SHIMIZU_MICHIKO
清水ミチコの試供品無料進呈
(秘密厳守)
2001年10月の日記

第243回

10月1日・月曜日

羽田で最近、搭乗の時に
「お名前をフルネームで。」と聞かれる。
テロ対策なんだって。
そんなん、私がテロでも
乗る前に名前なんかスラスラ言えるっちゅーに。
ま、こういう地道な心がけが必要なんですかな。

「おかず屋さん」収録終わって、
夜は「おかず屋さんよりお鮨屋さん〜」と、ヤノッチ誘って
二人でお店に行ったら、ちょっとガラの恐い
(いい意味で。洋服も。)お客さんが先におられ、
目が合って、廻れ右して、
お好み焼き屋さんに行って食べた。

でもこっちのお店の方が、話はなんだかはずむもんですね。
あ、焼肉もそうだし。
これ、何なのかしら?
食べ物が炎で焼かれて熱くなると、
心を開く習性が実は原始時代から
残ってたんだったりなんかしちゃったりなんかして〜。
(ここは広川太一朗声で)
でも、実際そうとしか思えないのよね。

「焼肉食べてるカップルってのはサ、ぜったいできてる」
なんてよく聞くけど、これは実は食べたあと、
そうなってしまうのではないか。

なんか知らんが炎を見て、野性に帰るのでは。

で、しばらくしたら、お店のおかみさんが、
テレビのモノマネ番組をつけて見だして。
正直、そんなに面白いネタじゃないように見えたんだけど、
ふと見ると、そのおかみさん、
ものすごく下を向いて、震えるように笑ってて、
あ〜、こんなに好きな人もいるんだ、と、思いながら、
どこが面白いのかな、ははあ、ここかな、と
思いながら見てたら、それだけでこっちまで
喜びが伝わってきた。
あっけなく伝染するもんですね。

10月2日・火曜日

のんびり「おかず屋さん」の続きを収録してる時、
事務所に防衛庁から電話があったそうだ。
びっくりしたなあー。
中谷防衛庁長官と二人で対談、ですって。
ファンなんだって。いいのかしら。
「いたずら電話じゃないのお?」と言ったら、
「いや、担当者の方、
 スケジュールの有無を言わせないような、
 それはそれは深い威厳と風格だった」んだそうだ。
一度、あそこには入ってみたいし。
でも、もしそうなったら、「質問」を、あらかじめ用意し、
ファックスするように言われたんだそうだ。
なんだよ。
じゃ、対談じゃないじゃないの。

10月3日・水曜日

忙しい一日。朝から何も食べず。
そしたら、ロケの合間に、
おいしそうなお蕎麦屋さんを発見した。行くさ。
メニュー見て迷う。
茶蕎麦って(抹茶入りのグリーンのヤツ)、
生涯一度も注文したことなかったんだけど、
隣の人のがめずらしくおいしそうで、
ここでまたまた悩んだ。

結局、更級のつけとろ一枚。わくわく。
ビジュアルパンク系の有名人たちが近くにおられた。
(そうか。昼に蕎麦を食うのか、、。同じ人間なんだな)と
感慨にふけったりした。
って、どういう意味だ。
到着したのが、すごく冷たいお蕎麦で、のどごし良くって、
気持ちよくすすった。
つけとろの「とろ」の部分なんか
頼まなくてもよかったかもしれない。
でもなあ、こういう名脇役はいてくれると安心なんだな、
いつも。
なんて思いながらず、ず。

10月4日・木曜日


ビバリー終わりで、キリン「TWO DOGS」の
CMナレーションへ。
青空球児・好児の、球児さんと私のコンビ再び。

スタジオに入る時、
帽子をかぶった球児さんの後ろ姿が見え、
(あ、同時到着!)、と思ったその時、
私の携帯に呼び出しがかかった。

1分弱ほどで話終わり、すぐに走ってドアを開けた。
そしたらソファーに「でーん!」と
「ふんぞりかえってみました!」という姿の球児さんが、
『、、4時間待ってたよ。俺。』と言ったのに笑った。

本当に、芸人さんのどなたも、本番じゃない時は、
暗かったり、複雑だったり、ナーバスだったりするけど、
この方は本当に「有り難い!」と思えるくらいに明るく、
軽い。

