SHIMIZU_MICHIKO
清水ミチコの試供品無料進呈
(秘密厳守)
2000年4月の日記

第135回

4月1日・土曜日
ラジオ生放送。
そのあと長岡でライブ、の予定前に、時間がたっぷり。
急きょ映画館に入って、「救命士」を見た。
スターバックス・キャラメルマキアート片手の幸せ。
しかし、途中眠ってしまい、最後は意味がわからなかった。
幸せは短い。

長岡ソリックホール、めちゃいいホールで、
ソックリホール、という覚え方を発明。
お客さんもすごく良かったんだよー。感謝するわよー。
最近、「天才てれびくん」のせいなのか、
お子さまに大変人気があるみたいで、
どんどん小学生が増えてる様子。
だけど、ネタの内容が、イメージと違う……。
そんな顔もちらほら。

4月2日・日曜日 
「天才てれびくん」収録。
そのあと番組の打ち合わせへ。
初対面の男性が、私に名刺を渡しながら
「私くし、ちゃ・わん・や! と申します!」と、
実にハッキリした言い方だった。
名刺を見ると、茶碗屋○○、というお名前。
たぶんこれまで、何度も名前を「えっ?」なんて
聞き返されたり、めずらしがられてこられたらしく、
「一度しか言いませんから、よく聞いて!」
のメッセージの詰まった
「ちゃ・わん・や! と申します!」だった。
覚え方などいらない、忘れられないお名前。
この言い方をマネしながら、「さっきさあ、」と、
会う人ごとにしゃべった。



4月3日・月曜日
「おかず屋さん」収録のため、ヤノッチと羽田へ。
私が30分も寝坊してしまい、
ヤノッチ、見たこともないような鬼のような顔で、
すごいスピードで飛ばしてくれ、間にあった。
この日は泊まりで、シゴトが終わってから
時間があったので、夜、二人で
「トイ・ストーリー2」を観に行った。
飲みに行くより、映画に行くほうがずっと楽しーのよねー。
ガラガラで、貸し切り状態だった。
プリクラもやった。
二人で、「友達、増えないね……」なんて言いながら。



4月4日・火曜日
帰りの機内でスチュワーデスさんが、顔を確認するなり、
「清水さん! ですか!」と言い、続いて
「感激です!」と本当にしばらくじわじわと感激していた。
「はい……」と、低い声で
わけのわからない返事をしながらも、
めちゃ照れくさかった。
私が、どこで、どうしているところを見たら
こう上手に感激してくれるものなの! キャー!と、
その人の手を取って聞きたかったが、そこを押さえ、
そのあとはクールに雑誌を読むフリにいそしんだ。
でも頭の中では(今の聞こえてましたかー!?)と、
まわりにメガホンで聞いている私。
「羽田空港名物・ドラえもんドラ焼き」を買い、
上機嫌・鼻歌まじりで帰宅。

4月5日・水曜日
「TVあっぷる」に出て、
お化粧を落とし、空き時間2時間を見つけ、
ヤノッチとスポーツクラブへ。
「月に1回は行くんだ!」という、謙虚な目標も、
このところなかなか行けないでいたのだ。
はじめにストレッチをしながら、ヤノッチに
「こんな事できる?」と、
「背中で両手のシワとシワを合わせて合掌」して見せたら、
できない、と言いながらも苦しそうに笑っていた。
鏡で見たらなるほどちょっと恐い姿だった。
そのあと高平宅で、花見会がある約束を横目に、
テレビ1本収録。
夜、オットとビール。

4月6日・木曜日
先月、花粉症の注射をしてもらった時、お医者さんに、
「この注射は、人によって違いますが、
 効いている期間は1〜3カ月のみです」と、
言われていたのを激しいくしゃみとともに思い出した。
ああ、また始まってしまったのだ。
10年ぶりに春の空気を楽しんでたというのに。
でも、花粉一番ひどい期間は治まってくれてたんだから、
あとは自力で乗り越えることにした。
でぼ、あばりじぼ、ぐるじい。
「花粉症」って、病名が軽くてきれいなもんだから、
どうもあまり同情されにくいのも、ぐやじい。
もっと深刻な言い方はないのかしら。

