンの友森さん。

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シェルターを作る理由。

糸井 シェルターを作ったのは、
福島の引き取りがきっかけだったの?
友森 そうです。
犬を毎週20頭くらい捕まえていて、
すぐにパンクするのはあきらかでした。
短期で人にあずけながら、
だましだまし福島に通っていたので、
早く収容場所を見つけてなんとかしないと、
とんでもないことになると思っていました。

「土地を貸してくれる人はいないか」
と、あちこちで聞きまわっていたら、
たまたまうちから
過去にキャバリアをもらってくれた人の知り合いが、
手をあげてくれたんです。
わんわん博士が解説するのじゃ★福島の引き取り

友森さんは、東日本大震災による
福島第一原発の事故によって
避難地域で取り残された動物を
保護する活動をしていたのじゃ。

友森さんの福島での保護活動については、
いっしょに参加していた「ほぼ日」の永田の
「福島の特別な夏。」の
この回この回この回にも
掲載されているので、もしよかったら
3回とも読んでおくれな~。

糸井 まるまる助けてくれたわけだよね。
友森 最初は、土地だけを借りる約束だったんだけど‥‥。
実は土地の前に、
私はプレハブを押さえてたんですよ。
糸井 建物そのものを?
友森 うん。震災で絶対に
建築資材が足りなくなると思ったから。
動物用だから、ぼろくていいんです。
安い中古のプレハブを2棟くらい買っておいて、
置く場所さえ見つかれば、
すぐにシェルターをはじめられるのです。
20畳くらいの倉庫タイプのプレハブ2棟、
6畳の物置みたいなちっちゃいプレハブ、
あわせて3棟、160万円くらいの
ぼろぼろのを見つけておいたんです。
糸井 それ、どこで見つけるの?
友森 ネットです。
ネットで扱ってる会社を探して、電話しました。
糸井 ネットがなかったら、手がかりはないわけ?
友森 ないです。だって、プレハブ買ったことないから(笑)。
糸井 それはいつ頃?
友森 震災から1週間後には確保してました。
あの規模の災害が起きたら、絶対に
動物を収容する場所が足りなくなります。
なるべく被災地のそばがいいんだけれども、
東京でもいいという話があれば、
受け入れたほうがいいと思いました。

プレハブを手に入れたら次は土地。
そして、さきほど手をあげてくれた人に
3月の終わりに会うことができました。

「プレハブを何棟か建てさせてもらって
 動物を保護するので、最低1年は借りたい」
という話をしたら、彼は会社をいくつか経営してる人で、
「絶対に何も考えてないな」
と思ったみたいです(笑)。
「君、もう福島に行ってるんだろう?」
「2回くらい行ってます。今日も夜中に出るんです」
「資金計画はどうなってるわけ?」
「寄付金を集めるのはこれからなので、
 このプレハブについては、
 とりあえず自分で払っておきます」
「でも、もう犬、捕まえてるんだよね?
 その保護費はどうするんだ?」
「寄付金集めます」
その人、ものすごくあきれ返って、
「もういいから、ぜんぶこっちでやっておくから、
 福島行ってくれば」
と言われました。
「いれものは用意してあげるから、
 君はどんどん犬を捕まえてきなさい」
「ありがとうございます」
そうして、建物や柵を作ってくれて、
光熱費も払えないだろうと思ったみたいで、
光熱費を払ってくれたり人も雇ってくれました。
糸井 ペットサロンのほうの仕事は、
それまでどおりにできてたの?
友森 普通にやってました。
糸井 それがけっこう重要だね。
友森 だって、つぶすわけにいかないから。
いまは寄付金がちょっとずつ入るようになったけど、
震災までの時期は団体はずっと赤字で
それを自分で埋めてたんです。

別に、保護活動は赤字でいいんですよ。
ボランティアでやってるんだし、
自分も寄付すべきだと思ってたし。
借金を払い終わってから保護活動をはじめたのも、
それまでの借金の返済分をそのまま
動物に役立てようと思ったからです。
だから、それが逆に、
「被災動物を保護するから、店の営業時間短縮します」
なんてことをして、売り上げが落ちると‥‥。
糸井 できないね。
友森 そう。養えなくなるから、責任が取れなくなる。
だから、仕事は極力通常どおりにできるよう努めました。
もちろん、影響はしたけど、
休みの日だけ福島に行くことにしていました。
糸井 福島に友森さんが行ったのは震災のすぐあとでしょう。
友森 3月なかばです。
現地に着いたら、最初に自衛隊の人がいて、
どこに行くのか訊かれました。
「救援物資積んでるんですけど、
 どこに持ってったらいいですか?」
「じゃあ、福祉センターというところで
 物資集めてるんで、行ってください」
と言われました。
南相馬から6号線を車で行き、
左が海なのに、右の山に船があったりして、
走っていたらわけがわからなくなりました。
福祉センターの倉庫に着いたら、
水も食べものも山積みになっていました。
ガソリンがなくて、
届いた物資をそこから分けられないのです。