ずうっとしゃべってるんだけど、どの話も的確で、
えんえん聞いていたくなる。

鼻歌を歌うみたいに、ふんふん・ふふふんと
らくーに話される。貴重な逸材だ。

志ん朝さんが亡くなった、という話になり、
こんな事をおっしゃっていたので、ただ書きますね。

「前にサ、演舞場でね、まずユメさんが出て、俺らが出て、
 トリに志ん朝さん、っていう、
 プログラムの時があってね。
 俺はユメさんの次っていう順番だったから、
 横でステージ見てたんだけど、
 あの野郎があんまりうまくなってたのに驚いてね。
 浮かぶんだよ。ちゃんと様子や風景が。
 練習したんだよね。で、すぐユメさんとこ飛んでって、
 『あんた、うまくなったなあ!凄い成長したじゃないか!
  知らないあいだにおまえ、頑張ってたんだなあ!』
 つって誉めたんだよ。本気で。

 あいつも喜んでたなあ。で、俺らの出番が終わってから、
 志ん朝さんの噺をまた横で見てたんだよな。

 そしたら、これがのっけっから神がかりみたいな芸で、
 びっくりするくらいこう、光っててさ。
 や、ホントに光が見えるんだよ。さすっていうか、だな。

 で、俺はね、とにかくすぐユメさんとこ飛んでったよ。

 で、
 『ごめん、やっぱ、あんたはたいしたことなかった!』
 って、ちゃんと撤回したことあったな。」



10月5日・金曜日

ビートたけしさんの「誰でもピカソ」へ。
チャンバラトリオさんと御一緒。

今週は、いろんな人に出会えた。
で、今日はちょっと耳にした言葉が忘れられなかった。
チャンバラトリオさんくらいのキャリアのある芸人さんが、
ですよ。
リハ終わってから、

「ダメやったなあ。あれ。
 あそこ、もうちぃっと早くできへんかな、
 動きづらいんや。」
「ゆうたかて、そんなもんな、無理やん。今になって。
 東京ではやっぱあかんな、ウチら。
 時間が全体にタイトでっしゃろ。時空が違いまんねん。」など。

聞くつもりはなかったんだけど、どうにも声量よすぎで、
聞こえちゃう。
私だけではなかったと思うよ。
そして本番。
どっか「しこり」を表情に残したトリオになってた。
これを笑いたい。笑えない。

2001-10-19-FRI

第244回

10月6日・土曜日

夕方から、オールスター感謝祭へ。
ふと某女優さんのバッグを見て、私が
『お、ケリ−ですな。』と言ったら、
「わかんないでしょ?これ、ニセモノ!」と
嬉しそうだった。
「本物も持ってるんだけど、
 もったいないからしまってあるの。
 でも、私クラスが持てばわからないみたい。」
と言ってたのが、おかしかった。買うなよー。
「ニセモノ持ってるのがばれない、というその気持ちに、
 がっかりしました。」
と言ったら、
「だ、か、ら!本物も持ってるんだってば!
 ちゃんと!本当に!」
と、あせっていた。
そのまんまのハデな格好で、深夜、銀座の映画館で
糸井さん、リリー・フランキーさんとトーク。



糸井さん、ちゃんと肉体に筋肉がついてきてるのが、
おっかしかった。
ムキムキ!というより、ムッ!までは
本当にできておられるのだ。なんでだか笑える。
スタッフ全員がほぼ日Tシャツで、これだけのことで、
ちゃんとお客さんに
『いらっしゃいませ〜!(お待ちしてました!)』と
聞こえるよう。
私のこのページ担当のはりぐちさんとも初対面。
ふと見たはりぐちさんの靴が
「ルイ・ヴィトン」だったので、
『あ!ヴィトンかいっ?!』と言ったら
(私もうるさいな)、
『ここ一番の時に買っておいた靴、でして、、』と、
何も悪い事してないのに、悲しみ笑顔。