2000-04-16-SUN

第136回

4月7日・金曜日
コドモを学校に送りだし、六本木の美容院へ。
色とカットで3時間。
その帰りに、めずらしく一人で中華料理屋さんに入った。
一人で中華、というのは何年ぶり、というか初めてかも。
前からここは看板を見ておいしそうだな、
とにらんでいたお店で、どーしても行きたくなったのだ。

しばらく迷って「炒飯」をオーダーした。
ちょっとガリッ、と歯に当たるモノがあって、
あ? 何かな、と見てみたら「岩塩」だった。
さすが、この店はおいしいだけあって
こだわってますな、岩塩ですか。
買ってみよう、と、すっかり感心し、
そのあとも炒飯の中をじーっと見ながら食べてたら、
なんと、ご飯のあいだに
「まつ毛」が1本落ちてるのが見えて、ショック。
見なけりゃ良かった!

だいたい私は不潔に強いタイプで、
だいたいのモノは食べられる方なのだ。
お皿の中の、そのエリアを外して食べようじゃない、
もったいない、とハッパかけるのだが、ダメだった。
どうしても右手が上がらない。
こんなにうまいのに。
塩味を堪能した直後の「炒めまつ毛の黒」が、
脳裏から離れずアウト。
ほとんど残してしまった。
せめてまずかったら、心おきなく残せたのに。
お金を支払い、そー、と静かに店を出た。

4月8日・土曜日
家族でお花見。
といっても、夜になってから
大山の近所を散歩しただけなんだけど。
すでに花見客はいっぱいだった。
凄いんですね。
鍋やおでん、バーベキューなんてのは当たり前で、
携帯用のアンプでわざわざレコードをかけて
踊りながら花見、とか、
コンロで天ぷらまで揚げて
熱々を塩で食べる花見、なんてのもいた。
「ニッポン花見客写真集」が
出てもおかしくなさそうなほど奇妙だった。

でも、ちょっと静かな場所に移動して、
ベンチに座って夜桜を見上げてると、
日本でもない海外でもない、
不思議なところにきたみたいだったよー。
夜の桜って、ちょっと光を持ってるみたいに見える。
コドモは「桜を見る」、という意味が
よくわかってなさそうな顔をしてた。
つきあいで。そんなカンジ。

深夜、KEMURIというバンドのライブをテレビで見た。
すごいなあ。

4月9日・日曜日
「BS・世界の教科書クイズ」。
世界の子供達は、どんな教科書を使ってるか、というもの。
給食の違いが特に私には面白かった。
アメリカはビュッフェ式で、さすが責任と自由の国。
スイスは一度帰宅、という厳しくも暖かいシステム。
アフリカではバケツから出す赤い豆の煮たヤツ。
日本は毎日メニューが変わる、というのが特徴みたい。
幸せなことです。

ずっと前、デリカテッセンの林さんから聞いた話だけど、
「主婦が朝起きて、今日作るのは中華か和食か、洋食か、
 と迷うのは、世界中でも日本人だけ」なんだそうだ。
そういえば、ドイツで暮らしてきた友達も、
「毎日いつも同じスープ、同じパン、
 同じソーセージだった」と、言っていた。

日本って食文化が豊かでもあるけど、
「ワンパターンをこわがる民族」であるのも確かなような。
ちょっと恐いもんね。
「また?」って言葉は。

4月10日・月曜日
オットと永六輔さんのジァンジァンへ。
永さんと今度高山で御一緒するので、
ちょっとした挨拶も兼ねて。
楽屋に行ったら、おすぎとピーコに、
あらミチコ・やだミチコ、
などと呼び捨てにされ、顔が赤くなった。
「ミッちゃん、と呼んでください」と、
久々なフレーズを言うと、
「わかったわよ、ミチコ!」と言って、
二人できゃっきゃと笑っていた。

