SHIMIZU_MICHIKO
清水ミチコの試供品無料進呈
(秘密厳守)
2000年6月の日記

第147回

6月1日・木曜日
沖縄ではまだせみは泣きません。
急に突然泣き始めるのです。
それからダチョウ倶楽部がせみを食べていたそうですが、
絶対食べないです。 
いなごなども食べません。
多分、そういうものを食べる文化がないのでしょう。
バイオはとてもカラフルで見やすかった。
まゆみさんも同じタイプなんだね。
携帯には便利ですか。
いつも持ち歩いているのですか。
私も携帯のパソコンがほしいなあと思うけれど、
持っても持ち歩いて使うかなーと考えます。
それでは、またね。

という、まちがいメールが1通届いてて、
気がつくまでの時間が楽しかった。
無断採用させていただきました。

6月2日・金曜日
アンアン取材のあと、週刊朝日の取材で、
私の好きな中国家庭料理店(せまい)へ。
いつも注文するトマトと豆腐の炒め、
じゃがいもとセロリの千切り炒めなどを、
ごはんにかけて食べる。おいしゅうございました。
ごはんに何かをかける、というのは
古くからのアジアの独特の食べ方なのだそうだ。
炒めたしょうがと、にんにくの香り、大好きだー。
ただいまー、なのだ。

そのあと、藤井隆さんのオールナイトニッポンのゲスト。
ピュアなお人柄。
なんと私のファンなのだそうで、
やたら照れておられたが、
私も私を好きな人がめちゃ好き!
私を嫌いな人は私も嫌い!
マイルール決定!
家に帰ってからさっそくメールのやりとり。

6月3日・土曜日
ニッポン放送。
曲がかかってる時に、小林克也さんが、
「最高の男の人生ってのは、ずっと年上の女房をもらって
 面倒見てもらって、亡くなったら、
 ずっと年下の女性と結婚して、面倒見てもらう」
とまじめに言ったのがおかしくって、
たまたまいらした奥さん(ブースの外で聞こえない)に、
「奥さん! いま小林さんがねー!」と、
ボタンを押すフリをしてみたら(本当は聞こえない)、
小林さん、ものすごくあせって
瞬時に聞こえなくなるボタン(カフ)を下げた。
すごい反射神経を見た。

6月4日・日曜日
今日はメール紹介っす。

清水ミチコ 様
いつもテレビで見てます。
時には笑いを、時には感動をありがとうございます。
部活の上下関係で悩んでいる時や彼女にふられた時
天才テレビくんを見て元気になりました。
ものまねも好きです。
今年大学生になりました。
夢である警察になるために日々頑張っています。
大学では、ミチコさんみたいな
自分をきかざらない彼女を見つけるつもりです。
これからもお仕事頑張ってください!
応援してます!

→けっこうきかざってるんですけど(下文参照)。
 嗅覚やしなって、犯人を見つけてください。

障害者労働センター連絡会の鈴木です。
今日、清水ミチコさんのイラストが届きました。
とても可愛らしいイラストで、
スタッフ一同大喜びです。
本当に有り難うございました。

→ね。

はじめまして。私、清水さんの大ファンです。
ところで、私は是非、清水さんのような
エンターテイナーになりたいと思っているのですが、
どうすればよいでしょうか。
女の子だと笑いをとるのは、同じネタをやっても、
おもしろくないという事があるとおもうのですが。
どうなんでしょうか?
理恵より。

→そのデリケートな嗅覚をやしなって、
 土俵に上がってはいかが。
 かといって、私以上になっては困るので、
 ほどほどに売れないで。

6月5日・月曜日
地味な服に着替えて、学校の個人面談へ。
「お子さんの性格が変わった」のだそうだ。
そういえばこないだ、
「性格を変えたい」みたいなことを、本人も言っていた。
「どういったところが変わったのでしょうか」と聞くと、
「掃除など、以前は“真剣そのもの”という
 顔つきだったんですが、今は、いいこでいよう、
 とする気がないようです」とのことで、
家に帰ってそれをコドモに言うと、
「ちゃんと見られてるんだ!?」と、顔が明るくなった。
学校での顔というものがやはり、あるのだった。