10月7日・日曜日

早朝、スタジオで8時からメークを始め、
スタッフたちと原宿駅に行って、
「まぎれる清水ミチコ」写真を撮った。楽しかったなあ。
ビジュアル系(マリスとか)のファンの女の子のような
扮装で、不思議系にまぎれるわけです。
もともと白塗りだから
あんまり誰だかよくわからないんだけど。
とにかく日曜には、必ずこの橋に同じような格好で、
白いエプロンの女の子らが、
たくさん集まっているんですね。
私も一生懸命溶け込みながら、
まわりの女の子たちとちょっと話した。
なんでも、
『ふだんは私も普通のOLなんだけど?(語尾上がる↑)
 お休みの日?(語尾上がる↑)
 ここで集まるのが?(語尾上がる↑)
 楽しみ?(語尾上がる↑)みたいな。(語尾下がる↓)』
ということで、いろいろ聞けて新鮮だった。
「で、あんたたちはコンサートがない日とかは、
 ここに集まってずっと何してんの?」
と聞いたら、
これはちょっとシンガイなフレーズだったみたいだった。
「みんなすぐ同じこと聞くんだよねー。」「ねー。」
と言っていた。失敬。
しかし、10分も過ぎたらすぐわかった。
カメラにビデオに、やたら写されるのだ。
外国人観光客から、カメラ小僧から、地方からの子とか。
すぐ、
『すみません!こっち向いてください!すみません!』と
頼まれるのが、ちょっとしたモデルみたいなんだ。
この快感とちゃうか?と思った。ストレス解消ね。
私も楽しんだよ。
夕方、羽田から小松空港へ。

10月8日・月曜日

NHKの番組で、加賀百万石のお城を
辰巳啄郎さんらとまわった。
すごい建築(当たり前か)だったんだけど、
(優美だけれど、ここに電気なかったんだなあ、
夕方っから暗かったんだろうなあ、日本人の暮らしって。
音もなくて、寒いし、、ああ、、電球欲し、、)なんて
小学生の作文みたいな事ばかりしみじみ思った。
帰りの空港で両親に御菓子を送った。
「きんつば」大好物だったなあ、と思い出したんで。
ついでに自分らには「麩まんじゅう」、
スタッフには「うぐいす餅と落雁」を買った。
空港の売店はちょっとした和菓子天国なのだ。
見てまわるだけでも優雅。

10月9日・火曜日

松村邦洋さんと、喜多方へ。
ロケバスでの待ち時間が長く、ふたりで、
寝て起きてモノマネしりとり・
寝て起きて、モノマネしりとり。
喜多方のラーメン、四国のうどんのように、
すごく生活に密着しているんですよ。
夜は旅館で、給仕をしてくださった女の人が、
「この土地に嫁に来てね、
 こんなにラーメンを食べるのが多くなった!
 というのに一番自分でも驚いてます。
 親戚がきても、お客さんが来ても、
 すぐみんなでラーメンに!って、
 お店に誘って食べに行くんですよ(笑)」
とのこと。
さーすが。
松村さんのマネージャー、グルメ大竹さんの部屋で、
ヤノッチ含め4人で食事。
部屋にもどったら、かーんと広過ぎて、急にこわくなった。
電気つけて寝た。



10月10日・水曜日

小雨の寒ーい早朝、一人で温泉につかった。
気分よかった〜。ありがとう、温泉。
冷えた空気と熱い温泉。
ああ、私は熱いの寒いの普通なの、なんて思いながら
ただ出たり入ったり。
誰もいないので、鬼束ちひろ心を込めて歌いまくり。
似てね〜。
お昼からはロケでラーメンたくさんいただき、
すごいウエストになった。
「胃もちょっとづつ、を連続で食べていると、
 伸びるのかな、入るから恐くって」
と私が言ったら、松村さんが
「そうですよ!たくさん食べるって時、
 胃を空にしてなんて思って出るとダメですよ。
 縮むんですからあれは。
 ちょっと入れておいた方が、かえって量は入るんです」
と、さすが実感的お言葉。

2001-10-22-MON

第245回

10月11日・木曜日


夕方、オットと二人で三谷さんの
「バッドニュース・グッドタイミング」へ。
面白かったな〜。ずうっと笑ったもんなあ。
まわりにも宣伝した。
最後はしみじみ、じゃないんですから。

伊東四郎さんについても、
私はテレビでしか知らないもんだから、
舞台の力をちいーとも知ってなかった。
他の出演者もすごいんですよ。これがまた。
それにしてもいつのまに、こんなに書いておられたのか、
そっちに驚いた。
『僕は今、忙しいです。』とはいつか聞いてたけど、
なんら実感湧いてる言い方じゃなかったので、
またまた、売れっ子ぶって、なんて言ってたのに。
劇中、一番誰になってみたいか、なんてことを考えながら
車に乗った。

