もしも、うちのコが迷子になったら。

ほぼ日刊イトイ新聞

第1回いなくなった経緯。

──
はじめまして。
まずは、花子ちゃん、
見つかってよかったですね。
村岡
ありがとうございます、本当に。
──
花子ちゃんが迷子になったという情報が
ドコノコの迷子掲示板を通じて
入ってきたんですけど、そのエリアが、
ドコノコチームのタナカの家から
自転車で行ける距離だったので、
タナカも捜索に参加していたんです。
村岡
そうだったんですね。
どうもありがとうございます。
▲近くで迷子になったコがいたら
こんな表示があらわれます。
──
迷子になったのが、
村岡さんが出演している舞台の
本番中だったということで、
捜索とお仕事との兼ね合いが
まず大変だったんじゃないかなと。
村岡
そうなんです。
──
どんなふうにいなくなったのか、
経緯から教えてもらえますか?
村岡
はい。花子がいなくなったのは、
4月19日、木曜の夜です。
我が家から徒歩15分のところにある
友人宅から突然飛び出してしまったんです。
──
ご友人の家から。
村岡
私は花子を連れて、
しょっちゅうその家に遊びに行っていました。
花子はもともと山で保護された子だったので、
最初は人間が苦手だったんですが、
一年くらいかけて友人ともだんだん仲良くなって。
──
そうだったんですね。
村岡
最近は、花子もその家に行くのを
楽しみにしている様子だったので、
「いつかここでお留守番が
できるようになったらいいね」
なんて言っていて、
あるとき、夜公演の前に友人宅に花子を預けて、
本番が終わって迎えに行くというのを
実際に1回やってみたんです。
ドキドキしながら迎えに行ったら、
机の下でグーグー寝ていて、
「あ、大丈夫なんじゃない?」って。
──
おぉ。
村岡
それで2回目も、友人が、
「今日も家にいるから預ける?」
と言ってくれたので、預けていたんです。
そしたら、夜にちょっと様子が変わって、
急に玄関で、ハァハァハァハァって
呼吸が荒くなっちゃったみたいで‥‥。
花子は昔捨てられた経験があるせいなのか、
「迎えに来ないんじゃないか」と
思ってしまったのかもしれないです。
ずっと友人が寄り添ってくれていたんですけど、
そこに旦那さんが帰宅されて、
花子と目が合って、
一瞬止まったその隙に、玄関の隙間から
パーッと飛び出しちゃったんです。
──
あぁ‥‥。
村岡
すぐに私や他の友人たちに連絡がまわって、
花子の行方を追いました。
別の友人の目撃情報によると、
花子はどうやら家に自力で
帰っていたみたいなんです。
何回か行き来しているから
道を覚えていたんですね。
でも、マンションだから部屋に入れなくて、
隣のコンビニの前にいたところを
別の友人が
「あ、花子がいた!」って捕まえようとしたら、
またピューッと逃げて、
その繰り返しでどんどん遠くに行ってしまったんです。
それで、すぐに、
情報を集めなくちゃ、となって、
ドコノコの迷子掲示板にも出させてもらって。
──
もともとドコノコには
登録してくださっていたんですか?
村岡
はい。猫を飼っている友人が
ドコノコに登録していて、
その猫の写真でカレンダーを
作ったりしていたのを見ていて、
私も登録してみたんです。
暇なときにも
とにかく眺めるみたいな感じで使っていました。
迷子捜索の機能もあるんだなぁって
思っていたんですけど、
まさか自分が使うとは全く思ってなくて。
こんなことになってはじめて、
「あ、そういえば、ドコノコがあった」と。
──
思い出していただいて、
ありがとうございます。
ドコノコ以外では、ツイッターも
捜索に活用なさってましたよね。
村岡
そうなんです。友人たちが
ツイートしてくれて、
それでずいぶん情報が集まりました。
あと友人がLINEのグループで、
「チーム花子」というのを作ってくれて、
そこでも情報共有をし合って。
──
そういうものを活用しながらも、
村岡さんも直接さがしに行かれたんですよね。
村岡
はい。翌日は金曜日で、
夜公演が入っていたので、
そのギリギリの時間まで
私もさがし回ってました。
だけど、その段階では
まったく手がかりがなかったんです。
で、夜公演をやっている最中に、
「仙川で見た」という情報が入ったんですね。
──
調布市の仙川駅周辺ってことですね。
ご自宅から仙川までは
どれくらい離れているんですか?
村岡
たぶん、大人が歩いて40分くらいです。
私が舞台の本番に出ている間も、
友人たちのなかで動ける人が
何人かさがしてくれていたんですけど、
その友人たちが仙川に行って
聞き込みをしたら、
「あ、さっき見ました。
大きな広場をバーって走って行きました」
という情報がまたあって。
でも、その日には花子は
見かけられずに終わっちゃって、
で、まぁ、結局、
土日もずっとさがすことに
なってしまったんです。
──
どんどん遠くに行ってしまうかも、って
心配になってしまいますよね。
村岡
そうなんです。
どんどん進んじゃって、
三鷹のほうにまで
行っちゃうんじゃないかとも思ったんですけど、
でもまた翌日の土曜日に、
仙川で目撃情報があったんです。
その情報を手がかりに、
友人たちといっしょに常に捜索をして、
さらに別の目撃情報をもとに
「きっとこのエリアだ」っていう場所を
どんどん特定していって。
──
狭めていったんですね。
村岡
そうですね。
でも結局、私の声じゃないと
また逃げちゃうんじゃないか、となって、
「花子! 花子!」って
私が呼んでいる音声を、
「チーム花子」のみんなが
自分のスマホに入れてくれて、
その音声を出しつつ
さがしてくれたんです。
──
音声を持ち歩くって、
いいアイデアですね。
村岡
そうなんです。
それで、いなくなって3日目の日曜日、
「どうも、このお寺で寝てたんじゃないかな」
という場所が特定できたので、
そこを友人たちと本拠地にして、
疲れたら戻ってくる感じで、
それぞれに捜索していたんです。
私も次の日は休演日だったので、
その日はお寺で夜を明かすつもりでした。
暗くなる前に、そのお寺のまわりを
ちょっと1周してさがしてみようと思って、
お寺の前の坂を下りながら、
「花子ー!花子ー!」って言ってたら、
その坂の下からピョンッと花子が飛び出してきて‥‥。
──
あぁ、よかった‥‥!!!
村岡
もう奇跡というか‥‥。
──
じゃあ最終的に見つけたのは、
村岡さんご自身だったんですね。
村岡
そうです。そのときは友達が15人くらい
総出で捜索してくれていたんですけど、
たまたま私が1人でいるときに、
花子と出会えたんです。
見つかった翌日の花子ちゃん。
健康状態も良好だったそう。

(つづきます)

2018-07-04-WED