イースターが
じわっと熱くないですか?

イースターが、来てるみたいに感じませんか?

いや、暦の上でイースターは毎年、
やって来るわけですけれど、
なんていうか、じわっと盛り上がってきそうな気配が。

もしかしたら、もう盛り上がってるのかもしれません。
クッキーとかケーキとか、
スーパーでも「イースターフェア」とか銘打って
卵料理がメインのコーナーが出現してるみたいです。

そういえば、横浜で生まれ育ったからか
子どもの頃、イースターエッグを作って、
近くのいろんな国籍の子どもたちと遊んだ記憶が‥‥。
茹で卵に好きな色を好きなだけ塗れるなんて、
「食べ物を粗末にしちゃいけません!」と常に親から
諭される立場としては、ものすっごい非日常で、
お盆にキュウリや茄子に割り箸の足をつけていいのと
同じくらい楽しかったのを覚えてます。

あ、といっても
インターナショナルスクールでも何でもなく、
近所だったから遊んでただけなんですが。
言葉はほとんど、相手は英語で
わたしが日本語のまま通じたというか、
特に問題なかったというか。
そう思うと、子どもの「遊びたい」欲求と
適応力はすごいですね。

またチョコかっ! と思われそうですが、
たまたま通りかかったら、見つけてしまったのです。
チョコで出来た巣に乗っかってる、チョコの卵を。
そっと、卵を割ってみると‥‥

ちっちゃなカメと、ちっちゃな貝が出てきます。
卵によっては、魚とか別のものが出てくるようです。
可愛いっ! けど、これ、どんなふうに作ったのかな?
なんて、つい気になります。
まず魚とカメを作って、それを卵の殻型のチョコで覆う、
というか、まず片側に入れて、
継ぎ目がわからないように閉じる? とか。
う〜〜ん。

それで、肝心のイースターなんですが、
復活祭ということは習った気がするんですが、
内容としてはわかっちゃいないことを
あらためて思い出しまして。
こんな時、母校(カトリックの女子校)の担任だった先生に
聞いたりしたら、かなり長い説明を聞くことになりそう、
かつ、学生時代ほぼ聞いてなかったことを30年経って
再確認させてしまうことになる、
ので、学生時代の本からの知識プラス、
ネットでサラッと調べてみました。↓

クリスマスはキリストの誕生を祝う日ですが、
イースターはキリストの復活を祝う復活祭。
(ちなみにハロウィーンは
ケルト人の祭りが起源とされていて
キリスト教の行事ではないのですね。
キリスト教からはハロウィーンに対して
容認・批判さまざまな見解があるとか。)
十字架に磔になって亡くなったイエス・キリストが、
3日目に復活したことを祝う
キリスト教の最も重要なお祭りで、
“春分の日のあとの最初の満月から数えて最初の日曜日”
と定められたのは、
325年のニカイア公会議という世界教会会議での
こととされています。
うーん、会議の名前だけは
うっすら記憶にあるような、ないような。

この会議での取り決めによって、
クリスマスは12月25日の固定祝日、
イースターは移動祝日に。
つまり、日曜日ってことだけは決まってるけれど
イースターはその年によって
日にちが変わることになったのですね。

ただ、ここでちょっと複雑なのが、
世界中でイースターを同じ日に祝っているかというと
そうでもないようなのです。
教科書に載ってた「東西教会の分裂」、ありましたよね。
(あ゛〜、分裂しちゃうんだ〜、
もっとシンプルに行ってほしいのに〜
と、暗記する年号が増える辛さのみ印象に残ってます。)
キリスト教教会は、カトリックや聖公会、
プロテスタントなどの西方教会
(西ヨーロッパを中心に広がって成長した諸教会)と
ギリシャ正教などの東方教会
(中東や東ヨーロッパで成長した諸教会)に
分かれるわけですが、
当時使っていたユリウス暦(旧暦)だと
肝心の春分の日が天文現象と暦の上ではズレてくることが
13世紀くらいにわかって、
ローマ・カトリック教会としても
16世紀には改暦する方向に。
結果、精度が高いといっても
ローマ・カトリック教会が改暦した暦を使いたくない
東方教会はそのままユリウス暦を使い、
改暦したグレゴリオ暦(西暦)を使う西方教会と
ズレの少ないグレゴリオ暦を導入していった各地域では
(明治5年に導入した日本も含めて)、
イースターの日にちが
今でも異なることになったという経緯です。

なので、旅人が旅先で二度、
イースターを迎える年があったり、
海外の友達と電話してて
「ん? イースター、もう過ぎたはずなのに」
なんて会話が食い違ったりすることもあるかも。

文字ばかりの説明が長くなってきたので、
ここでちょっと
おちゃめな魚のパイを。

イースターじゃなくてエイプリルフールを祝う魚型のパイ、
ポアソンダブリルです。
フランス語でポアソンは魚、ダブリルは4月だそうで、
ヨーロッパでは子どもたちが魚の絵を描いた紙を
誰かの背中に貼り付けるいたずらをしたり、
魚の形のパイやチョコレートを
食べる習慣があるといいます。
可愛い表情にほだされて、つい買ってしまいました。

で、話を戻して
なんでイースターに卵かというと、
復活祭の前には、西方教会における四旬節、
正教会では大斎という
キリストの受難に思いを馳せて
食事制限をする40日間があって
この期間には肉や乳製品や卵などが禁じられていたため、
復活祭の日には家族で食卓を囲み、
解禁となった食物を摂るという
習わしだったといいます。
(今は西欧諸国でもそんなに節食してないみたいですが。)
特に卵は、その40日の間に貯まったものを
まとめて消費するという現実的な理由、
プラス、動かない硬い殻から新しい命が生まれるという
死と復活の象徴として
イースターを彩ってきたということです。

ホワイトハウスでもイースターには敷地内で、
エッグロールと呼ばれる
卵の殻を割らないように転がす遊びが恒例だとか。
子どもたちもエッグハントという、
ペイントされた茹で卵を探す遊びに興じたりと、
復活祭はカラフルで楽しいイメージのまま
日本にも上陸してきて、
いよいよ広まってきたわけなんですね。

思いの外、長くなっちゃいましたが、
あらためてシンプルにわかりやすく説明するって‥‥
難しいですよね。今更ですが。
でも、ただ菓子の感想だけ
つらつら綴ったのを読んでいただくのも
申し訳ない気もしますし。これはもっと今更ですが。
なんて、長くなった言い訳をしつつ、
カラフルで素敵なイースターを!

わたなべ まり

2017-04-14-FRI

Jean Paul Hevin
http://www.jph-japon.co.jp/

noix de beurre
http://www.noix-de-beurre.com/