だから、自分たちが積んでいたガソリンを
携行缶で役場の人に、
「20リットルだけ置いていくんで、
 取り残されたお年寄りを見るのにも使ってください」
と渡しました。
「いいんですか」って、すごい喜ばれて。
糸井 「20リットル」は、そのときには貴重だろうね。
友森 街じゅうに犬が走り回ってて、捕まえてたら、
お年寄りによく会いました。
大丈夫ですか、と訊くと
「うちはいいから、大丈夫、大丈夫」
でも、よく聞くと、水がない。
「飲み水と、お米をたく水がない」
と言うんです。
「ガソリンがないから、もらいに行けないの」
といっていました。
糸井 それは、福島市?
友森 南相馬市の原町です。30キロ圏内。
最初は30キロ圏内で、捕まえるだけ捕まえて、
動物は保健所にお願いして、
人間の物資を置いて帰ってきました。
糸井 つまり最初は、捕って、
保健所にあずける役をしてたんだ。
友森 最初の1回はそうでした。
「来週の休みも、また行こう」と言って、
次は20キロ圏内でいっぱい捕獲しました。
検問では「愛護団体です」と言うと、通してくれました。
保健所にあずけようと思ったら、
その時点で、保健所がいっぱいになっていたんです。
糸井 1週間経ったらそうなってたんだ。
友森 そう。
「じゃあ、持って帰らなきゃ」
ということになりました。
糸井 まだ3月中?
友森 3月30日。
それからまもなく警戒区域が閉じて入れなくなった。
だからその日は、張り切って、2往復しました(笑)。
糸井 え? 東京から2往復?
友森 1回で20頭しか積めないからね。
水曜の夜中に出て、
木曜の明け方から日没まで捕獲して
東京帰って、犬を降ろして、あずかり先を割り振って、
1時間くらい寝て、シャワー浴びて、また福島へ。
糸井 まだそのときには、
さっきの話のシェルターは、できてないよね?
友森 ないです。
帰りにメールで、
「何時頃に東京に着くので、
 あずかれる人は来てください」
とお知らせして、割り振りました。
糸井 捕まえるのにも、体力が要るよね。
友森 忍者になりたいと思った。
糸井 犬は逃げようとするから。
友森 逃げる。パニックですからね。
人恋しくて「ワンワン」って来るけど、
縄なんか持ってたら、
絶対に2メートルくらい離れます。
それを、チームワークで、
一緒にいた犬の訓練士の人といっしょに
3点くらいで追い込んで行って。
訓練士の人が犬をの注意を引きつけてる間に、
後ろからそっと忍び寄って、バッて縄かけたりとかして。
それが、すっごくたのしくて。
糸井 (笑)それ自体はたのしいんだ。
友森 だってそれは、犬との究極の駆け引きだから。
当時は「たのしい」って言えないけど。
糸井 でも、いくらたのしくても、
1回やるごとにヘトヘトになるわけだから
体力メーターは、どんどん下がって行くよね。
友森 体と脳が分離していく感じでした。
6月になって、やっとシェルターができました。

(つづきます)

東京都動物愛護相談センターってどんなところ? その5
佐竹 猫の殺処分を減らすことが
目前の課題であるのはまちがいありません。
約7割、子猫なんです。
東京都としては、
10年前から猫対策に力を入れてきています。
飼い主の三原則、ということで、まず、
「室内飼育をしてください」とお伝えしています。
ほぼ日 戸外に出てしまうと、やはり
妊娠の可能性があるということですか?
佐竹 それもありますが、猫の問題は、
子どもが生まれることだけじゃなくて、
近隣に迷惑がかかるという問題もあるのです。
猫ってもともと、ねずみを捕るために、
外で放して飼うのがあたりまえ、というのが
日本の古来からの考え方ですよね。
ですから、室内飼育というのはなかなか
理解を得られなかったんですが。
ほぼ日 そうでしょうね。
佐竹 でも、東京都の場合、
いまでは半分以上の方が室内飼育をしています。
外に出すと、猫エイズや交通事故の危険性も高い。
外の猫は5~6年くらいの寿命です。
でも、家のなかで飼えば20年ほど、
健康に生きられます。
「不妊手術」はあたりまえのことです。
逃げてしまったときのために、
「身元の表示」もしっかりしてくれればいい。
これをやれば、基本的に、
のら猫は、一切発生しないわけです。

しかし、のら猫が現にいて、
増えたり、問題が起きたりしている。
それはなんとかしなければなりません。
そこで東京都は、
地域の取り組みを支援する仕組みをつくりました。
みなさんは、地域猫活動は、ご存知ですよね。
ほぼ日 地域猫活動。
地域ののら猫を
住んでいる人たちで管理する形態ですね。
佐竹 そうです。
こんなふうに、地域猫っていえば「あぁ」と、
みなさんの頭に入っているんですね。
10年前、地域猫という言葉は、
一部のボランティアの方が知っているだけでした。
誰もそんなこと知らない。
ましてや、行政の担当者は
ほとんど知らない状況だったんですよ。
だけど、東京都は、
平成13年からモデルプランを作ったり
いろんな活動や支援をしてきました。

区市町村の不妊手術の助成制度も、
そういった地域猫に、重点的に使ったりしました。
いまではいくつもの区が、あたりまえのように、
それをやるようになってきました。

(このコラムも、つづきます)

2014-01-15-WED

「ランコントレ・ミグノン」は
一般社団法人の動物愛護団体なのじゃ。
東京都動物愛護相談センターから犬や猫の引き取りをし、
譲渡会やイベントなどを開いているのじゃぞ。
そこには、たくさんの人たちが少しずつ参加をしておるのじゃ。
いろんな方法があるので、気になったら
下のボタンを押してみとくれな〜っっ。