それにしても、会場にこだまする笑い声って、
文字ではどう表現するのが正しいのかな。
まず「ゲラゲラ」っていう擬音は、
実感として聞いたことがない。
「あの時、うちら、ゲラゲラ笑っちゃってー」
なんて時、想像するには、
音なし状態で、顔の表情だけが浮かぶのよね。
誰が言い出したのかしら。「ゲラゲラ」って。
今日は「どおお、どおお」という音に聞こえました。

10月12日・金曜日

シゴトとシゴトの合間に時間があったので、
ずっと前に雑誌の写真を見て、一度食べてみたかった、
麻布のレストランを探して車を止め、
オムライスをヤノッチと。
(なるほど、さすが1500円ほどの味!卵とろ〜。)
でもあるし、
(まあ、究極なオムライスのおいしさはだいたいここまで、
 なのですな。納得。)
でもあり。
オムライスって、600円くらいの値段で、
薄ーい卵焼きに乗っかったケチャップが
うめ〜!もちょっとかけてくれんか、って時も、
なんだか正解なんですよね。
二番油で作ったろ、一度揚げ物してたよね、
っていう匂いもする定食屋のやつ。

デミグラスソースがかかったヤツだと、
(オムライスのくせに!色気づいて!)とも思う時あるし。
また、注文した時に失敗率が少ないのもオムライス。
まずいなあ、って思うことはめったにない。
今日は勉強になった。

10月13日・土曜日

めちゃ働いた〜!よう頑張った〜!という一日。

お菓子屋さんでのバイトしてた頃の、
一番忙しいクリスマスにも思ってたんだけど、
疲労って意外と声に出るもんなんですよね。
職人さんの声に、かすみがかってくるんですよ。

森進一さんは若い頃、
ものすごく苦労されたそうなんだけど、
それが声に出ているから、嘘じゃないな、と
その歌に泣けてくるんです。
今、思いつきで書いてみました。

10月14日・日曜日

コドモに、
「あのさ?中間テストに向けて、勉強するんだったら、
 もっと一生懸命に集中してみるべきじゃないかなあ?
 少なくとも、自分だったらそうするんだけど。
 だって、勉強に集中する時期っていうのは、
 一生のうち、今しかないんだからさ。
 ネバーギブアップの精神だよ。」
と、口をすぼめて、えなりかずきの声で語ったら、
「ヤメロ〜!!!」と、走って殴りかかってきた。

「えなりかずきには何の罪もない、そのモノマネ!」と、
笑いながら真剣に怒っている。
笑いながら同時に怒るって、めちゃめずらしい。
表裏一体の心理を見た。

それが快適で
「だって、兄さんはさあ、おまえがかわいいんだよ。
 だからこうして」
「兄さんヤメロ!!」と、
叫びながら途中で耳をクッションで押さえていた。

こんな事をされたのは初めてだ。
その後、何回も何回も兄に対して
「絶対に笑わん!むしろ聞こえん!」という顔をしていた。

10月15日・月曜日

えなりかずきの声で起こす。が、あんまり笑わなかった。
午前はダメだな〜。
脳細胞が起きてないっていうハンデがある。
だからお笑い番組は、午前中の時間帯にありえないのか。
ま、そんな番組できたら、
出演者もよっぽどのツワモノだわな。
っていうか、朝って、別に積極的に笑いたくはない、ように
できているフシがあるのよね。

よく「本当の自分を発見したい」なんて書いてあるけど、
本当に見ようと思えば、
朝、ですかな。
しかし直視したらしたで、
いやになるほどおのれを見てしまい、ただちに、
「いえ!こんな怠惰な姿は本当の自分じゃなかろう」
と、午後、立ち直ってしまう、と聞きます。

