動物界にいるミグノンの友森さん。

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「だいたいわかった」の1年。

友森 うちの団体は、いま、
ボランティアさんの人数が増えています。
糸井 噂では、150人と聞きますが。
友森 登録数は150人くらいいます。
シェルターのボランティアさんが130人くらい、
あずかりボランティアさんが30人くらい。

一般的に、人数が50人を超えると、グループというのは
もめごとや内部分裂が起きがちだと思いますが、
うちは私があまりにもだめだから
「とりあえず、みんなであの人をなんとかしよう」
という感じで、まとまってくれています。
ボランティアさん同士の派閥はできません。
やる気のある人が集まっているはずなので、
そういうことはどうしても起こると思うのですが、
私がしっかりしてないし、仕切らないから
そういうことにはならないんです。
糸井 愛護団体をスタートしたのは、
この店が回るようになってから?
友森 店を設立した借金を返し終わってからなので、
いまで7年目です。
糸井 最初から「団体」でやろうと思ったの?
友森 何も考えていませんでした。
ただ「自分は動物の何を助けるのか」と考えると、
結局のところ、処分ぎりぎりの動物になります。
そうなると、行政施設から引き取るしかないので、
団体登録したほうがスムーズでした。
糸井 行政からは、個人では引き取れないの?
友森 個人の保護者として登録もできるんですが、
やはり限界があります。
ですから、最初に何人か仲間に集まってもらって
名簿を作って団体登録しました。

自分で団体をやる前に、いろんな団体さんの
お手伝いもさせてもらって勉強しました。

ほんとうは、最初は団体なんかやるつもりはなくて、
ほかの愛護団体の1メンバーとしてお手伝いして
のんびりやろうと思ってたんです。
でも、意外に、私が見てきた愛護団体は
ペット業種の人があまりいなかったりんですよ。
愛犬家、愛猫家が中心となって
やっていらっしゃるところが多かった。
糸井 消費者側しかいないんだ。
友森 ですから、引き取った動物の皮膚が
ボロボロになってたりすると
「どうしたら治るだろう?」
「かわいそうだ、シャンプーしてやらなきゃ」
というようなことがよくありました。
見る人が見れば、たとえば
「左右対称に剥げてて、痒がってないから、
 まずホルモン異常を疑う」
などというのはすぐわかるんです。
「かわいそう」と言いつづけるのはちょっとちがう。
どうしても口を出したくなりました。
糸井 知識がないとわからないもんね。
友森 自分はその愛護団体では新人でしたが、
そうやっていろいろ口を出してました。
その人たちも、わからないなりに
長年一生懸命やってるのに、
よく知らないような人にいろいろ口を出されたら、
うざったいこともあると思います。