帰りの車に乗る前、ちょっとコンビニに寄ったら、
さすが渋谷、コンビニ離れしたような
かわいい小物がいっぱい。
安っぽいけどかわいいトースター
(パンを縦に入れるヤツ)も買い物かごに入れたら、
オットが「おい」とだけ言って、
トースターをもとにもどした。

2000-04-20-THU

第137回

4月11日・火曜日
平野レミさんと誌面の上でのお料理。
このところ、シゴトでアシスタントとして
料理を習う日が続いてるんだけど、
そういう日って、なんでだか家に帰ると、
料理をする気がまったくなくなる。
シゴトでピアノを弾いた日も、これが不思議なくらいに
その日から数日、家でピアノにさわる気もしなくなるのだ。
それこそ料理とか、ちがう事をしたくなる。

私はやらないけど、ゴルフも釣りも、
いったんそれをシゴトとして消化した人の一日は、
趣味の気分にちゃんと転換するのに、
時間がいるのではないですかな。
そのあと、「ロンブー・ドラゴン」に出て、帰宅。

4月12日・水曜日
奥田民生さんのベスト版CD、
買ってたヤツを車に入れ、大きな音で聴きながら、
「ウンナンの気分は上々」の横浜ロケへ。
移動のバスのなかで、ちょっといい光景。
ウッチャンと出川さんが外を見ながら
「ここだ、昔あった俺んチ。ほら。ウッチャン来たよな」
「あ、この店で俺はおごってもらったんだよなあ」など、
二人で遠い目をしてて、
「おー、友達っていいな」ってカンジ。
遠い目って、こういう表情なのか、と思った。
私は本当に「遠くを見る」ってのを
「こういうカンジか?」と一人でやってみて、
結局「遠視」と解釈してたもので。
窓からふと見えた看板に
「4月12日はパンの日」と大きくあって、
パン屋さんが繁盛してるのが見えた。
パンの日、どこで、どうシャレになってるの。

4月13日・木曜日
コドモ、塾の国語の教科書を私に見せながら
「すごくおもしろいよ、これ。きっと好きだと思う!
 みんなも言ってたよ」と言う。
読んでみたら本当におもしろく、でもこれ、
昔読んだ記憶があるなあ、と作家の名前をよく見たら
筒井康隆さんで、タイトルは「にぎやかな未来」だった。

内容は、CMがどんどん生活に溢れはじめ、
毎日、目に耳に、とてもうるさく、
主人公はモーツァルトのレコードでもかけて
気分をなごませようとする。
しかしそれも30秒後には音楽が中断して
いちいちCMが入るタイプなので、
なかなか騒音から逃げきれない。
そして主人公は……。という内容。
こういうの、君たちにもおもしろいのか、そうか。
と、思うとめちゃ嬉しかった。

4月14日・金曜日
雑誌の対談のために街に出たら、本当に筒井康隆の
「にぎやかな未来」みたいになってて驚いた。
普通のバスに大きなCMロゴが入っていて、
思いっきりカッコ良くデザイン化されて
走っているではないの。
知ってましたか?
そして、なんと電話も、きのうから、
相手にかけてから数秒間、
会社から流れるCMを聞くだけで無料になる、
というサービスができたのだそうだ。
なんという偶然。
すでにCMの中に生きていたとは。



4月15日・土曜日
LFで賞をもらい、そのお金をスタッフみんなで
「お疲れ様・食事会」に使った。
アクアシティにある「エノテーカ・ピンキオーリ」という、
舌を噛みそうな名前のイタリアンレストラン。
リッチなランチ。
しかし、びっくりしたのは1階の「シナボン」の行列。
だーっと2列で200人はいた。
アクアシティの中で一番すごかった。
私はまだ食べた事ないんだけど、その写真を見たら、
食べなくたってわかるぞ!
と言いたくなるような甘そうなペストリー。
いかにもアメリカの大胆なお菓子。
でも、意味は行列にあるのだよね。
「あんな並んじゃって、バカみたい」
と言う人の声がふと聞こえ
「あ、やきもち」と、思いながらエスカレーターを降りた。