2000-06-20-TUE

第148回

6月6日・火曜日
生放送のあと、モーニング娘。の番組の打ち合わせへ。
そのあと取材。
ここんとこなんだか
自分はつまらない人間になってきてるなー、
精神的に梅雨入りー、
と感じるところがあったんだけど、
こういう時ってしばしば来ては、ため息ついちゃ
「私ってダメ……かわいそう」
そしてマンガ読んで寝る、だけで終わりがちなので、
自分についてささいな事でも
誉めてくれた言葉を思い出すことにしてみた。
5歳くらいの頃にもどって、スナオに信じてみると。
ロマンチストのB型の特権。

たまたま帰りの車で、中島みゆきの暗めの歌が
ラジオで流れてたのを聞いたんだけど、
こういう曲を世間に提供できるというのは、
実はよほど強い精神の方なんではないか、
なあんて思った。
弱いところを見せても大丈夫、みたいな。
だから一方で、驚くほどたくましい歌も書けるのかな。
あんまりポジティブで輝くばっかりな人って、
面白みもないし、信用できないところがある。

6月7日・水曜日
小学校の父兄の仕事「8の日パトロール」、
時間の都合が悪く、
「7日に変更してもらえませんか」とお願いして、
7日の今日、街を主婦2人で闊歩した。
テレビカメラがない場所で、子供に声をかける、
という行為はものすごく勇気がいるもんだ。
ニセモノでいいからテレビカメラがついてて欲しくなる。
しかし、もう5時半でもあるので、
公園で遊んでた1年生らしき子供らに、
「そろそろおうちに帰んなさーい、ねー」と声に出した。
これで、終わろう、帰れる。そんな気持ち。
そしたら、そこにいた4人全員がぱっと振り返り、
そのうちの1人が落ち着いたトーンで、
「君たち、だれ?」とだけ言った。
びっくりして一瞬、思考が詰まった。
そういえば、私は誰なのか。
答えられないじゃん、と、究極の哲学を思ったとたん、
隣の奥さんが「パトロール隊!」と言ったので、
思わず笑った。
スカッとした。
そうだったな!

6月8日・木曜日
愉快なビバリー。
そのあと天才てれびくん。
この番組で、全然レパートリーでもない声を
レパートリーのように披露するので、疲労する。
車の中で必死で頭に声を録音しておく。
その人に興味があるかないかってだけで、
耳の録音テープはぼろぼろだったりして。
でも、できる時もある。
ついこないだ、大瀧詠一さんから、
番組へのお褒めの言葉をメールでいただき、
文字を心に録画。

こないだ立ち読みした本に
「人は、人の仕事が気に入らないようにできている。
 成功者に向かっても、文句はすぐ出てくるものなのだ」
と書いてあって、
「あっ、なるほど、わかる! 言えてる!」と
思ったんだけど(なら、本買えよ)、
誉める、認める、という行為は、
けなす事よりもエネルギーがいるなあ、なんて思った。
自分の芸風は変えませんが。

6月9日・金曜日
コドモ、テレビを見ながら私が言った、
「郷ひろみよりも、そこの父親の方が年齢若いんだよ」に、
ものすごく驚いて、
もう一回確認して、それを口に出して
再び驚いてたのに笑った。しつこい。
私もテレビで踊っている郷ひろみと、
食後のオットの両方を見ながら、
こっちのほうが若いのである、
と言い聞かせるほどおかしかった。
オットも自分で笑ってんの。
似たような年齢で、どっちかがまちがってる。

6月10日・土曜日
ハッピーウイークエンド生放送。
歩いてると、
小笠原局長(1番エライ人)がにぎやかにやってきて、
私と目が合ったとたん、政治家のような大声で
「ミッちゃん!」と声をかけてきた。
あ、どうも、と返事をしたら、また自信たっぷりの口調で
「最近、背、伸びたねえ!」に、ころびそうになった。
のびるか。