そして、
「口ばっかり出すくらいだったら、納得いくかたちで、
 ちっちゃくていいから自分でやろう」
と思いたちました。
専門知識もあるし、シャンプー、カットはできます。
動物病院とのコネクションもあるし、
フードも取引先からもらえます。
もしかしたら「ペットサロン ミグノン」の
シャンプーのお客さんに譲渡できるかもしれないから、
譲渡の流れも作りやすいな、と思って。
糸井 そうか。ここなら全部入ってるね。
友森 そうなんです。効率がいいかもしれない。
ペットホテルもやってるから、保護場所もあります。
「グチャグチャ言ってないで、自分で行動するべきだ」
と思って、団体というかたちにしました。
糸井 それは、いつのこと?
友森 7年前です。
自分で団体をやりはじめた当初は、
行政のことも信頼してなかったし、
自信がなくてたくさんの数は保護できなかったから、
引き取る犬を選ぶのがすごく怖かったんですよ。
糸井 あぁ、なるほど。うん、うん。
友森 すごく気負っちゃって。
「選んだ子しか助けられない」
と悩みながら選んでいました。
「選ばなかった犬は間接的に私が殺してるようなもんだ」
と思って通っていました。
糸井 そりゃ、つらいよね。
友森 けれどもそのうち、行政だって
極力処分しないでやってることもわかってきましたし、
いろんな団体さんとも交流ができて、
「あの団体は、こっち系の犬を持っていくんだな。
 じゃあうちは違うのを持っていこう」
などと引いて見るようになりました。
いろんな人たちから、
「よく行けるわね」
「私は動物が好きだから、
 愛護センターなんてところ、足を踏み入れられない」
なんて言われるんですが、
いま私は、センターのことも信頼してるし、
ほかの団体もそれぞれがそれぞれの方法で
助けるだろうと思ってるし、
自分のところもある程度引き取れるぞ、
くらいの体力ができました。
そうしたら、けっこうたのしんで
センターに引き取りにいけるようになりました。
糸井 そういうことがわかりはじめたのには、
きっかけがあったの?
友森 そうですね、ありました。
初期の頃、気負うわりにたくさん保護できないから
そのぶん何かしなくちゃと思って
電話の応対を申し出たんです。
私はその頃、センターが持ちこみをちゃんと断らないから
収容が増えてるんだ、と思ってました。
「持ちこませちゃだめだよ」
とセンターに言ってたんです。
糸井 つまり、持ち込む人が思いとどまるほうへ
うながすのがいいと思ったんだね。
友森 そうなんです。
自分が引き出せないもんだから、
入口閉めちゃえばいいと思っていました。
「電話を全部うちに回してください」
なんて偉そうなことを言って、
センターに引き取り依頼の電話が来たら
うちを案内してもらうことにしたのです。
区役所にも、保健所にもそう言いました。

でも、自分でやってみたら、わかりました。
電話をかけててくる人は、とことん飼えなくなって、
もう後がなくなっている人たちなんです。
私が中途半端に
「じゃあ、こうやったら、飼えるんじゃないですか?」
などと言ったところで、聞く耳も持たないし
「もう、そういう状況じゃないんです」
と言うばかりです。
えらそうに「とめてみせる」と言ったけど、
彼らは結局、持ちこむんですよ。
糸井 そうなんだね。
友森 「なんだ、愛護センターの人が
 無能だったんじゃないんだ」
と、そのときにわかりました。
最初の1年以内で
「あの人たちは、やるだけのことをやって、
 いまこの状態なんだから、私たちは口を出さずに、
 とにかく1頭でも多く引き取ればいい。
 そうすると収容動物が減って、
 動物の環境もよくなるから、とにかく黙って出そう」
と思いました。
糸井 1年すごして、わかったんだ。
友森 うん。1年をすごすと、いろんなことが
だいたいわかります。
お盆休み前にいっぱい捨てられるのも見るし、
夏場にがんばって保護しても
譲渡会に人が来ないことも経験する。
秋口、涼しくなった途端に譲渡の申し込みが増えて
譲渡希望が逆に重なっちゃったり、
そしてまた、年末にいっぱい捨てられるのを知る。
それを一巡して体験すると、
「なるほど」ということになります。
糸井 マーケティングができるわけだ。
友森 そうです。
翌年もこのパターンだから、
秋口とゴールデンウィーク前後はいっぱい譲渡できる。
いっぱい引き出さなきゃいけないのが、夏休み前と年末。
うちはちっちゃいけれども、譲渡するまでの間に
なるべくお金と時間をかけないで
効率よくやっていけば、少人数で運営できます。
初期はそうして、
人間関係のややこしさもすっとばせるように、
少人数でやっていこうと思っていました。
糸井 人数少なくすると、
ひとりずつの労働量は増えるでしょう。
友森 やっぱり無理が出てきます。
どんなに「いいのを保護したな」と思っても、
ニーズがない時期は譲渡できないから、
うちで飼育しつづけます。
動物の世話するための人手が足りないと、
次の保護ができなくなってしまいます。
やっぱり裾野を広げないと助けられないんだな、
ということにも気づいてきて、
いまはボランティアさんを「ウェルカム」で
増やしはじめています。

