ほぼ日刊イトイ新聞

マンガでドミノ

『AKIRA』

『AKIRA』

著者:大友 克洋
発行:講談社
前作『コブラ(COBRA)』から
アルファベット表記で5文字、カナ表記で3文字、
そして語尾が「ラ / RA」つながりで
『AKIRA』は、いかがでしょうか?

物語の舞台は、2019年の東京。
この作品の連載が始まった当初から、
リアルタイムで読んでいるものからみれば、
はるか先の未来の物語だったはずが、
目前に迫ってきています。

物語の発端となる第3次世界大戦は
いまだに勃発していないけれども、
お台場・六本木・汐留、その後の東京は、
どんどんと姿を変えています。
スカイツリーとその真下にある下町の風情は、
新しさと懐かしさが混然と同居する
このマンガの中の街の描写そのままです。
だから、現在の東京のどこかに、
このマンガに登場し活躍する少年少女達が、
産まれ育っているのではないか、
もしかしたら、知らず知らずのうちに
彼らに遭遇しているのではないか.…
そんな気もしてしまうのです。

ちなみに、主要な登場人物である鉄雄は、
物語中盤で片腕を失い、手製の義手を装着します。
その義手がクライマックスで主要な展開をみせるのも、
『コブラ』のサイコガンとも相通じていますね。

(=OyO=)

2011-02-12-SAT