2000-04-24-MON

第138回

4月16日・日曜日
映画「マン・オブ・ザ・ムーン」を観た。
実在したコメディアンの映画。
はじめは、お客さんをひかせる事に
おもしろがってたのが、そのうち嫌われるコトに
どんどん快感が走るようになって行くあなた。
でもなんでプロレスだったの。
ジム・キャリーのくるくる回る目が、
落ちつきのないカンジが出ててちょっと恐いほどだった。

私は落ちつきのない人が実はとてもこわい。
近所のコンビニの店員さんに、
声が大きくてとても落ちつきのない男がいるんだけど、
その人、ずうっとはしゃぎながらレジ打ってて、
お客は前に立つたんびにものすごく話かけられる。

「これだけでいいのっ?! おっ?!」
「トイレットペーパー買い忘れてないっ?! おっ?!」
「おつり、いーくらだ!!」
(いくらか答えるまで渡さないゾー!ってポーズ)など。

無表情な人が多い世の中で、陽気でいいじゃないですか、
なんてレベルじゃないんだ。
(かんべんしてくれよな……)なんて顔で帰る
サラリーマンもよく見る。
走っていって握手したくなる。
こないだ行ったら「思いだし笑い中!」と言って、
手でバツマーク作っていた。

4月17日・月曜日
こないだピカピカの新車を買ったので、
古型を粗大ゴミに出した。
愛車も、「ゴミ」と決定した瞬間からゴミになる。
ちゃんとそう「ゴミ」として見えてくるから不思議だ。
(自転車っす)

シゴトから帰宅して、夕食を作る。
こないだテレビで「おいしい!」と言われてて、
そーなの? と、味の想像もつかなかった、
「バターとしおからのパスタ」を作りたかったのだ。
しかし、できあがったら
ものすごくまずかったので驚いた。
なんてあのリポーターは嘘つきなんだ!
そのくらいまずい。

私の論理では、
「ごはんに合うおかずは(たらこにしろ納豆にしろ)
 全て、スパゲッティによし」と、
マイルールを決定してたので、
もしやこれも、と思ってたのに。

「これとこれをこうしたらおいしい」という情報は
テレビでたくさん聞けても、
「これをこうしたら凄くまずい!」という実感で聞ける、
味の情報ってあまりないよね。
知りたいですよね。
まじめなこういう料理情報番組ってないのかしら。

4月18日・火曜日
試写会で、「サイダーハウスルール」を観る。
家に帰ったら久しぶりに大橋君が遊びに来てた。
「もう6年生なので、おかまっぽい態度をやめる」
のだそうだ。
おかまが、いいのに、なんて言ったんだけど、
「これからは、大橋で、ごわす」と
低い声を出して言っていた。
ごわす、は、コドモにも
男らしい言い方で聞こえるもんなんだなー。

でもどんどん美少年になってて、
「ぼくはねえー、あのねええ」と気を抜くと、
つい高い声出して言ってるのが、かわいくてしかたない。
またホットケーキ焼いてやった。
得意なんですね。と言われた。ちがーう!

4月19日・水曜日
ウンナンの番組へ。
楽しい番組を作れるスタッフ=たいへんながら=明るい、
という方程式を作れた。逆も可能。
どんな仕事にしろ、明るくいる、というのは
なんだか凄い効果を発するようだ。
ただしうるさい、と誤解しないように。
これ、ものすごく似てるからね。

4月20日・木曜日
今日出たある番組、
某人気タレントがゲストだったんだけど、
これとあれとこれは言わないように、と
口止めされたのが本番になって息苦しかった。
人間、何度も繰り返し言われるコトはイヤなもんだから、
止めたいのもわかるんだけど、
「あなたもきっと同じように
 こうくるでしょうから」と、
さとされたみたいで、いっそう、うざったい。
それが「整形とかカツラについて、ぜったい言わないで」
ってなもんだったら、こっちもはりきって
「ほいきた!」と要望を飲むけど、
どう考えても、いい経歴なんだ。
ここがくやしいじゃないの。きー。