2000-06-22-THU

第149回

6月11日・日曜日
元気復活! TBSの伊集院さんの番組へ。
「こないださー、若手芸人と一緒に飲んで、
 一番性格のいい女性芸人は誰かって話になったんだけど、
 清水さん1位で、あの人がいいおばちゃんだよ大賞ー!
 って、勝手に決定してたんすよ」
と、聞いて喜ぶ。
しかし、ここにはオシイひと言がある。
どこかとは言わないが、
彼らが今ひとつ売れない原因は、
たぶんそこにあるのだろう。

6月12日・月曜日
「おかず屋さん」収録のため、金沢へ。
明日を含めて、全部で9本録る。
今日は5本ぶん。
8時ころ終わって、
お、まだヒマがある、と見て、映画の時間を調べた。
今夜は、おごったるでえ、と、
ヤノッチと、番組のカメラスタッフも誘った。
地方へ行った時に、映画に行けるのって、私には
「最高! 幸せ! タイムリー! ついてる!」
なのだが、6人とも、(せっかくなんだから)
飲みに行った方がよさそうな顔だった。
私の辞書には「飲みに行く快感」という文字が、
薄い、というか、ない、んだなあ。

映画は「グリーンマイル」で、
もう古いせいか、場内ガラガラ。
これがいいじゃない、これこれ。
制作してる人は制作モノを見ようじゃないさ。
ガラガラの中、なんだかちょっと一緒に座るのに
照れてしまい、ばらばらに座った。
しかし、「この仲間で観てる! この自由と共感!」
なんて思ったんだけど、終了後、
「ホントに劇場前で待ち合わせして、
 終了後にあっさりと解散って、めずらしいですね!」
と笑顔で言われた。
ポップコーンもおごっただろ!
なんて言いながらも、またとんちんかんな気も。
でも、楽しかった、はずだ。

6月13日・火曜日
昨日はありがとうございました!
ああ、そうだろ、そうだろ、と言いながら
現場を終えて去る。
帰りの飛行機で、私のテーブルがぶっ壊れてて、
発見したスチュワーデスさんにあやまられた。
ああ、いいのさいいのさ、と思いながら
機内でひとり、ひざでお弁当を広げる。

帰宅してから、私のパソコン、
マック6420(古い)に話しかけてたら、
「プッ!」と、笑ったような声をたてたかと思ったら、
死んだ。
冗談みたいだった。
ああ、そうだろ、そうだろ、なんて思えるはずもなく、
この時ばかりは途方にくれた。
いつのまにか趣味になってたんでしたなあ。
いい仕事をしてくれましたなあ。
と、パソコンの仮通夜をしのぶ。
原稿をしかたなくワープロで数本打って、
読み返して自分で笑った。
私が壊れていたりして。

6月14日・水曜日
「レタスクラブ」で、平野レミさんと。
「今週の文春の表紙、
 レミさんの韓国みやげのお面でしたね」と言ったら、
「そうなの? なんでわかるの?」と言う。
(夫の)和田さんの後書きのコーナーに
書いてありましたよ、と言うと
「あそこ読んでる人、いるの?」と、驚いていた。
レミさんの本領は実はエッセイにある、と、
私は思うんだけど、本人はちっとも思ってないらしいし、
他人のをちっとも読んでない。
そのあと「anan」のテレビコーナーのインタビュー。
伝説の教師! と薦めたんだけど、
掲載時には最終回も終わってるらしくって、却下。

6月15日・木曜日
ビバリー。
平野レミさんのモノマネでしゃべるのはおそらく、
日本でいちばん上手なんじゃないか。
ずうっと長くしゃべっていられる。
デビ夫人(自称・ビデ夫人)も我ながらうまいんだけど、
短くしかできない。
出てくる言葉がポイントしか思いつかない。
どっかで、本当にこうなったらイヤ、と
本気で思ってるのかしら。