2001-11-01-THU

第246回

10月16日・火曜日

家に帰ったら、大橋君たちが来てた。
大橋君、玄関のスニーカーですぐわかった。
ものすごく嬉しい。よう来てくれた。
しかしもちろん変態だと思われるのもいかんので、
おくびにも出さず、
「よお、大橋く〜ん、○○ちゃ〜ん!」とだけ挨拶。
でかくなったな〜。
しばらくして、
「おーちゃん(大橋君)、モザイクの声うまいんだよ」と、
コドモ。
どれどれ、やってみ、と言うと、
あの金属的に高い声(わかります?)と、
もうひとつはテープののびたような、
低くてもったりしたあの声を
「犯人コメント」で2種類披露してくれた。
「将来、僕こういう声優をめざすんで〜す。」と
真面目にいうので、
「あれ、知らなかったか?あれ、声優じゃないんだよ、
 機械で加工してるんだけど?」
と教えた。
「嘘っ!専門家がいるんだと思ってた。」と驚いていた。
ほかのコドモも、てっきり声優だと思ってたらしい。
わからないように笑った。
いるかよ、そんな大人。

10月17日・水曜日

コドモと、夕方屋上に行った。
コドモ、このところずっとここで体育なことをやってて、
今日もサッカーボールを使ったり、
なわとびの二重飛びをしたり、鉄棒でくるくるっ!をしちゃ
スキッ!とした顔で帰ってくる。
で、ついてったついでに思いきって上向きになって寝て、
たまには、と、空を見てたんだけど、
しばらくしてあれっ?と思いました。
「空酔い」って、あるんですね。
なんだかきゅーと、吸い込まれそうになるんですよ。
気持ち悪くなったような、気持ち良すぎたような、で、
とにかくくらくらっときて、すぐもどりました。
しかも、しっかり陽に当たるのって、
それだけでなんだかその晩はよく眠れるもんですね。
身体、弱くなってるんかしら。

10月18日・木曜日

取材で、
「矢野顕子さんの歌は、家族でも聞かれるんですか?」
と聞かれ、思わず
「いえ、聞いたことありません。」と答えた。
これは本当。
そしたらヤノッチが、
「そういえば、私も聞いている姿を
一度も見たことないです。」と言ったので、
おろ?と思いながら言われて気がついた。
めちゃめちゃ聞くのに、どうにも聞かれてる姿となると、
ぜったい誰にも見られたくないでした。
めちゃプライベートなんだな〜。
なんでだか自分でも説明できないんですよね。
ただ、ひょいっと自分の暗い部分を見たような。
でも「暗い」って告白するの、
昔ほど悪いイメージじゃなくなってきましたよね。
だって、実はずうっと明るい!人ってのも、
どっか信じられないもん。
昔は自意識過剰といえば暗い人だったけど、
最近、明るいっしょ!の方が、自意識を感じる。
心理って、普遍的なようでいて、
時代であっさり顔が変わる。
あと、関係ないけどテレビで天然、と言われてる人も、
ちょっとでも演じてるのがわかったら、
とてもハッキリ覚められやすいようだ。
(冷める、と書くのかな)
昔はなんだか見過ごすようにしてたところがあった。
心理をつぶさに見てしまう、という点では、
酷なくらい進化してるんじゃないでしょうか。
何を書いているのだ。

10月19日・金曜日

新宿、ロフトプラス1へ、みうらじゅんさんと。
大阪の番組「見参!アルチュン」の収録なのでした。
ここで使う『私が街で取った写真』(VOWみたいな写真)
のため、こないだ近所を歩き回ったんだけど、
けっこうあった。
すごい、面白い!ってほどではないんだけど、
(これはないべ)を探す目で街を歩くと、
かなり楽しめるのでした。
看板って、けっこう自意識が出るのか、
わがままなものが多いんですね。
これは、木村裕一さんのHPを見ると、かなり扱ってて、
地味だけどおかしいです。
特に声そのものがまず笑えるし。

10月20日・土曜日

この連載を書くのは、言い表せない楽しみのひとつだ。
(あ〜、早く書かんと、10日も遅れをとっとる)
なんて思いながら、でもだれからも締きりを言われない。
そして、頭を整理できるんですね。
読み返したらめちゃ恥ずかしくなった時があって、
以来読んだ時はないんだけど、
とにかくこれを書く時間が見つかると、
なんでかホッとするんです。
いつ終わるのかもわからないけど、
なんだかこういう気持ちを、
あらためて書いてみたくなった。
ここはちょっと不変なようで、
実はかなり自由さにおいて普通じゃない場所で、
きっとこのページの個性からくるものなのでしょう。