気持ちはあるけど、ボランティアってみんなはできない。
ボランティアができる人は、ほんとうに少ないんです。
できる人は恵まれてる人です。
糸井 そうだよね。
友森 何がいちばんできないかというと、
生きものを自宅にあずかることです。
そんな人はほとんどいないから、
やっぱりそういう動物を置いておく場所があればいい。
そうすればみんなで世話ができます。
糸井 うん、そうだね。
友森 そういう意味では、
シェルターのような形は必要なのかな、と思っています。
わんわん博士が解説するのじゃ★シェルター

動物愛護的な観点で「シェルター」といえば、
動物を一定期間あずかる施設のことじゃ。
比較的広く、野外である場合もある。
広い場所にシェルターがあるところでは、
何匹も犬が保護されていて、
ドッグランなどが併設されていたりするのじゃ。
ミグノンには、現在、東京・中野に犬のシェルター、
鷺ノ宮に猫シェルターがあるのじゃぞ。

(つづきます)

東京都動物愛護相談センターってどんなところ? その4
ほぼ日 殺処分数は、どうでしょうか。
佐竹 減ってきてはいます。
平成5年で「19,602頭」、
平成23年で「2,190頭」です。
殺処分数というのはつまり、
ここに入ってきた動物のなかから
飼い主さんに返ったり譲渡したものを除いた数です。
ほぼ日 (資料を見て)記録があるなかの、
昭和58年がピークですね。
「56,427頭」か‥‥。
2190まで、ずいぶん減りましたね。
けどまだ、2190いるんですね。
佐竹 そうなんです、そうなんです。
ここまで、減らしてきてる事実があるんですが‥‥
たとえば、子犬。
20年前に2300くらいいたのが、
平成23年にセンターに入ってきたのは2頭です。
殺処分数でいえば、0。
この2頭とも、もらわれていった。
ほぼ日 おぉ、すごい。やった!
佐竹 東京都の場合、ですけどね。
ところが、問題は、猫なんです。
ほぼ日 猫!
佐竹 殺処分頭数の、9割以上が猫なんです。
ほぼ日 子猫「1,438頭」、成猫「549頭」か‥‥。
犬について、
東京都はお手本になっていくといいですよね。
佐竹 昔は犬ってみんな、庭先につないで飼っていました。
そして、
「面倒くさいから、散歩に行ってきなさい」
といって、勝手に放しちゃって
交配して子どもが生まれたりしました。
不妊手術もあたりまえではなく、
「高い」「かわいそうだ」といって、
やらない人がいっぱいいました。
ですから昔は子犬、子猫がいっぱい拾われたんです。
ところが現在、特に東京23区の場合は
室内飼育がほとんどです。
逆に、外で飼ってる人のほうが少ない。
東京都ががんばってるとかそういう話ではなく、
意識やライフスタイル、都市構造の変化、
ということもあるのでしょう。
ほぼ日 なるほど。
佐竹 殺処分数にしても、関東近県はだいたい、
2000から3000くらいなので、
東京都が特段低いわけではないんです。
減らしていかなきゃいけないのです。

これまでは、社会の変化にともなって
急激に減ってきました。
でも、こういう曲線って、たいてい
少なくなるとなだらかになってくるものなんです。
ほぼ日 うーん。
佐竹 ここから先、減らしていくのが、
たぶん、そうとうむずかしいと思います。
東京都は、これを減らすために、
今後、どうしていくんだ、という話なんですが‥‥。
ほぼ日 猫が。
佐竹 猫なんです。
ほぼ日 子犬は0。子猫は1438。
佐竹 そう。

(このコラムも、つづきます)

2014-01-14-TUE

ワンワン博士が教えます ミグノンのお手伝い、いろいろ方法があるのじゃぞ

「ランコントレ・ミグノン」は
一般社団法人の動物愛護団体なのじゃ。
東京都動物愛護相談センターから犬や猫の引き取りをし、
譲渡会やイベントなどを開いているのじゃぞ。
そこには、たくさんの人たちが少しずつ参加をしておるのじゃ。
いろんな方法があるので、気になったら
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