2000-05-03-WED

第139回

4月21日・金曜日
こんなこと書くと叱られるかもしれないけど、
事件を起こしてしまった犯人の住居って、
テレビで見るかぎりでは部屋とか庭木とか、
えらい乱暴に荒れているもんだ、
ということを発見してしまった。
ボロでも金持ちでも関係なく、そんなカンジ。
私も、自分の部屋を見るかぎり、
イライラしている時の部屋はしばらくめっちゃくちゃ。
余裕があると、きれいにしたくなる。

整然としてると気分がきちんとするのか、
気分がすっきりしてると掃除でもする気になるのか、
どっちが先なのかはわかりませんが、
住まいのメンテナンスは鏡みたいに、
そのまんまその時の人の心を表すみたい。

4月22日・土曜日
朝7時から午後3時まで、
ずうっとLFでいろんな番組のナマ放送に出続けた。
ラジオ好きなんで、ちっとも苦にならないけど、
だらだらしないようにだけはした。

和田アキ子さん、ノーメークだと
なんだかいきなり恐くなくなる。
どこかヨワヨワ。
メークとは武装か、なんて考えた。
私は昔っからいまでも、
授業参観などに出るとき、コドモから
「ぜったいお化粧しないで来て!」と頼まれる。
そしてどこかヨワヨワになって、うしろで立っている。

4月23日・日曜日
「天才てれびくん」収録。
笑った子供に、ついノリで
「笑うなー!」と恐い顔で言ったら
本当にずっと笑わなかった。しまった。
「訂正、さあ笑いなさい」とも言えず。

もう1本は大泉逸郎さんの「孫」を歌ったんだけど、
「孫がいる人の気持ちになってごらん。
 さあ、好物は何?」
と聞いたら
「はい。せんべい!」「みかんとさくらんぼ」
に笑った。見たのか。

4月24日・月曜日
清水さんにピッタリの物件!
という電話を知り合いからいただき、
どれどれ、とみんなで見に行った。
たちまち気に入り、値段を聞いてたちまち退散。
ラーメン食べるより早かった。
もう結構ざます。

そのあと、中学校時代の男の友達から電話が入り、
なつかしいな! 一緒にモノマネやったよな!
なんて話してるうちに
みるみるアホな思い出がよみがえった。
2時間後、これもたまたま
短大時代の女友達からもかかってきて、
びっくりした。
学校時代シリーズが続いたってことに。
何かの前兆かしら。
その電話が続いたことを一緒に驚いてもらいたくて、
「さっきさー」と、古い友達にこっちから電話連絡。

4月25日・火曜日
「ロンブードラゴン」収録。
テーマは「目指せ流行語大賞!」。
「だっちゅーの!」しかり、
これまで大賞をもらった言葉は必ず
短く、インパクトがあるようだ、
ってな事で、結局一発ギャグを各自で探して披露。
100人の老若男女を前に、仮装大賞の如く、
認められたら電光が上がっていくというしくみ。

一発ギャグ、私は不得手なんだけど、
やってくうちに、どんどん麻痺するものなのか、
何言っても笑えてきて、
何がおかしいのかもわからなくなり、幸せだった。
点数は少ないというのに、それすらおかしい。
つけようとしてる事がもうおかしい。
老後はこういうボケ老人になるかもしれない。
とうとうそれが、マネージャー・ヤノッチにまで
伝染したらしい。
急に仕事でかかってきた携帯に、
「おはようございました!」
と、まじめに挨拶してた。
これ、口にしてみ。

2000-05-09-TUE

第140回

4月26日・水曜日
ゆうべ見てきた、野田MAPの
「カノン」のパンフをもう一度読む。
演劇って、いったいどうやって作られるものなんだろう。
私が演出家だったら、と、
イチから想像しただけで気が遠くなり、
胃が痛くなりそうだった。
出演してた雨あがり決死隊の一人は、
「腸が痛くなった」と楽屋で言ってた。
「腸はないよな、行き過ぎだよ」
と、笑う野田さんも、そうとうきてたようだった。
私は朝から雨の中、外ロケで疲れた。
でもおそらく、夕べの練習に比べたら、
それこそ雨あがり決死隊なのだー。