ところで、こないだ3万円もするお肌のクリームを
一瓶買いました。
でも、それつけてからどういうわけか、
(ありゃっ!)というほど肌の調子が悪いんです。
相性が悪いんでしょうか。
なのに、毎晩もったいなくてつけずにいられないという
おのれの貧乏さがふがいなくて。
まだ希望を捨てられないんですよ。
もしかしたら、さすがにこういう価格のもの、
(ありゃっ!)というほどの効果が
のちのち出るんじゃないか?なんて目をつむっちゃう。
でも世の中の女性にはすぐ捨てる、という人の方が多そう。
なんか、肌ってものだけは、
謎のように金額じゃない金額が派生するんです。
どの人の意見を聞いてもこれという正解がなく、
おりあいがわからない。
凄い人になると「私、何もつけてません」なんて
男っぽく言うのだ。これは嘘だと思う。
普通お化粧すりゃ、つっぱって眠れないもの。
でも、なぜに嘘つくか、というところに
底なしの金額を見てしまうような。

2001-11-07-WED

第247回

10月20日・土曜日

愛のエプロン(深夜番組)へ。
料理をあらためて作ってみると、英語と同じで、
毎日ちゃーんとやってないと、
簡単な事すら忘れるもんだな〜、と思った。
あと、料理がヘタな女性って、
なんでだか色気のある人が多いような。
今日も、ふと隣のタレントさんの料理と顔を見て、
やっぱりな!と思った。

10月21日・日曜日

TBS「子供電話相談室」へ。
電話をかけてきた小学校2年の女の子、
『ミッちゃん、わたしのねこのモノマネをきいてください。
 にゃああ。んにゃあああ。』
に笑った。
相談室だっちゅーのに。うまいけど。
それは、江戸家というところで
聞いてもらうといいかもしれませんね。
と、きれいな声でやさしく言う。幼児ひとりゲット!

10月22日・月曜日

レモンガスのCMがいきなりお下品になっていて驚いた。
ガスを販売するお兄さんに、近所中の主婦たちが意味もなく
「あっは〜ん!」という具合にしなだれ、
身体ごととろけるようにからみつくのだ。
どうしたんだ!
まるでガスでああなってしまう、と、誤解されないか?!
名前はレモンなのに。

10月23日・火曜日

イベント・高田笑学校へ参加させてもらった。
5000円のチケット、10分で完売だったそうだ。
鳥肌実さんと初対面。
コワイ芸風なのに、どこかダメダメ光線が出てて、
背中がおもしろかった。
浅草キッドさんたちは凄いなあ。
それを今日こそちゃんと言葉で言おう、誉めたたえよう、
と思ってたのに、会うとふざけたような事しか言えず。
それにしても男子芸人の、言葉にしない
「ただただ高田センセイに笑ってもらいたい!」姿勢に
グッときた。
なんでなのだ?
と、終わってから高田さんの顔をまじまじ見た。

10月24日・水曜日

つまらない言葉でめげた。めげると私はすぐ横たわる。
でもこれ、実はちょっと気持ちいいの。
悲しいヒロインなの。
そうしてるうち、もうちょっと、
こういうシチュエーションだったらどうかな、
しかもこういう言葉だったら?と、想像すると、
おい!言い過ぎだろ!とまじめに憤慨して、
それで起きながら笑いが止まらないの。

20月25日・木曜日

やっと嘘をついてくれた。ほぼ日の時計。見た?
私は一瞬だけ嘘をついてくれるものかと思ってたら、
意外と長い間、舌を出してくれてて、
そうか。3分くらいこのまんまか。
出してろ、出してろと、見つめてた。
そしたら4分たってもまだ出してて、
壊れたんじゃないか?と、カチカチクリックした。
コドモに見せたら『たまらん!』と言って
その顔の絵をまんま書いていた。

