magic
ライフ・イズ・マジック
種ありの人生と、種なしの人生と。


『うまうま信州信濃旅』


秋も深まったので、美味しいものを求めて
旅に出ましたよ。

高山村スパインという、
道の駅と足湯が一緒に楽しめるところがありまして。

足湯でゆるゆる温まりつつ、胃袋も温めましょうと
熱々のキノコ汁をふうふう。

うまいですよ、うまいに決まってます。
すぐ近くの山々で採れた色んなキノコの香気が、
椀から湯気とともに立ちのぼってきます。

カニを食べると静かになるというけれど、
足湯に入ってキノコ汁を食べる時も、静かになりますね。

聞こえてくるのは、
「ふう、ふう」
という息と、足湯に流れこむ源泉の湯音だけ。

不思議なことに、キノコ汁が胃の腑にしみこむと、
だんだんと腹がへるような。

『信州信濃の蕎麦よりも、
 わたしゃあんたのそばがよい』
なんて文句があるけれど、信州信濃で腹がへったら
蕎麦がよいでしょうと、文の蔵という蕎麦屋さんへ。

山菜の天ぷらなどをいただいて、
〆は待ってましたの冷たい蕎麦。

なんでしょうねぇ、あの純朴な蕎麦の香り。
辛めの汁に蕎麦の先をちょい浸し、あとはズズッと。

食後に佐藤農園に行きましたよ。
「日本一のピノノワールを作る!」
と、宣言されたそうな。

日本一宣言にふさわしい、壮大な葡萄畑が
斜面に広がってましたよ。

「もう収穫は済んでるから、
 摘み忘れた葡萄が少しあるだけ。
 酸っぱいかもなぁ」

なんて言われたけれど、小さな葡萄の粒の甘さたるや。
皆さん、あわてて他にないかと
一斉に摘み残し葡萄を捜索。

発見した葡萄の房に群がり、粒を口にふくむ。
葡萄の甘さと芳香にうっとり。

うっとりしつつ信州高山ワイナリーに移動、
ワインのテイスティングに参加。

実をいうとワインの味音痴の私には
どれも美味しく感じられ、
クイクイいただいちゃいましたよ。

だって、目の前に視線の果てまで葡萄畑が広がる
光景を眺め、畑の土の香りを感じながらいただけば、
どんなワインだって美味しく感じられるもんですよ。

里の美味しいものを里でいただく、
これに勝る贅沢はなし、でありますねぇ。

蕨温泉という、たぶん地元の人しか入らないような
温泉がありましたよ。
源泉掛け流し、贅沢な温泉。

ちょい温かめの湯は、ゆるりとしみる体へのご馳走。

夕刻になり、高山村から飯綱町に移動。
小さな宿Sinraに投宿しました。

お宿で、ブッフェスタイルの料理をいただきましたよ。
舞茸と鶏の炒めもの、リンゴ風味ピラフ、
ひとり占めしたくなりました。

翌朝、サラダとパンとコーヒー。
信州信濃の野菜は、朝にいいなぁ体にいいなぁ。


長野国際カントリー倶楽部では、
アップルパイをいただきました。
ほの甘い生地に、果肉の濃厚な甘みと酸味。

昼は箱膳。
意外なほど薄味の野菜料理に炊き込みご飯。
これぞ信州、これぞ信濃の伝統料理。

食後に高野家へ。
門からして大きい、豪奢な旧家。
広いお庭を眺めながら、奥様手作りの奈良漬を。

これが、なんともうまうま。
パリポリと噛み、濃いめのお茶とともに流し込む。
すると、舌が勝手に次のひと切れを要求します。

しょうがないなぁとひと切れ、またひと切れ。
どうやら、本当の奈良漬の味わいというのは、
高野家で作り続けられているらしいのでありますよ。

この奈良漬に、
信州信濃の地ワインを合わせた日にやぁ、
あぁ、たまりません。
うまうま信州信濃旅、ご馳走さまでございました。

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2017-11-26-SUN
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