2000-06-29-THU

第150回

6月16日・金曜日
ブティック行って洋服たくさん買おう!
と思って青山に行ったんだけど、
ちいとも、これ! という洋服がないよねー。
ここんとこ、めずらしく洋服に流行がない時期みたい。
夏休み。
気のせいかマヌカンさんも、
いつものようなハリがなかったなー。

で、夕方、中川さんにソフマップへつきあってもらって
パソコンを買った。壊れたけんねー。
G4にするか、バイオか、アイマックか。
この3つから幸せな選択。
というのも、この3つの機種だと、
知識ある人が周りにいるから。
頼りにしてるわあ。
「G4にすると、一戸建てで、
 この最新アイマックだと賃貸みたいなものか……」と、
一人でぶつぶつ言いながらも、
結局、アイマックDVにしました。
色はグラファイト。おらファイト。
かわいがるわよーん!
日記、送るわよーん。

6月17日・土曜日
ニッポン放送、レギュラーと、ゲストのナマ2本。
私はラジオはいっつもノーメークで出るんだけど、
これって、単にめんどくさいからじゃなくって、
ずうっと楽にぺらぺらしゃべる事ができるから、
なんですねー。
自由! そんな感じ。
あんまり失礼かしら、なんて方の時は
薄い色のサングラス着用したりして。
かえって失礼か、なんて思ったりして。
でも、今日になって、小林克也さん、まじめな口調で
「えっ、今までずっとノーメークだったの?」と、
気がつかれたようだった。
レギュラーでほぼ1年ほど経ってるっちゅうのに、
嬉しい誤解。
ウオーッホッホッホ。
結局、お化粧って、美意識よりも、自意識なのよねー。

6月18日・日曜日
天才てれびくん収録。美意識で歌った。
そのあと、出た「8の日パトロール」。
待ち合わせの公園へ行ったんだけど、
待てども待てども主婦の中園さんがやってこない。
不安になって電話したら、
「あっ!! すっかり、忘れてた!」と、
正直な答えがでかい声で瞬時に返ってきて、気分よかった。
ビールと枝豆で、ご主人と野球を見てたんだそうだ。
野球って、そんな楽しいもんですか、と
歩きながら聞いたら、
そりゃ、どんな番組より面白い!んだそうだ。
「株って、そんなに面白いもんですか」と、
聞いた時の答えは、
ちょっとねばっとしてて奥が深そうだけど、
野球が好きな人の答えはいつも、
たまらん!といった感じで、
こっちにまでカラッと一瞬、爽快な風が吹く。

6月19日・月曜日
企業のCFナレーションで、サウンドシティへ。
なーつかしいスタジオ。
CFの音楽を聴いて、
お? この声は、最近マネしたかった声のひとつ、
と思ったら、綾戸智絵さんの声だった。
(やってるうちに結局、
 憂歌団の木村さんそっくりの声だけゲット。
 似てるよー。もったいないよー。
 誰かたまにリクエストしてえな。ほんま)。
おお、イトイつながり、と思ってたら、
そこにいらした電通の皆さんも
この日記を読んでくださってる人が結構おられ、キャッ。
初対面でいろんな恥部まで知っておいでなさるのね。
イトイつながり2。
ありがとう、イトイ。
呼び捨てかよ。

ところで、普通こういう時は
「いい声で」と頼まれ、
私もとっておきの「お得意超美人声」を
お持ちしたんだけど、
「地声でお願いします。
 清水さんの普通の声はやさしさが出てますから」
なーんて言われて、
まったー、うまいんだから、わかる? と上機嫌。
MAMA,LOVES YOUシリーズ。
数本の中に1本、くっと泣けたバージョンあり。