2001-11-14-WED

第248回

10月26日・金曜日

ラジオ、テレビ、テレビ、ときて取材、原稿。
ヤノッチが
『清水さんとのシゴトは、ワンパターンじゃないから、
 毎日違ってて、面白い。』
と言ってくれた。
嬉しいねえ。
でも、今日はそういう嬉しい言葉ももらいながら、
仕事での厳しい意見もしっかりいただいた。耳が痛いわあ。
いつのまにかヤノッチは
どんどんプロとして成長しておられる。
年上の私に、ちゃんと目を見て意見してくれるなんて、
なかなかできない事だ、
とじっさい思うのよ。
見過ごす方がじっさい簡単じゃない?
聞こえないところでの悪口は簡単でおもしろいけど、
いざ本人にしっかり意見するとなると、
そのカロリーは100倍かかるんですよね。
ちょっと反省した。ちょっとかい。

10月27日・土曜日


埼玉女子短大で学祭へ。
帰りに気まぐれで、近所のヤノッチの
一人暮らしのおばあちゃん家によった。
『ありがとうございます、忙しいのに。嬉しいです。』
と言いながら、行き交うそのマンションの住人に
「こちら、孫がお世話になってる、清水サチコさんです。」
と紹介していた。
それにしても、ちょっと会っただけなのに、
年寄りと会うと、なんでふと涙が出るのだ。
これって、それだけでなんか失礼ですよね。

10月28日・日曜日

知人から「君といたとき、いないとき」という
絵本をいただいた。
「まずは君が10分で読んでみ」と、コドモに渡し、
しばらくしてふと様子を見たら、
鼻の先から涙がツーと伝って2滴、
ポタリ、ポタリ、と落ちていた。
およよ?と、思い、つい嬉しくなって
「すみません!一枚!」と頼みながら、
デジカメで泣き顔をパチリ。
(そんなに泣けるのかよ!これ!)と思い、
泣きが趣味でもある私はじっくり読んだ。
いや〜泣けたね〜!2滴くるわ〜。
これは、さっそくまわりにも!と、
オット、スタッフの皆さんにも
恥ずかしさを押さえながら普通に薦めた。
でも泣いた人ゼロ。
意味もなく
「すみませんが、泣けませんでした。」と、あやまられた。
この事実に別の意味で泣けたね〜!

10月29日・月曜日


大阪でシゴト。
夜は時間があったんで、お好み焼きでも食べようと、
タクシーに乗ったら、
『あんたら、大阪だからっちゅーて、
 お好みがなんでもかんでもおいしい思うたら違うで!』
と、言われながら、
十三にあるオススメのお店を紹介された。
この気持ちに感謝し、近くで降りる。
しかし!その店は『本日お休み』だったあああ!!
生きる気なくして、映画『GO』でも行こうよ、と
ヤノッチを誘った。
上映時間の関係で、
夕食はハンバーガーとポテトをテイクアウト。
でも映画、めちゃおもしろくって、
ああ、まさに人はパンのみに生きてるんじゃないな、
これだよ、ありがとよ、と充実した。
誰かにドロップキックしてみてえ〜!!
あれ、練習しないと難しそうよね?

10月30日・火曜日

中谷防衛長官と対談。
あまりの厳戒体制に、ちょこっと笑ってしまった。
清水ミチコですよ?
いかにもピストル持ってなさそうだし、
祭で「射的」すら一度も挑戦したことないし、丸顔だし。
とにかくチェックされちゃあ、
敬礼だけやたら返しまくった一日。
長官は、めちゃ温厚で、柔和な方だった。
でも、対談中ちいとも私の目を見てくれず、
もとはよっぽど照れ屋さんなんだな〜、と感じた。
わかるわあ。
しょっちゅう携帯が鳴るので、
本当に忙しい方なんだなあ、と思った。
当たり前かも知れないけど、
ストレスに強くなければできない任務なんですね。
そのあと、高平さんが創作した落語を聞きに行く。
緊張と緩和が、めちゃ濃厚に出てた一日。笑った〜。



10月31日・水曜日


番組で爆笑問題と御一緒した。
この二人って、これまた失礼なんだけど、
なんでだか私には、売れてるって感じが
どうも実感できない。
売れてることわかってるんだけど、
(またまた!売れっコぶって!)、なんて思っちゃう。
なんでかな?と思ったら、
実は本人たちがちょっぴりマイナー指向、
なんではないかと。
そのあと、あるシゴトで私は輝いた!
非常にジミなもんなんですけど、
私にしかできないってもの。
かなり自己満足なんですけど、
こういう時がぜったいくるから、というためにも、
まじめに生きております。敬礼!

2001-11-18-SUN

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