magic
ライフ・イズ・マジック
種ありの人生と、種なしの人生と。


皆様、明けまして‥‥、以下同文です(笑)。

2017年のスタートは、軽度なれど深刻!? な
闘病日記であります。
本年も変わらずご愛読のほど、
よろしくお願い申しあげます。

『初風邪はつらいね』


久しぶりに風邪を引いてしまいましたよ。
いやぁ、つらいもんです、風邪って。

最近は、風邪を引くと
お腹にくることが多かった。
始めはお腹の問題だと思うから、
胃腸薬などを服用するのだが、まるで効かない。

おかしいなぁと思っていると、
だんだん熱が出てだるいという風邪の症状になり、
やっと風邪だと気づく。

ところが、今回の風邪は喉に直接やってきた。
鼻の奥がツンツンし、喉が痛くなり、
熱は出るは悪寒はするは。

そうこうするうちに声が枯れてきた。
しゃがれ声からかすれ声になり、
とうとう声が出なくなった。

旅の途中だったので市販の風邪薬を服用し、
主な風邪の症状は改善したのだが、
どうにも声が戻らない。

スマホに、R大のH教授からメッセージが届いた。
「わたしも風邪が悪化して
 一昨日から急性声帯炎症で声が出ないです。
 あちこちの講演で歌いすぎました」

「講演で歌いすぎ?」
あれこれ疑問を抱きつつも、
帰宅したら私も病院で診察を受けようと決意した。
なんせ、次の仕事が迫っているのだ。

東京に戻り、近所の病院に行った。
「はいはい、風邪ね。
 声ってね、声帯が微妙に震えて出るんだけど、
 声帯が腫れててね。
 そうね、1週間後だね、声が出るのは」

困った、実に困った。
私は小さな声でささやくように、
「あの、実は2日後に仕事がありまして」

「えっ? 2日後?
 じゃぁ、しゃべらないように仕事してね」

「いえいえ、しゃべるのが僕の仕事でして」

「相方さんと交代してもらえないの?
 マジックは別にしゃべらなくていいんでしょ?
 しゃべりは相方さんで、
 あんたがマジックやるとか」

私は頭の中で、
自分ができるマジックの数を数えてみた。
多くて3つか‥‥。

これじゃ30分どころか10分も持たないだろう。
残り20分を相方がしゃべりで持たせられるだろうか。

相方はしゃべりより歌うのが好きだから、
20分歌ってもらってもいいのだが、
あの歌ではギャラがもらえそうもない。

院長先生の前で、私は茫然自失顔だったに違いない。
先生はムリムリ励ましてくれるように、
「いや、なんとか早く声が出るように、薬もね。
 なんとか、間に合えば、ね」

以前、風邪で高熱ながらステージに立ったことがあった。
「みなひゃん、暑いですね〜(冬だよ、おい)。
 こういう時は熱燗でね(暑いのに?)。
 早く寝たいですね〜
 (自分の今の気持ちを言ってるだけ)」

そりゃひどいものだった。
それでも、声が出ただけマシと思える。

翌日、私は再び病院を訪れたのだが、
あいにく定休日の札が‥‥。
しかし、ふと気づくと私はインターフォンを押していた。

先生は普段着のままで出てきてくれ、
「定休日に無理やり来たのは、あんただけだよ」
そう言いつつも、簡易検査をしてくれた。

浅草の料亭のお座敷、30分、なんとか声は出てくれた。
途中、しわがれながらも、声は持った。
幸いにも、しゃべりはウケた。

「ありがとうございます、先生」
定休日なのに診てくれた院長先生に、
心の中で深く感謝し続けた。

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2017-01-08 -SUN
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