6月20日・火曜日
ロケで名古屋へ。
新幹線から降りしな、山下洋輔さんと遭遇。
短く立ち話をして別れる。
四日市でライブとのこと。
何度お会いしても、立派なお方だこと。
ジェントルというのは
人と距離を保てることでもあるのかなー。ちょっと感動。
「もうちょっと大きなホールで
 ライブをやってもいいんじゃない」
と言ってくれた言葉を思い出し、
「あーそーだー、次ってライブはどこにすっだよー、
 大丈夫か俺は、ネタ、ないじゃん」
と、考えながら車の中で仮眠した。
寝た、ならいろんな所でできるのだが。
あ。
すでに危ないじゃない。
100年前のピアノ
 100年前のピアノ

2000-07-03-MON

第151回

6月21日・水曜日
「モーニング娘。」さんたちの番組へ。
うちのマネージャーと同じ年齢の方から、
私のコドモと同じような年齢のコまで、と、幅広かった。
ためしに、コドモの友達に聞くのと
同じ内容の質問(りぼん派? ちゃお派?)を
投げてみたら、すかさず
「ちゃお!」「今はりぼん」「なかよし!」など、
それぞれの方向から返ってきた。
やっぱり!
そしたら、中澤さんが
「あたしは……週刊文春。たまに新潮」と
落ち着いたトーンで言ったのに笑った。
「ちゃお」から「新潮」まで。

6月22日・木曜日
ビバリー。
自分の言ったギャグに、自分でウケてしまった。
もはやオヤジになってるのかもしれない。
そのあと久々にエステへ。
鏡を見たら、口元にあった小さなシワが
ちゃーんとなくなってた。
行く前には「2万円、高いよなー」と思うが、
帰りはいつも「いや、安いわあ! 気持ちいー」と鼻歌。
もっと、頑張って週に一度はいらしてください、
といわれた。

頑張れ、と言えば
こないだ広島に行った時、駅前の路上で
弾き語りをしてる少年がいたんですよね。
ほう、と思った私と目が合ったら、
「あ、清水ミチコ、さん、ですよね!
 頑張ってください!」と
ピースしながら大きな声で言われた。
おまえこそ先に頑張れー。

6月23日・金曜日
授業参観。家庭科室へ。
なんと、織物をコツコツやっていた!
地味!
ドキュメンタリーで見る、
昭和初期の工場風景みたいで、おかしかった。

事務所で旅行のスケジュールを。
来月の今ごろは、ああ。
スタッフの皆で、どことは言わないけど、アローハー。
夜は映画も見ようよ! と言ったけど、
みなそれぞれにシーン。

6月24日・土曜日
ニッポン放送、生放送。
帰ったら、コドモが得意げな顔をして待っていた。
見たら、居間が掃除されていてきれいだった。
きれいな部屋、というのは、最近見ない光景で、
ホントに嬉しかった。
メモリ5ほど驚いたとすると、
仮想メモリで10くらい驚きを大きく表面化。
洗濯モノ取り込みと、洗い物もしてくださってたそうで、
どう誉めてやろ、と思い、
いっそ「ははーっ、ありがとうございました」と言って
土下座してみた。
そうしながらも、へえー、と思ったのは、
案外、土下座って、
やってみると気持ちいいもんなんですね。
背中伸びるし。
説明せずして伝わるし。

では、やる方とやられる方とでは、どちらが気持ちいいか、
「ちょっとやってみて」と
コドモと交互にやってみたら、
似たようなものだったんですよ! これが!
気軽にやってみてはいかがでしょう。家族で。
健康にも、土下座ブームは、秋にも到来だそうです!
嘘かも! アローハー。

6月25日・日曜日
めずらしく、夫婦で投票に行ってきた。
私の目の前に、若い男の人がいたんだけど、現場の人に
「それはこっちの箱に入れてください」とかなんとか、
小さな声で注意されたんだよね。
そしたらその人、とたんにカッと、
「恥をかいた!」ってな表情になっちゃって、
ビリっと投票用紙を半分に破って箱に入れちゃった。
現場の人、「あっ。あーあ」だけで、
困ったように終わってた。
その人、さっと走るように帰って行った。
恥をかかされた!って思うことと、
キレるのは直結してるような。