4月27日・木曜日
ビバリー。
いつかのLFの小笠原さんの
「よ! 聴視率の女王!」発言に、
「世辞はいいからシナボンでも持ってこい!」と言ったら、
今日本当にたくさんシナボンが置いてあった。
本当に嬉しかった。
おいしそうなものをくれる人、
とたんに好きになるから私は本当に舌がいやしい。

こないだシナボンについてここに書いたら、
たくさんの意見をメールでいただいた。
例によって一人一人に返事はほとんどしないけど、
全部しっかり読んでます。
読むのはホントに好きだから。

シナボン、いかにもアメリカのお菓子ってカンジで、
ハッキリ・たっぷり甘い・でかいところがいいじゃない。
実はあれは、繊細な味よりも
外人になってるような味覚が楽しいんじゃないかな。
包んである粗末な紙とか、書いてあるロゴとか、
そのめまいがするような激しい甘さで、
私は旅行を思い出しましたが。
と、これはメールの皆さんへの返事も兼ねて。



4月28日・金曜日

ドラマ収録。
ロケの街角で、おいしそうなパン屋さんを発見し、
みんなの分も買って持ってったら
食後なのに意外と好評。
それにしても、パン屋さんほど
いい香りに包まれる職業が他にあるでしょうか。
私は学生時代にケーキ屋の厨房でバイトしてたんだけど、
すぐ隣がパン工房で、
途中でたちまち羨しくなったもんね。
バニラの香りはやや飽きるけど、
イーストの発酵する匂いは
深ーく人を幸せにしてくれるっていうか。
パン屋さんに勤務する人に、
犯罪人が出るパーセンテージが驚くほど低いのも、
うなずける話である(ジャムハウス・社会部調べ)。

4月29日・土曜日
またLF。もはやLFタレントだ。
帰ってから「ホーキング・宇宙を語る」を読み始め、
非現実的世界へ。
難しい本は、本当にすぐ安眠をくれる。
これはコドモにもしょっちゅう教えている。

ところで、こんな夢を見た。
オットが死んでて、
それはとっくにわかっているんだけど、
さて、どうしようかと寝ながら困っているのだ。
このところ、何度も寝るのがくり返しの日々なのだ。
オットがいないと、
とにかく何もやる気がないのでどうしよう。
死んだのが悲しいのではなく、やる気がしないから
ちゃんと趣味でも作っておくんだった、
これから空白だなあ、ああ今日も寝るんだ、
という静かな夢。
起きてから、しばらく、
自分に本当に大切なものって何なんだ? と考えた。
オットではなかった。

4月30日・日曜日
シゴトが終わってから、みんなで食事に。
いつのまにかヤノッチの「お好み焼きファン」が移り、
私がお好み焼き屋にどうしても行きたい!
と言い出したため、近所のお好み焼き屋さんへぞろぞろ。

ソース味って、
どうしても安いイメージがつくのはなぜなんだろう。
ソース味のやきそばにしろ、たこ焼きにしろ、
もはや立派な和食と言えると思うんだけど、
歴史がまだ浅いせいでしょうな。ソース自体の。
お醤油味(だし)になると、上品とすら思えるもんね。
そして、足らない。頬にぐっとこない。
ああソース。
そして紅しょうが。

店内は、思いっきり古い歌謡曲がかかってて、
それがよく似合っていた。
ヤノッチはいつか将来、お好み焼き屋さんをやりたい、
と言って、「そんなに?」と
まわりからいっせいに注目されていた。
初めて行った店なんだけど、
隣の席では、いったいどうゆうつもりなのか、
火のない鉄板の上に、でっかい将棋盤を置き、
老人ふたりが向かい合って考えこんでいた。
それがどうやらいつものこと、という様子で、
経営者とのご関係を、焼きながら考えた。

2000-05-12-FRI

 
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