2000-07-09-SUN

第152回

6月26日・月曜日
早く仕事終われー、とばかりに帰宅。
だって、新しく買ったiMacに
早くさわりたいんだもーん。(と、山本リンダ風に)。
ところでこのiMacは、ミスタッチすると
「オッオー!」と、英語発音で
答えるようにしてるんだけど、
これが笑っちゃうくらい私の声にそっくり。
まちがえるたびにモノマネされてるみたいだ。
まわりに「ねえ?」と聞くと100%
「録音したんでしょ?」という答えが返ってくる。
こういう技術の、
ユーザーへのさりげないサービスだったりして。

6月27日・火曜日
NHK/BS『今夜ピアノが好きになる』スタジオ収録。
羽田健太郎さん、山下洋輔さん、尾崎亜美さん、
伊藤恵さんらと御一緒にピアノ弾く。
山下さんがピアノを弾きだしたとたん、
私を含めて客席のみんなも、すごい素(ス)の顔をして
表情が止まっていたのがわかった。
音楽というものは、全般に「喜びや楽しさ」っていう、
「快」を与えてくれるものだけど、
これが「芸術」になると、
「孤独と向かい合っても大丈夫」ってな、
恐いような強いような、普段はそらしがちな空間を
いきなりカーンと作りだす。
音でも、絵でもそうみたい。
味覚もまたそう、かな。
五感のうち、鼻でだけは感じたことない。
あーいい匂い、で終了。

6月28日・水曜日
休み。しっかり寝た。
夕方、家族で外食。今回はオットの好きな店。
私も、ここの店の魚だけは日本で一番おいしい!と、
来るたび毎回感動する。
魚、大好きなんですよねー。

ところで私が長年にわたって、
一生に一回でいいから食べてみたい!と、
ずうっと思ってたのは、
「“食いしん坊ばんざい”で見るような、
 漁師さんの漁船で、釣ったばかりの魚を、
 現場でお刺身にして食べる!」だったんですよ。
ところがある日ついに念願かなって
ロケでそういうチャンスに遭遇し、
ものすごく喜んでたんですよねー。
ところが、なんです。
え!ってくらいにおいしくなかったんっすよー、これが。
海からたった今、釣りたて!の魚って、
こんなに生ぬるいのか!
舌にくる温度っちゅうもんは、
こんなに味覚にくるもんだったんか!ってことが、
初めてわかりました。

やはり、刺身だけは、新鮮ってだけじゃなくって、
一度人工的にしっかり冷たく冷やしてからでないと、
けっこう素人にはキツイもんなんですね。
あの時、船の中で一人、せせこましくも、
ものすごく腹を立ててたのを思いだしました。

6月29日・木曜日
楽しいビバリ−。
そのあと、立花隆の人類関係の本。
おもしろかった。特に、
「作家は処女作に一生涯の書きたいことの全てが
 けっこう集約されているもので」なんてとこ。
寂しいけどCDもちょっとそんなところもあるのかしら。
あの人は、この人は、などと、記憶をたどった。

そのあと、「8の日パトロール」。
偶然、帰宅しようとしてた
マネージャー、ヤノッチと会ってしまい、
ピッと敬礼された。覚えてらっしゃい。
笑いながら
「今の、マネージャーなんですよー」と言ったら、
「えっ! 清水さん、マネージャーが、
 ちゃんとついていらっしゃるんですか!!
 ごめんなさい!!」とまじめに言われた。
歩くといろいろ世間が見えてくる。
ある日のヤノッチ
 ある日のヤノッチ

6月30日・金曜日
仕事。知人と先週見た、
『ザッツジャパニーズミュージカル』の、誉め噂話。
面白かったー、ホント。
笑った! 幸せは客席にあり、なーんて思った。
ダメじゃん。
コドモと一緒に行ったんだけど、
コドモ、一発で早坂好恵ちゃんのファンになってしまった。
「最後までこっちに向かって一生懸命に手を振ってた!」
からだそうだ。
なので、6月の日記は、
ここでみなさんに手を振りながら、さよーならー。

2000-07-13-THU

 
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